本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「異性」穂村弘×角田光代
異性
異性
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2012/04/10
  • 売上ランキング: 22253


大好きな穂村さんと、角田光代さんの共著、タイトルは「異性」、これは読むでしょ。
何とも素敵な表紙で私は好きなんですが、この表紙にカバーもせず電車で読んで
にやにやしていて、ちょっと周りから見たら何事かって感じだったかもしれませんが・・・

まずは角田さんの恋愛に関するエッセイ的な文章から。ふむ、恋愛エッセイか、普通やん、と
思って読み進めたのだけど、次の穂村さんのエッセイは、角田さんの書いたことを踏まえて
書かれている。そしてまたそれを読んだ角田さんが「え、男性ってそうなの?」みたいな
意見を書き、また穂村さんが「女性ってそうなの?」みたいな意見を書く・・・、という風に
二人のエッセイが対話になっている。だから読めば読むほど面白くなっていくのです。
おんなじテーマで話していても男性と女性はこんなに違うのか、同じシーンでもそっちは
こんなこと思ってるんですか、みたいなやりとりは非常に興味深い。
実際、恋愛してたり曖昧な関係だったりする異性に、「今のその態度どういうことですか」って
普通聞けないじゃないですか。だから、こういう恋愛関係にない二人の議論はすごく参考になるし
議論の広がりや深まりが刺激的でもありました。とっても面白い企画だと思いました。


まあ、さっき参考になると言ったけれど、私はどちらかというと角田さん派だし
穂村さんのへたれ加減も人として共感できるので、「わかるわかる」と思うことが多かったんだけど、
この二人が男性代表、女性代表、かと言われたらそんなことはないんだよね。
モテない男性、モテない女性の代表ではあると思うんだが・・・・
(お二人とも本当にモテていないのか、私には一抹の疑問があるが、考え方は確かに
非モテ思考だしな・・・)

初めてのデートの時の服装に悩んで悩んで、あまり張り切っていると思われるのが嫌で、
ランニングシャツで行っちゃう、って角田さんの気持ちはわかりすぎて悶絶した。
私も多分悩んでワンピースとか買ったあげく「はりきりすぎ・・・」と思ってTシャツにジーパンで
行っちゃうタイプなんだよな。モテたいくせに、「モテたいと思ってるでしょ」って
思われることが非常に恥ずかしい。それって普段モテてない人の思考回路で、ほんますごい
わかるわーと思った。そしてもちろん割り勘派。奢ってもらうタイプの人は、
「私、化粧しておしゃれしてかわいい女の子でいるんだから、奢ってもらう価値はある」と
思ってるらしく、そんなの、モテたいと思ってると思われたくないからTシャツ着る私には
そんな気持ちはわかるわけがない。よって、奢ってもらいたいとも当然思わない。
私はいつでも一円単位で割り勘です。奢ってくれるって時にも激しく抵抗。かわいげがない。

あと別れた恋人は忘れるか、って話題とかも興味深かった。
男性はモノを所有するのが好きだけど、「前の女」も自分の中で何となく所有されてる。
それが酷くなるとストーキングしたりするんだけど。女性は別れた人にはそういう感じは持たない。
それも「わかるわかる」と思ったり。あ、でも、角田さんはけっこう嫉妬深かったり
憎んじゃったりするタイプみたいだったけど、私は別れた人と友達になれるタイプで、
同じ女性でもちょっと違うなー、と思いましたが。
でも、ああいう負の感情が角田さんの小説につながってると思うと大変興味深い。
小説家ってすごいね。目を背けたい自分のどろどろな感情まで糧にして小説書いてるわけだから。

あとは「常に電源オフ」「隙がない」のがモテてない人、なんて話にもうなずきまくりだった。
そしてこれにしっかり共感できる自分の非モテぶりもしみじみ実感しましたわよ。

割り勘か奢りか、とか、別れた男は忘れるか、とか、おしゃれな女性誌に載ってる
頭空っぽエッセイみたいなのと同じテーマで語り合ってるのに、その中身は深くて面白くて、
いいのってくらい赤裸々だ。表面だけさらっとなぞったエッセイとは違う。さすがだなと思った。
前に、「イケメンや美女は面白くない、なぜなら何も考えてなくても頭空っぽでもモテるから、
話が面白くならない」と断言していた友達がいて「わはは、極端だな」と思ったが、
今回のお二人はモテないがためにいろいろ考えてしまって、それが赤裸々に書かれちゃってるから
こんなに面白い読み物になるんだろうね、と思うのだった。普通にモテてる男女二人が
対談してもこう面白いものにはならんやろうな、と思うのですが、
これもまた極論だろうか、それともただのひがみかしらね。
| comments(0) | trackbacks(1) | 23:16 | category: 作家別・か行(角田光代) |
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