本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
<< May 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「仙台ぐらし」伊坂幸太郎 | main | 「NOVA2」大森望編 >>
# 「サニーサイドエッグ」荻原浩
サニーサイドエッグ (創元推理文庫)
サニーサイドエッグ (創元推理文庫)
  • 発売元: 東京創元社
  • 価格: ¥ 903
  • 発売日: 2010/05/22
  • 売上ランキング: 96854


読もうと思ったきっかけは東野圭吾「歪笑小説」でした。
その小説では熱海圭介という作家が出てくるのだけど、「ハードボイルドな主人公が
ありえないことをしでかす御都合主義なB級小説」を書いているという設定で、
「くさやと同じだよ、癖になる人は癖になるんだよ」とまで編集者に言われてたりする。
どんなんやねん、と笑って読んでいたのだけど、ふと似たような小説を読んだなあと
思い出した。それが荻原さんの「ハードボイルド・エッグ」でした。

「ハードボイルド・エッグ」は、チャンドラー作品の登場人物、フィリップ・マーロウにかぶれて
ハードボイルドを気取っている探偵がいて、でも調査は猫探しばっかり、っていう、
言動と行動がすごく空回りしてて、そこが笑える小説なんだけど、それを思い出したのです。
熱海圭介は素で痛い小説を書いてる設定で、荻原さんはネタで書いてる、って違いはもちろんあれど、
笑える点では似たようなもの、そんなわけで急に読みたくなって手に取ったのが、
続編「サニーサイドエッグ」でした。
私立探偵、最上俊平。彼は相変わらずマーロウにかぶれた台詞回しを繰り返しているが、
相変わらず誰にも理解されず、「あなた言動と中身が不一致」と人に言われたりしてる。
この不一致さが笑いのツボなんだよね。でも、「ハードボイルド・エッグ」を読んだときには
いちいち大笑いしていたその最上の言動には今回はなんだか慣れてしまって、するする読んでしまう。
最上の滑稽な言動が笑えなくなったらこのシリーズ終わりなんじゃ・・・、と危惧しつつ
読み進めてはいたんだけど、なんのなんの、やっぱり面白かった。

私立探偵だしかっこいい事件に出会いたい、小説みたいな活躍をしたい、と思っていても
最上俊平はいつのまにか犬猫探しのプロになっている。犬も猫も好きじゃないのに、と
本人は文句を言いつつ、犬猫にすごく優しくって、動物好きに悪い人はいない、が信条の私は
とっても嬉しくなった。やっぱり好きだなあこの人。

美貌の料亭の女将からのロシアンブルー探しの依頼に舞い上がる俊平だが、
同時期に凶悪なヤクザから同じくロシアンブルー探しを頼まれ、てんやわんや。
更に行きつけのバーのマスターからアルバイトを雇うように頼まれ、やってきたのは
帰国子女のメイクばりばりの16歳の茜。茜にも振り回されヤクザにも振り回され、
それでも美貌の女将のために猫を探す俊平だが、だんだん事件に巻き込まれていく・・・

事件はあるにはあるものの、結局はこれは「猫探し」ハードボイルドでした。
猫探し描写が異様に細かくてまた長いのです。猫があっさり見つかったら随分薄っぺらい
本になったろうな、と思うし、「長いわ」って怒る人がいる気もするけど、
私はこの猫探しディテールがものすごい面白かった。これがこの小説の魅力を倍増してると思う。
ここで描かれてるヤクザも美人女将も若い秘書もリアリティがないんだけど、
猫探しにはすごくリアリティがあるんだよね。これ読んだだけですぐに猫を探せそうなくらい。
猫がつかまるのか、どうなるのか、猫とハードボイルド探偵との攻防を、
手に汗握りながら読みました。主役はロシアンブルーと黒猫です!面白かった。

猫探し以外のドラマは月並みではあったんだけど、茜の正体がわかったりするあたりは
ちょっと哀愁を誘ったなあ。まさかこの小説でそのネタがくるとは・・・・、的な
驚きがありましたが、猫探しの方が楽しかったです(しつこい)。

ハードボイルドを気取っていながら、猫のイラストと「ヘルプ・ニャー」と書かれた
名刺を持っている最上とか、ハードボイルドなバーを気取っていながら
焼肉定食をランチで出しちゃうバーのマスターとか、理想と現実の狭間で生きる
オヤジ達の哀愁を描かせたら、荻原さんの右に出る者はないと思います。
哀愁漂うオヤジ達だけど、とっても愛しいんだよね。
(オヤジ、と言いながらも私はいつのまにか最上の年齢を超えていましたが・・・。)

続編も楽しみ。猫探しプロフェッショナルに磨きをかけた最上の活躍が楽しみだわ。
| comments(1) | trackbacks(0) | 23:48 | category: 作家別・あ行(荻原浩) |
コメント
http://www.kd10-shoes.us.com/ kd
http://www.kyrie-4.us.com/ kyrie 2
http://www.longchampbag.us.com/ longchamp bag
http://www.nikeairmax-90.us.com/ air max thea
http://www.pandorajewelryrings.us.com/ pandora bracelet
http://www.pandora-jewelrysale.us.com/ pandora jewelry official site
http://www.hermesbirkin-handbags.us.com/ hermes wallets
http://www.jordan11spacejams.us.com/ jordan 11 retro
http://www.adidasnmdrunnerr1.us.com/ ultra boost
http://www.nikeairvapormaxflyknit.us.com/ nike air max 2016
http://www.lebron15-shoes.us.com/ kevin durant shoes
http://www.louboutinredbottoms.us.com/ red bottoms
http://www.adidas-ultraboost.us.com/ adidas ultra boost women
http://www.katespadepurses.us.com/ kate spade bags
http://www.jordans11shoes.us.com/ new jordans
http://www.pandorajewelryscharms.us.com/ pandora charms
http://www.yeezyboost350shoes.us.com/ yeezy boost 350
http://www.pumafentyrihannashoes.us.com/ puma shoes for women
http://www.curry4-shoes.us.com/ curry shoes
http://www.salomonspeedcross3.us.com/ salomon speedcross 3
http://www.fitflops-sale.us.com/ fitflop
http://www.adidasyeezy-350.us.com/ yeezy boost 350 v2
http://www.airmax90shoes.us.com/ nike shoes
http://www.birkenstocksandalssale.us.com/ birkenstock shoes
http://www.fitflopsshoes.us.com/ fitflop sandals
ドリフトliuyuzhen
| pandora jewelry | 2018/03/25 1:01 PM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.zare.boo.jp/trackback/950966
トラックバック
NOW READING
ざれこの今読んでる本
Categories
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Profile
Search this site
Sponsored Links