本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「第2図書係補佐」又吉直樹
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 520
  • 発売日: 2011/11/23
  • 売上ランキング: 683



お笑いはあまり詳しくない私でも、ピースのお二人は最近よくテレビで見ます。
どちらかというと綾部さんの方が目立っていて、又吉さんは影が薄い気がする。
どっちかというと綾部さんは少し苦手だな、くらいの印象しかなかった。

そんな目立たない方の又吉さんがむっちゃ本を読むらしい、とかいうのは
「アメトーーク!」の読書芸人の話題で知った。読書芸人コーナーで紹介されていたらしい本を
ネットで調べて、知らない本も多くて勉強になった。(オードリーの若林さんも読んでるよねー)
そんな又吉さんが本を紹介する本を出しているようだったので、買ってみた。読んでみた。

ま、その程度のノリで、正直あまり期待はしてなかったんだけど。
これが!面白かったのです!

本の感想というよりは、その本を読んで思いだした思い出を書いてみたりする、
エッセイ集と言う方がいいと思います。この本を読んでも、紹介されている本が
どんな本かはわからないことが多いので、ブックガイドかと言われたら怪しいですが、
でもその語り口がとても面白いので、そんなこと気にせずぐいぐい読めます。
そして、本の紹介をしてないのにその本が無性に読みたくなる、という点では優秀なガイドです。

又吉さんはだいたいが自分ネタです。ダメな自分を笑ってみる、みたいな話が多い。
そういうの、又吉さんが大好きな太宰みたいです。やっぱり似てますね。
もちろん芸人さんらしく、大笑いしてしまうようなエピソードもありますし、
しんみりするエピソードもあって、笑えるものよりしんみりエピソードの方がぐっときました。
「杳子」の項の女性とのエピソードとか、綾部さんの前に組んでいた相棒とのエピソードとか、
ちょっと泣けました。
姪っ子ちゃんとのエピソードとか、家族の話も笑えたりしんみりしたり。
貧乏だったり大変だったみたいですけど、ひたすらそれをさらっと描いて笑いに変えてみせる、
ベタっとしがちな話をさらっと書いて泣かせるというのは、かなりな才能だと私は思います。
又吉さんが書く小説をすごく読みたいと思ったし、こういうエッセイ集ならなんぼでも
書いて欲しい、そんなことを思う本です。

何より、どれだけ大変で孤独で飢えてても本を読んでいると救われた、本を読んでいて良かった、
という気持ちがすごく伝わってきて、それがすごく良かったのです。
私も又吉さんほどではないけれどたいがい本は読みます。本ばっかり読んで何やってんねんやろ、
って思う時もあります。現実逃避やなあと情けなくなるときもある。
でもそれでもいいんだ、きっと、って思えたのは又吉さんのおかげです。

巻末の中村文則さんとの対談でも、「本を読む人は、頭の中に変な海ができていて、だから面白い」
みたいな話が出てきて、ますます救われた気になりました。
本を読んでいて何か豊かなものが残る実感はもちろん私にもあります。
それが自分の糧になってるかどうかは全然わからないけれど、少しは残ってるかもしれない、
そんな風に思えて、なんだか幸せな気分でした。

又吉さんのツボの本が私の好みばかりなので、多分趣味が合うと思います。
春樹なら「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」だし(この本の紹介も、
実話か?と疑いたくなるくらいいい話だった)、龍なら「コインロッカー・ベイビーズ」だし、
「告白」といえば町田康だし、「アラビアの夜の種族」も大好きだし、
私も太宰はユーモアがあると思いますし、と、いろんな点でかなり好みが合っていたので、
紹介してくれている本も面白いんだろうなあと思います。読みたい本が増えました。
中村文則さんとかノーチェックだったけど「銃」とかすごく読みたくなりました。

これの第二弾か、小説か、エッセイか、何でもいいのでまた又吉さんの文章を読みたいです。
よろしくお願いします。
| comments(1) | trackbacks(0) | 00:42 | category: 作家別・ま行(その他の作家) |
コメント
面白かったですね。ああいう風な本の紹介は とても斬新で。又吉さんの自宅の本棚も素敵ですし もっと色々文章を書いて欲しいと思いました。
| ふくらはぎ | 2012/06/06 2:02 AM |

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