本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「清須会議」三谷幸喜
清須会議
清須会議
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2012/06/27
  • 売上ランキング: 948



三谷幸喜の小説、既に映画化決定という情報を見て、これは読まなければと思っていました。
清須会議って、信長亡きあと、明智光秀を討った秀吉と、筆頭家老柴田勝家とで
織田家の後継者を決めるべく火花を散らした会議ですが、また地味な題材ですよね。
でも地味だけど、今後の秀吉の天下獲りの方向性を決め重要な会議でもあります。
どうでもいいけど大河ドラマ「江」では、おてんば娘の江が清須会議を盗み聞き、
更に乱入、という何とも斬新な解釈でやらかしてくれてましたね。
さて、三谷さんはどんな風にこれを描くのか?とても楽しみに読みました。

表紙から遊び心満載で、清須会議の会場で武士がスマホを手にしていたりします。
そしてページをめくるといきなり本能寺の変での信長のモノローグ(現代語訳)と
出てきて、「現代語訳」がかなりツボにはまりました。
「コラーゲン」とか「イニシアチブ」とか「プレ会議」とか平気で言ってる時代小説!
時代小説は慣れない人が書いたら「なんか時代ものっぽくない」的な違和感があるものですが
「現代語訳」って入れてしまうだけで全て解決。素敵なアイデアです。それに読みやすい。

そんな感じで、清須会議の関係者のモノローグや、会議議事録や日記の抜粋など、
いろんな人の視点で語られるこの物語。同じ場面でも各人が何を考えているのかがわかるように
なっていて、腹を探っていたり騙しあってたりするのがすごく見えて、非常に面白い。
ありそうでない書き方だなあと思いました。
みんなごちゃごちゃ考えているようでいながら、結局はモノでつられてたり丸め込まれてたり、
なんだかんだでみんな人間らしくてかわいらしいのだ。柴田勝家の老いらくの恋なんかは
とにかくかわいいの一言。お市の方も間抜けで、彼を利用しようとして色仕掛けしてるのに
逆にめろめろで骨抜きになってダメになっちゃってるしね。
戦国時代だけど、愛嬌があって憎めない人々が暗躍する清須会議でした。

こういうのは歴史的史実なので、話の流れは動かしようがなく、意外性や驚きを持たせるには
実は黒幕は誰だった、とか、あの事実にはあんなウラが!みたいなのが要ると思うし、
私も三谷流新解釈も求めて読んだのだけれど、残念ながらそんなに意外性は感じられませんでした。
まあだいたいこの戦国武将はこうだろう、というイメージが(特に有名どころの)柴田勝家や
羽柴秀吉にはあるじゃないですか、それを典型的にして描いた面白さはありましたが
意外性はなかったかなあ。柴田勝家は「江」の大地康雄さんみたいな感じだったし・・・
丹羽長秀とか池田恒興にはあまりイメージがないので、ふーんこんな人ですか、的な
おもしろみはあったけども。
話の展開も、最後の最後に「おおっ」と思う伏線は少しありましたが、
案外すんなりと読み終えてしまいました。歴史好きが仇になったか・・・。

でも、史実かどうかわからないイノシシ狩りのドタバタは三谷コメディのおもしろみを
存分に発揮してましたし、駆け引きがものを言う人間ドラマは存分に楽しめたので、
これが三谷さんの味だよな、と思うと、とても満喫できました。

とにかく抜群に読みやすいので、歴史嫌いな人でもすんなりいけると思います。是非。

映画だとまた全然違うのじゃないかな。モノローグ形式だと映画にするのは難しいし。
腹の探り合いを役者さんがどう演じてくれるのか、大変楽しみです。

配役は非常に楽しみです。いつもだったら柴田勝家=西田敏行、お市の方=深津絵里、
羽柴秀吉=妻夫木聡、な感じでしょうけど、今回はいつもと違うキャストで、と
三谷さんもおっしゃってるようなので、違うのかなー、と思います。
羽柴秀吉は生瀬さんだったら超楽しいんだけどなーとか思うとわくわくするし、
挙動不審な池田恒興は是非三谷さんご本人にやってもらいたいな。
それから、前田利家は是非、唐沢利明にやってもらって、大河と被せちゃえ、とか、
キャスティング考えるのも楽しみな小説です。
| comments(0) | trackbacks(2) | 23:21 | category: 作家別・ま行(その他の作家) |
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