本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「トッカン the 3rd おばけなんてないさ」高殿円
トッカン the 3rd: おばけなんてないさ
トッカン the 3rd: おばけなんてないさ
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2012/06/22
  • 売上ランキング: 11074



ドラマ終わりましたね。結局、1話目を見ただけで見そびれてしまったのですが、
キャストもはまっている感じだったし、続編ドラマがあったら見たいなーと思っています。
チワワ顔の弁護士に及川光博ってキャスティングは、「チワワとちゃうやん、
どっちかというとシベリアンハスキーやん」とツッコミ入れてましたが、
それでもミッチーの吹雪敦は簡単にイメージできましたし、良かったんじゃないかなと
勝手に思っています。

さて、シリーズも第三弾。すっかり鏡トッカンにはまってしまって、続けて読んでいます。
今回も盛りだくさんでした。このシリーズは1冊でいろんな事件が起こってほんま忙しい。
1,2作目は事件がランダムに展開する感じでけっこう読んでる側もばたばたしましたが
(まあ職場というのは複数の仕事を同時並行でいっぱいいっぱいになりつつするものだから、
リアルといえばリアルなんだけども)
3作目の今回は盛りだくさんだけど前よりすっきりと読める感じがしました。

まずは父親が暴力をふるいすさみきった酒屋で税金も滞納してぐー子が対応している家庭が、
何やら企んでいる序章から始まります。ぐー子は鏡の命令で滞納占い師の失踪を追ったり、
運送会社をSしようとしたりしてるのだけど、占い師も運送会社もどちらも鏡特官の地元の栃木!
二人で栃木出張とかすることになったりしている。ベタに恋愛ネタも追っている私にとっては
こういうのすごい楽しい!でも出張しても別にどうもなくて餃子食べたりしてるんだけど。
鏡情報によると宇都宮は餃子の消費量日本一、だったのが浜松に負けて2位になったとかで、
「味じゃなくて消費量ですか」とぐー子にもつっこまれてるけど私もそう思うのですが、
まあきっと美味しいからみんな食べるのでしょう。
ちなみにこれ読んだ日は餃子を買ってきて食べましたので、全国の餃子消費量もこの本のおかげで
微増してると思いますよ。絶対食べたくなるから、読む前には餃子の用意を忘れずに!
しかし鏡の地元愛、すっかりネタになってますが、そこまで地元を愛せるっていいと思うな。

まあそれはともかく、他の恋愛フラグとしては鏡特官の白ジャージに萌えたよ、とだけ
伝えておきましょうか。鏡の元妻の華子も出てきて思わせぶりですし、ぐー子の心境にも
少しばかり変化があるのかなというところです。読んでる側からすると、それは恋だよ!
気付けよ!とがんがんツッコミが入るのですが、だからこそ楽しいのです。

さて、事件について、栃木と東京を行き来して滞納を解決しようとする二人なのですが、
今回はぐー子がだいぶ成長して、1人でもそれなりに解決できるようになってきたようです。
それはそれで寂しいんですよね。このシリーズ、鏡特官の横暴っぷりも面白いところだったのに、
今は鏡とは別行動が多いからあまり見れなくなってきたし、何よりコンビ解消は寂しいからなあ。
でもぐー子が成長していってるのは1作目から比べるとはっきりわかるので、
彼女の成長を読むのはすがすがしくていいです。まあ彼女も鏡特官とは違う意味で
むちゃくちゃな仕事ぶりで、その豪快さはかなり楽しい・・・。
まあ、シリーズ最大の事件はやっぱり鏡特官の力あってこその解決でしたけどね。

なんか公務員の「守秘義務」が話のキモになってるんですけど、その使い方がなんか違和感・・・
犯罪見逃しても「守秘義務」は守らなきゃいけないって、ほんまにそういうもんなんだろうか。
極端なようにも思えたし、実際そうだとしたら制度としてどうなんだろう・・・とか思って、
展開にちょっと違和感感じるときもありましたけど。それでも面白かったけどね。

今回のテーマは「おばけ」。「おばけなんてないさ」ってタイトルを見るたびに
よく知っている歌が頭をぐるぐるループして困ったもんですが、本編でも同じ目に遭いました。
様々な「おばけ」が出てきます。職場で存在を無視され、誰からも気を配ってもらえない「おばけ」、
法律や制度が作り出す「おばけ」の存在。おばけという比喩に今回の事件のテーマが
あてはまっていく、うまいなと思いました。

仕事でいないものとされている人って確かにいると思う。本当に無能でどうしようもない人もいるし
パワハラでそうされてる人もいる。出向してきて先輩とうまくいってない人を、
ぐー子はフォローしようとして出来なくて、事件が起こってからフォローしたりしていますが、
人間関係に前向きに反省したり突き進んだりするぐー子は好感度高いです。
人間関係にもう遅いとかないし、いつでも声をかければ、職場で「おばけ」と化してる人も
実体化するんだな、と思いました。

それに、悪い奴が救われる、懸命に生きてる人が報われない、そんなエピソードがあって、
ほんまにそうだよなあ、と切なくなります。悪い奴はどんな制度をつくったところで
悪用していくんだろうし、いたちごっこだろうなあとも思いますけどね。

いろいろ考えさせられました。

そして、最後に鏡特官が思い描く「おばけ」は、ただひたすら切なくて・・・
鏡特官が、早くおばけマンションから引っ越せる日が来ることを祈りたいです。

主人公も成長し、恋愛展開もじれったく、また次は署長に新キャラ(でもないけど)登場、
そして世間で税金を滞納してる人はまだまだたくさんいるでしょうし・・・・、
このシリーズまだまだ続きそうですね。楽しみにしています。
| comments(0) | trackbacks(0) | 20:52 | category: 作家別・た行(その他の作家) |
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