本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「しょうがの味は熱い」綿矢りさ
しょうがの味は熱い
しょうがの味は熱い
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2012/12/12
  • 売上ランキング: 94575


綿矢さんの本が出たら何となく読んでしまいます。
綿矢さんってかわいいのに、痛いんだよね。その痛さが私の隠してる
(そして隠しきれてない)痛さと共鳴するんでしょうかね。
最初の「蹴りたい背中」あたりの痛さにはなんか純文学的な匂いも漂ってた気がするけど、
最近の「勝手にふるえてろ」とか「かわいそうだね?」での痛さは、
誰もがあまり書かない本質的な痛さをついてきてる感じがして、共感できてしまいます。

でも、今回のこの本は、残念ながら全く共感できず、びっくりするくらい。
ひたすらイライラする内容でした。痛いという点では今までと一緒なんですが・・・
痛いにもいろいろあるんだな、今まで共感できてた本との違いは明らかなんだけど
言葉にはできないんだけど・・・

同棲カップルの倦怠を描いた中篇2つ。同棲中の1篇と、数年後のもう1篇が収録されてます。
前半は、お互いの視点でお互いの倦怠した気持ちを淡々と語る、みたいな感じで、
共感できないなりに普通に読めてたけど、後半になると、女性側の奈世が
ですます調で話し始めて文体がまず変わり、丁寧さが逆に不穏になって。
同棲を数年続けて停滞してるのにいきなり結婚を迫る奈世と、それを拒否する絃。
長年だらだら同棲して急に結婚して!でうまくいくと何故か思いこんでる奈世も怖すぎるし
(絃は仕事してるのに、夜に毎日寝る間もないほど責め続けるって異常よね・・・)
奈世がそれでもそこまで追い詰められてるのによくわかんない理由で拒否し続けて、
奈世が出て行っても放置、みたいな絃の気持ちもわからない。

なんか、お互いが自分のことしか考えてないように思えた。なんか互いの思いを
空気を読んで気遣ってどうこう、っていう何か大事なものが欠けてる感じがするんだよね。
相手が好きだと言ってるわりには、相手の気持ちを考えてない気がする。
そこらへんがなんか、笑えない痛さなんだよなあ。

ネタバレになるから書かないけど最後の展開も、絃、ありえんわ、そこまでやったら
もっとちゃんとやれよ、って思いました。
結局同じことの繰り返しなんじゃないの、この2人って・・・

恋愛なんてまあ独りよがりなものだよね、と改めて思った次第でした。
こんなの自分の恋愛だってさ、小説に書かれてしまえばこんなものかもしれなくて、
他の人が読んだら「勝手だなあ」「痛いなあ」と思うのかもしれない。
ある意味とてもリアルな作品です。

でも、「お互い好きだから相性がいいとは限らない」って、そのとおりやなあと思う。
好きだし、一緒にいたいけど、一緒にいるとなんかしんどい。
そんな恋愛って、切ないよね。そこはなんとなくわかる気がした。

まあ、今回はあれやったけど、綿矢さんの本はまだまだ読みます。

| comments(0) | trackbacks(0) | 21:39 | category: 作家別・ら、わ行(綿矢りさ) |
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