本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「船に乗れ!」藤谷治
船に乗れ!〈1〉合奏と協奏船に乗れ!(2) 独奏船に乗れ! (3)

音楽一家に育ったサトルは、チェロを始め、高校受験に失敗し、二流の音楽高校に入る。
そこで自らを過信していたサトルだけれど、学生オーケストラに入って、
ヴァイオリンの南枝里子に出会って、フルートの伊藤慧などの友達にも出会って、
そこで苦労して一つの音楽を奏でていくことで、音楽の楽しみを身をもって知っていく。
そんな、典型的なさわやかな青春小説、のはずだった1巻。

大人になったサトルの回想から始まるこの物語は、2、3巻に続くにつれ、
「普通の青春小説」の型をあっというまに外れていく。
そこには目をそむけたくなるような挫折や苦しみがある。
でもだからこそ、それは、誰もが共感に至るような、苦い青春小説になりうる。

ひさしぶりに胸が震える本に出会いました。大袈裟ではなく。
自分が音楽やってることと関係あるとは思うけれど、
誰が読んでも共感できる本だと思う。いやしかし、今現役の高校生が読むより、
何かに挫折した大人が読んだ方が、ぐっと胸にしみるのだと思う。
その共感は苦い共感ではあるのだけれど。
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# 「雪沼とその周辺」堀江敏幸
雪沼とその周辺 (新潮文庫)
雪沼とその周辺 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 380
  • 発売日: 2007/07
  • 売上ランキング: 118514
  • おすすめ度 4.5


「雪沼」という地名を舞台に、様々な人々の生活を情緒豊かに描く作品集。
堀江さんは「いつか王子駅へ」を読んだ時はぴんとこなかった。
そのあと「めぐらし屋」を読み、いい小説だなあ、と思った。
今回「雪沼とその周辺」。今回は、ものすごくいいなあ、と思った。
年を取る毎に、堀江さんの小説って、しみこんでいくのではないかなと思う。
この、薄くて短い作品集に、たくさんの人生が詰まっている。
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# 「一八八八切り裂きジャック」服部まゆみ
一八八八切り裂きジャック (角川文庫)
一八八八切り裂きジャック (角川文庫)
  • 発売元: 角川書店
  • 発売日: 2002/03
  • 売上ランキング: 301078
  • おすすめ度 4.5


「語り手の事情」を読んでいたら切り裂きジャックが出てきたので、
そういやそんなタイトルの本家にあったなと探し出してきたのがこの本で、
分厚さにひるみながらも読みだしたら1週間夢中で、読み終わっても
なんだかまだ霧のロンドンにいるみたいな気分で2,3日過ごしました。
思っていたのと違ったけど、思っていたよりはるかに面白く、
ああ読書ってほんま面白いなあとしみじみ思った本でした。

文明開化の日本からドイツを経てイギリスにやってくる留学生、柏木薫(男)、
そして彼の友人の超美形の青年、鷹原惟光のコンビが、
ロンドンで遭遇した切り裂きジャックの謎に迫って行くんだけれど。
最初からいきなりヴァージニア・ウルフから手紙はくるし、
行った先のドイツでは友達の「森林太郎」が踊り子とつきあってるって噂だし、
明治時代のその空気に触れているだけなのにすごく面白くて、
事件に遭遇するまでにだいぶページ数がかかるんだけど、ちっとも飽きなかった。
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# 「ツィス」広瀬正
ツィス (集英社文庫)
ツィス (集英社文庫)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 750
  • 発売日: 2008/08
  • 売上ランキング: 243609
  • おすすめ度 5.0


昨年、次々と復刊された広瀬正さんの作品。復刊順に読んでいます。
今回は、音をテーマにしたパニック小説。
ドのシャープの音、ツィス音が突然鳴り始めた世界。
原因不明のその音がどんどん大きくなり、東京がパニックに陥るという物語。

