本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「脳男」首藤瓜於
脳男 (講談社文庫)
脳男 (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2003/09/12
  • 売上ランキング: 13102


映画化されると聞いて、そういえば家に本があるわ、と思って読みました。
表紙がなんか怖くて、期待をそそられます。

連続爆破犯のアジトをつかんだ刑事たち、現場に乗り込んだところ、犯人と思われる男が
別の男に尋常じゃない危害を加えられていた。結局犯人は逃走、刑事はその謎の男を
調べることとなるが、その男は尋常ではなかった。驚異的な身体能力を持つが、脳に問題が・・
入院し、精神鑑定をすることになった女医は、その男の症状に慄然とする。


感情を持たない男、鈴木一郎を巡る物語。
喜怒哀楽を持たないってどういうことか全く想像がつかない。出来事は出来事として
そこにあって、それを淡々と受け入れるしかないということか。
まあ、仕事をしていたら楽しいことよりむかつくことの方が多いし、「怒」なんて感情は
ないほうがもしかしたら楽かもしれないけどね。いちいちキレなくていいから。
でも、喜も楽もない、哀もないとなると、哀しすぎる。
哀しい、寂しい、怒る、って気持ちがあって楽しい気持ちもより楽しくなる。
そんな起伏が全くないなんて・・・。鈴木一郎という男は、私にも理解不能だった。

そういう異様な男を軸に物語は動いていくんですが、もっと心理学的な感じというか、
精神鑑定を依頼された女医が彼に引きずられてしまってどうの、的な、
「羊たちの沈黙」的な何かを期待して読んだので、少し拍子抜けでした。
鈴木一郎の過去や症状を探るあたりはスリルもあり面白かったのですが、
鈴木の入院する病院に災いがふりかかって最後はパニック映画みたいになります。
かなり映画っぽい、派手な展開で、そっちにいくのかーと思いました。
最後は鈴木一郎が探偵みたいになっていたり、身体能力を駆使して危機を乗り越えたりしていて
別にいいんですけど「感情のない男」って設定はどこいったんですかって感じになってて
ちょっと残念な気も・・・
もっと鈴木一郎の内面に、これでもかというくらい迫っていってほしかったなあと思います。

それと、刑事と女医がいろいろ話し合ったりしつつ彼の正体に迫ってはいくのですが、
会話が軽いというか、こういう会話ってちょっと痛いなーと思うことが多くて、
ちょっと違和感ありました。軽快な雰囲気にしようとして失敗した感じがした・・・
二人がいい関係になるとかなら、それなりに楽しいんですけどもね・・・

と、ラストにいくにつれちょっとついてけなくなったりはしたんですけど
エンターテインメント的な事件が終わったラストのラスト、鈴木一郎と女医の対峙は
読み応えがありました。彼の行動の理由についてはっきり納得できたわけではないけれど
この先があるのなら少し気になりました。実際続編も出ているようですが、
まあ、でも、あまりノリが合わなかったので、読まないかなとは思います・・・

ちょっと私の期待とは違っていたのですが、エンターテイメントとして読むと
スリルもあって面白い小説だと思います。なんか勝手に期待してけちつけてすいませんって感じ・・・
映画化したら映えるでしょうね。生田くんがどんな「脳男」になるのか。
感情のない演技は難しいでしょうが、綺麗な顔をしているのでイメージには合うかなと思います。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:46 | category: 作家別・さ行(その他の作家) |
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