本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「猫のあしあと」町田康
猫のあしあと (講談社文庫)
猫のあしあと (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2012/12/14
  • 発売日: 2012/12/14
  • 売上ランキング: 40447


読む本を忘れて電車に乗り、降りた先の本屋に慌てて入り、もう本なら何でもいいという気分で
探していたらこの本が奇跡的に見つかり、即買い。町田さんの「猫にかまけて」の続編が
文庫になっていました。いい本が見つかってほくほくでした。
表紙かわいいわー。中も写真が満載です。中には町田さんが猫と一緒に写っている
プライベートショット(町田さん弛緩ぎみ)もあって、ステキでした。

でも「ステキ!」と思って買ったはいいですが、買ってから思いだしたんだけど、
私、「猫にかまけて」では号泣したのでした。またこれは涙腺ゆるみコースではないか、と
思ったらそのとおりで、この本もだいぶと泣けました。
基本的なスタンスは、横暴な飼い猫たちと彼らの言うとおりに右往左往する町田夫妻との
笑えるエピソード満載、なエッセイで、町田氏の本領発揮、という感じ、
それこそ肩がぷるぷる震えるほど笑ってしまうのですが。いつしか泣けてきます。
泣いたり笑ったり、ほんま忙しい読書でした。

「猫にかまけて」以降の町田家では、近所にいる猫たちが、死んでしまったヘッケの
兄弟なのではないかと思って、愛護団体にヘッケ似の猫を見つけたら引き取りたい、と依頼。
するとやってくるのはヘッケとは似ても似つかない猫たち。
でも連れてこられたら引き取るしかないではないか。
しかし引き取った猫たちは極度の人間嫌いだったり病気持ちだったりとトラブルを抱え、
ケージに入れるだけでも大変。猫の気をそらしてその隙に何かしようと、
変なラジオ体操を考案してはせっせと謎の動きをしても猫に見向きもされず、
しょんぼりした町田氏が出かけて戻ると妻が普通にちゃんとやっていたりとか、
町田家の日々は相変わらず笑いに包まれています。
今回は言うことをなかなかきかない猫たちだったので、町田さんの滑稽さは倍増、
猫の哀れさも倍増、という感じでした・・・
爪が伸びて大変なことになってもなかなか切れなかったりするけど、一旦できかけた
信頼関係を壊してでもやっぱり切らなければならない・・・飼い主の葛藤を感じたりしました。

私は犬をずっと飼っていて、家に同時期に3匹の犬がやってきて同時に飼ったりもしたけれど、
(3匹目が家の前でしっぽ振って座ってたときは「うーん」と思いましたが、
目が合ったので家に入れました。お引き取り願えるわけがない。)
どの子も犬だとやっぱり人なつっこいのでそんなに苦労はなかったです。
言うこと聞かない、触らせてももらえない、とかはやはり猫特有だなあと思います。
長いこと人を警戒して暮らしてきた猫たちは、優しい町田家に行ってもやっぱり警戒して
おびえていて、ずっとつらかったんだろうな、と哀しくなりました。
町田さんたちは、あんなによくしてくれてるのにね・・・
それでも、だんだんと彼らが町田さんちをわが家と思ってくる感じが伝わってきて、
それが救いともなりました。

動物が好きな私は、よく捨てられた犬や猫を飼えないか、と考えます。
でもそれって全然簡単な事じゃない、とこれを読んでまた気づきます。
町田さんは笑ったり泣いたりしながら、すごいことをしています。病気でもうダメだと
思われた猫をつきっきりで看病したり、私にそこまでできるだろうか、いや無理、と
思わざるを得ません。この本は動物をすぐに捨てちゃうような残念な人たちにも
もちろん読んでもらいたいですけど、私みたいな生半可な動物好きにもお灸を据えるような
本だと思いました。もちろん、町田さんは全く説教くさくはないんですけどね、
だからこそ響いてくるものがあります。
面白おかしいエッセイではあるんだけど、かなりの覚悟で読んだ方がいいと思います。

町田さんも、何があっても自分を責めないでほしいな。町田家でいられた猫は、
それだけでとても幸せだと思いますから。いいな、町田さんちの猫になりたいな、と思えます。
私も、犬が少しでも幸せ、と思えるようにしてあげたいな、と思いました。
| comments(0) | trackbacks(0) | 02:33 | category: 作家別・ま行(町田康) |
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