本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「トッカン―特別国税徴収官―」高殿円
トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)
トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2012/05/24
  • 売上ランキング: 3350


ドラマが始まると聞き、どんな話だろうと本屋で少しだけ立ち読み。
税務署が舞台で新人女子が変人上司に振り回されながら成長する、感じの、舞台が税務署って
いうだけでわりとありがち?な小説かなあ、軽そうだしなあ、と、どちらかというと
買わない方向でぱらぱらと立ち読みしはじめたのですが、冒頭のシーンで、
主人公の鈴宮深樹が仕事で訪問した先でいきなり塩を撒かれていたのがツボにはまった。
仕事してて塩撒かれるってどんなんよ、かわいそすぎ、と思って、買ってみることにしました。

読んでみたらすごく面白かったので、ドラマも初回も見たし(次から見逃したけど・・・)、
続編も読みました。ドラマの鏡トッカンの北村有起哉さんははまり役だと思うし
個人的にこの俳優さん個性派で好きなので注目されたら嬉しいです。
小説は内容盛りだくさんで読ませるし、ラノベでずっと書かれてた作家さんらしいので
文章がすごく読みやすいしキャラ設定もきっちりしてて、人物紹介や税金の仕組みの紹介も、
かゆいところに手が届く紹介の仕方で、税金について全くわからん私にも読みやすい本でした。

そして、訪問先では塩を撒かれ、ぐっ・・・と返事に詰まるので「ぐー子」なんてあだ名を
つけられる新人税務職員鈴宮深樹と、超厳しい取り立て、部下にも超厳しい変人の鏡特官との
コンビが良い。これ、鏡特官があまりに個性的すぎると、「変人が変なことをしてる」だけの
話になって地味な主人公の影が薄くなったりするもんですが、変人の程度も絶妙で、
鏡特官の変人ぶりを満喫しながら主人公の成長物語に感情移入できるという、
一粒で二度美味しい感じになっていて、そのへんも面白い理由かな、と思いました。

税務署って敷居高いですよね。私は税金のことはほんままるでわからなくて、
(いくらわかろうとしてもまるで頭に入ってこない)、毎年確定申告して医療費控除している
母ってすごいな、とほんまに思います。(しかし仕組みはよくわからない)
まあでもわからないなりに税金は納めてると思うので、多分問題ないのですが。
(不正したりごまかしたりするにはその道のエキスパートにならないと、です。私には無理)
鏡特官の業務は、税金を滞納している悪徳な会社や個人の財産を徴収して税に充てたり、
督促してとにかく支払わせたりするのだけど、特に悪質な案件を持つのが特官という役目で、
更にぐー子は若くして特官付きになっていたりする。鏡特官みたいに容赦がなくて
時には飼っている犬まで徴収するような人の下に就くと、そりゃあ大変です。
税務署内部組織がこの通りかどうか知りませんが、よく調べてるなあ、って思いました。

鏡特官とともに、様々な悪徳事案を同時並行で調査しつつ、ぐー子は成長していくんだけど、
とにかくぐー子は安定した仕事をしたくて税務署に入ってる。で、安定した公務員だからと
安心してる部分がある。そして服はいつでも安物のスーツ(鏡に値段まで言い当てられてる)、
女捨ててると自分では思ってる。でも後半、女友達(?)にぐー子の本性をずばずばと
言い当てられて責められ、落ち込む。
そこまで言うか、って感じはして、この作者の女への目線が厳しくて容赦ないもののようなので、
私も著者とお友達だったらここまで言われたりするのかな、と恐れおののいたんだけども。
それで一度どん底まで落ちたぐー子、それでも這い上がっていく根性があるんだよね。なんか。

仕事内容は違うけれど、女が仕事をしていくということ、について、考えさせられる物語です。
仕事してるってどういうことか、そして女が女を捨てずに仕事するってどういうことか。
ぐー子、鏡特官、そして出てくる登場人物全ての人から、それについて教えられるような気がしました。
特にぐー子の実直さと根性に、私まで元気をもらえる感じです。
そして、最後にぐー子が長年わだかまっていた父との関係を少し修復するあたりで不覚にも大泣き。
「塩撒かれてるよ、ははは」と思って読み出した本に泣かされるとは予想外でした。

そして、複雑な鏡特官の過去も明らかになっていくにつれ、ただの冷酷で毒舌な鏡の
イメージは消え失せ、繊細な心を抱えて真摯に仕事に取り組む男の姿が見えてきて、
(彼の仕事ぶりには私も学ぶところがいくつもありました。)なんだかぐっときてしまいますが、
最後の方で私はうっかり鏡特官にノックアウト。ツンデレ男子キタ!
これはもしや「図書館戦争」パターンでは・・・?と、鏡特官に萌えまくりとなりました。
そもそも私はツンデレ男子に弱いのだ。これは次回も読まずにはおれない・・・!
税金のことも学べて、納税って大事だな、と思わされたりとまじめな部分もあるのに
結局恋愛フラグが立ったら喜ぶ私ってお子様だなと思います。でも楽しいからいいのだ。
| comments(1) | trackbacks(0) | 23:26 | category: 作家別・た行(その他の作家) |
コメント
夢中でよんでしまいました〜

高殿円さんの新作『上流階級 富久丸百貨店外商部』を読みました。
面白かった〜こんな世界もあるのね。

birthday-energy.co.jp/ってサイトは高殿円さんの本質にまで踏み込んでましたよ。宿命を読み取ると、庶民的おばちゃんモード、なんだそうな。コラムをぜひ読んでね♪
「ハレる運命2014」も配信中!!
| usagi | 2013/12/25 3:45 PM |

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