本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「生きていてもいいかしら日記」「頭の中身が漏れ出る日々」北大路公子
生きていてもいいかしら日記 (PHP文芸文庫)頭の中身が漏れ出る日々

(注、「生きていてもいいかしら日記」は文庫、「頭の中身が漏れ出る日々」は単行本です。
出版社も違いますけど同時に読んだのでまとめてご紹介します。)

北大路公子さん、初めて知りました。読みました。そして私はこの人についていくと決めました。
と、文庫解説の恩田陸さんと同じことを思いました。北大路さん、師匠と呼ばせていただきたい!

2冊とも雑誌連載を本にしたもので、40代独身親と同居、趣味は昼酒、の北大路さんの
日常を綴ったエッセイです。
最近読んだエッセイの中では、この面白さは岸本佐知子氏(妄想の達人)と並ぶ双璧です。
電車読書はかなり危険です。声出して笑っちゃいます。

独身アラフォーになりますとね。日々の生活をネタにでもしなきゃやってられんよ、って時がある。
酒飲んでも1人、風邪ひいても1人、母は老いる、犬も老いる、もうどうすりゃいいのよ、
もう笑うしかないわよ、みたいなやけくそな気持ちになる。私もなった。
そんなあたしたちの気持ちを見事に代弁してくれて、なおかつきっちり笑いに昇華してくれてる。
私もこんな風に笑い飛ばせば楽しいやーん、と思えてすごく元気が出てくる。そんなエッセイです。

まあそうやってやけくそになって生きてきたおかげで、私もわりと自虐ネタが多いんですけどね、
なかなか嫌味なく笑える自虐って実は難しいんですよね。
「そんなことないよって言ってほしいのか」って思われるんじゃないかと思うこともあるし
こんな現実あまりにひどくて笑えないのではと思うこともあるしね。
やっぱり痛々しさと自虐は紙一重なので痛くならないように笑いを取るというのはなかなか難しい。
どうして自分がそんな笑いを取る修行してるのかは謎ですが。関西人のサガだよな・・・

北大路さんの自虐は徹底していて嫌味がない。酔っぱらいの失敗話も「そいつはひどい」って
レベルの強烈なのが多くて、ほんま明るくて楽しい。
行動範囲も狭いのに(家の中8割、居酒屋2割くらい?)ネタのバリエーションも幅広い。
ひとつひとつが短いのにちゃんとオチもついていて楽しく読めてしまう。構成もいいんだろうな。

それに本当に日常的な些細なことでもこの人がネタにするとものすごく面白くなる。
特に「頭の中身が漏れ出る日々」はネタがパワーアップしてる気がします。
冷蔵庫のたまごのことが書かれてるだけなのに涙出るほど笑ったりしたし、
コンビニでの出来事の「きまずさ」の面白さと言ったら!!天才です。

北大路さんがどんな人かということで、ひとつ紹介してみると。
北大路さんは、ずっと「隣に佐藤浩市が引っ越してきた場合」を想定して生活している。
発展系として「離婚した佐藤浩市が隣に引っ越してきた場合」なども想定して待ちわびている。
きたら佐藤さんの雪かきを手伝って(北大路さんは札幌在住)、と思っている。

しかし佐藤浩市はこない。そりゃそうよ、ってツッコミもするが、その妄想癖はわからなくもない。
私だって「堺雅人が新幹線で隣に座った場合」について常に妄想している・・・。
どんな本を読んでいたら堺さんは感心してくれるかしら、とか。あほか。あほなのか。
自分はグリーン車にも乗らないくせに、何故新幹線なのかは謎ですが。

独身アラフォーで特にお酒飲む人は「この人って私かも・・・」って思う部分が多いのでは?
お酒飲まない私でも「これって私かも」って思うところがたくさんあったよ・・・
私だけなのかな・・・
文章の面白さは足元にも及びませんが、その生活には共感できるところ大で、
そんな自分もどうなのかと思いました。でもなんだか勇気が出ました。

北大路さんったら昼からお酒飲んで仕事してるんだかしてないんだか、優雅な生活で
羨ましくもなりますが、それでも生きていていいですよ北大路さん!
ずっと家でだらだらしながらこの素晴らしい自虐エッセイを書き続けて下さいませ。
応援しています。
私もこういうセンスのいい自虐生活を目指したい。明るく日常を笑い飛ばしていきたいな。

もちろん佐藤浩市がお隣に現れたらアバンチュールなどしていただいていいのですが、
それもまたネタにして御提供くださいね。楽しみにしています!
他のエッセイ集も読みたいなー
| comments(0) | trackbacks(0) | 22:40 | category: 作家別・か行(その他の作家) |
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