私は一応絶対音感の持ち主(ここに出てくる逸見のり子さんほどではないですが)で、
ドのシャープの音がどんな音かはだいたいわかります。いやな音です。
基本の音になるドの半音上。だいたいの音楽は、聞いてるときに
一緒にツィス音が鳴ってたら、やな気分になると思います。
ジャズだと、いろんな音を取り込める素養があるので、まだましですが・・・。
たぶん考えられる中で、ずっと鳴ってたら一番いやな音だと思います。
あえてこの高さを選んで題材にするあたり、ジャズも演奏していた
広瀬さんのこだわりを感じました。音に関する考察も演奏家ならではだったと思います。
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# 「ボーダー&レス」藤代泉
ボーダー&レス
ボーダー&レス
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2009/11/07
  • 売上ランキング: 116742
  • おすすめ度 4.0


芥川賞候補になったから読んだんだけど、それまで知らなかったんだけど、
読めてよかったなあと思いました。この本好きだなあ。
芥川賞とか最近なんかどうでもよくなっちゃってるけど、
こうやってこの本を発見させてくれたので、ありがたいです。
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# 「世界音痴」穂村弘
世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)
世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 480
  • 発売日: 2009/10/06
  • 売上ランキング: 71298


はじめての穂村さんエッセイ。
東直子さんとの短歌集は読んだことがあったのだけれど、エッセイははじめてで、
でも何となく最初から「私と似た匂い」を穂村さんに感じていたのだけれど
(エッセイタイトルが「世界音痴」だったり「本当はちがうんだ日記」だったり
したからかもしれない。)
やっぱり私と似た匂いをかもし出していた。
30代後半、独身、人生の本番はいつからだろう。
そんなことをつらつら思いながら働き短歌を詠むサラリーマン、穂村弘。
むちゃむちゃ共感するエッセイだった。
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# 「推理小説」「アンフェアな月―刑事 雪平夏見」秦建日子
推理小説 (河出文庫)アンフェアな月―刑事 雪平夏見 (河出文庫)

ドラマ「アンフェア」面白かったですねー。私、毎週夢中で見ましたわ。
まあ、しかし犯人は最終的にはありえないよ!って感じで、
このドラマ見てから私はこういうドラマ見るたびに
「一番怪しくない奴が一番怪しいんだよ」と思うようになり、
そしてよく犯人を当てるようになりましたよ。
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# 「密謀」藤沢周平
密謀 (上巻) (新潮文庫)
密謀 (上巻) (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 1985/09
  • 売上ランキング: 21028
  • おすすめ度 4.5


※上下巻です。画像がなかったので上巻だけ載せてます。

大河ドラマ「天地人」が始まった頃にこの本が本屋で並び、
藤沢周平が描く直江兼続、とあったので俄然興味がわきました。
藤沢さんがあまり歴史上の人物を題材にするイメージがなかったのもあるけど、
「密謀」なんて謀略がうごめいてそうな陰気なタイトルが、
「天地人」の(特にドラマの)爽やか過ぎる印象を一蹴してくれるかなと思ったのです。

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# 「忘却の河」福永武彦
忘却の河 (新潮文庫)
忘却の河 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2007/08
  • 売上ランキング: 59470
  • おすすめ度 5.0


こないだ、ヌメ革のブックカバーを買った。ブックカバーはたくさん持ってるけど、
革というのは特別で、ちょっと大人になった気分。
で、その革のブックカバーをはじめてかけて読んだのが、この「忘却の河」だった。
ますます大人になった気分だった。


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| comments(0) | trackbacks(0) | 23:38 | category: 作家別・は行(その他の作家) |
# 「三たびの海峡」帚木蓬生
三たびの海峡 (新潮文庫)
三たびの海峡 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 1995/07
  • 売上ランキング: 44303
  • おすすめ度 4.5


日本占領下の朝鮮で、河時根は貧しいながらも父母と妹とともに慎ましく暮らしていた。
しかし突如召集がかかり、連れて行かれた先はボタ山と呼ばれる日本の炭坑であった。
そこで想像を絶するひどい待遇で働かされ、仲間が何人も死んでいった・・・
召集で一度、そして日本で愛する女を見つけて海を渡り、2回海峡を超えたが、
老境に達して、炭坑跡をなくそうとする動きがあるのを知り、
三たび、彼は海峡を越える決意をする。
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