本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「タイムスリップ釈迦如来」鯨統一郎
タイムスリップ釈迦如来 (講談社文庫)
タイムスリップ釈迦如来 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2008/03/14
  • 売上ランキング: 396187


「タイムスリップ森鴎外」「タイムスリップ明治維新」に続く、
鯨さんのタイムスリップシリーズ三作目。
このシリーズ、ほんま肩が凝らないというか、歴史ネタはがっつり絡むのに気楽というか
脱力というか、なので読書の息抜きに読んでるみたいな読書になってるんだけど。
前2作はそれなりに面白かったんだけど、個人的にはなんかちょっと物足りないなあ、って
思う部分があって(特に「明治維新」)、何が足りないんだろうなあ、って思ってたんだけど、
これ読んでわかった。ばかばかしさが足りなかったんだ。
「明治維新」も女子高生が幕末に飛んじゃってやる気のない竜馬をけしかけたり
お色気作戦で明治維新起こしちゃったりしていてかなり非常識な展開なんだけど、
それでもこの「釈迦如来」に比べたら全然まともだった。

この「タイムスリップ釈迦如来」のあほらしさといったら・・・
しかも笑いのレベルが低レベル。駄洒落のオンパレード。
ダイバーのインストラクターをしている仏教徒の吉野公彦が、タイムスリップ常連者の麓麗を
教えることになり、二人でブッダの時代に飛んでしまうのだが、
そこでブッダに名前を聞かれた吉野は勘違いして「ダイバーだった・・・」と言い、
「ダイバダッタね!!」となってしまう。(ダイバダッタはブッダの十大弟子)
歴史的にすごい大事なことが駄洒落で決まったよ、と驚愕する瞬間である。
(多分これのためだけに主人公の職業はダイバーになったんではないかと推察する)
しかしこのあほらしい駄洒落と最後にはあほらしい替え歌のオンパレードが、
だんだん癖になってくるのだ。徹底したレベルの低さ、あほらしさ(褒めてます)。
ここまではじけてくれるともうね、失笑を通り越して面白い。すばらしいわ。
笑わせてもらいました。

ブッダの世界に飛んだ仏教徒の吉野は、ブッダ本人に出会うが、ブッダはオカマだった!
しかも悟りを開いたというより、しんどくなって苦行をやめちゃった、執着捨てちゃおうよ、
的なノリのただの怠け者?だった。しかし仏教が世界宗教にならないと現代に帰れないよと
タイムスリップ常連のうららに言われた吉野=ダイバダッタは、ブッダの仏教を世界的に
広めようと、十大弟子を集めるところから始めるが、それが結局世界行脚に・・

老子やらソクラテスやらが出てきて「ああこの人たち同時代なのね」と感心したり
日本はまだ弥生時代と知ってなんだか乗り遅れてるなあと哀しくなったり。
「タイムスリップ明治維新」でも思ったけど、鯨さんは一つの時代の一つの場所だけ
捉えるのではなくて、ワールドワイドに歴史を見せてくれるからそれが面白さの一つでもある。
(まあつまり、何でもあり、ってことでもあるが)
今回は老子、ソクラテスも絡んでとんでもないことになっちゃってるからね・・・

相変わらず歴史の知識は満載で、マラソンの起源がいきなりわかっちゃったり、
豆知識量も半端ないんだけど、その膨大な知識を駆使してこのあほらしい話を
作ってしまう鯨さんのその無駄遣い(いい意味で)っぷりが大変ステキ。
歴史小説って敷居が高いのって何となく蘊蓄が多いってのがあると思うんだけど
こういう風に笑って読みながら得た知識って何となく覚えちゃうんじゃないかなと思う。
当時のギリシャの演劇のやり方とか、どこまで守備範囲広いのか!と驚いた。
そして現代にも詳しい鯨さん・・(これ以上は書くまい)

あほらしい小説を探している方にお薦めです。
敬虔な仏教徒の方や、まじめな方にはお薦めしません。
「聖☆おにいさん」のファンの方なら、これも大丈夫じゃないでしょうか。
(余談ですが「聖☆おにいさん」は面白すぎますよね。大好きです)
| comments(1) | trackbacks(0) | 18:03 | category: 作家別・か行(鯨統一郎) |
コメント
タイムスリップシリーズが大好物です。
森鴎外をはじめて手に取ったのはもう何年も前、
これは面白かった。ちょっとのつもりで公園で読み始めて気づいたら夕暮れで読み終えてた。
その後、竜馬をけしかけるところは私も面白いと思いましたが、
このバカっぷりが最高で、シリーズ1番のお気に入りです。
この後も何冊か出てますが、相変わらず1番です。
でも少し前に出たタイムスリップ竜馬と五十六がジワジワつめています。
| els | 2013/04/01 2:59 AM |

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