本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「一一一一一」福永信
一一一一一(イチイチイチイチイチ)
一一一一一(イチイチイチイチイチ)
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2011/11/12
  • 売上ランキング: 270978


円城塔さん推薦の書。福永信さんも気になる作家さんだったし、何よりタイトルが気になった。
一が5つ。何事だろう。早速読んでみることにしたのだけど・・・

ほぼ会話文のみで構成される小説。小説って言っていいのかな。
話している方の人は誰かわからない。年配の男性に思える。
そして、何でも知っている存在に思える。そして、相手はひたすら相槌を打っている。
「そうですね」とか「そうでしょうか」とか。
でも、相槌を打つ相手の全貌が、ドラマが、会話によって見えてくる。



普通にするする読めるんだけど、最初はどう読んでいいのかよくわからなかった。
変な言い方だけど。これをどう楽しめばいいのか、と。面白くないとかいうことではなく、
今までやったことないゲームをする時に、得点稼げるやり方を知らなくって、
別のやり方でゲームしちゃってるみたいな。でも楽しい、みたいな。そういう感覚で読んだ。

でも読み進むと、一見まるで脈絡もないと思われていた会話が物語を紡ぎ、
それがけっこうえげつない物語で劇的な展開に驚かされたり、
断片的だと思ってた物語がだんだんつながっていったりする。目の前に鮮やかに
物語が見えた、気がする瞬間があって、それがけっこうスリリングで、
読み方はわからないなりに、ページを繰る手は止まらなかった。

何でも知っている語りの人は地の文のようでもあり、なんでも知っている存在。
とか思って読んでると、小説の地の文章ってつまりなんなんだろう、って思えてくる。
地の文=著者、なんだろうけど、それは作中では神とも言ってよさそうな存在に思えて、
となると小説ってなんなんだろうなあ、ってそんな風に思いも至る。
そう思って会話文だけのこの文章を読んでいると、いきなり「地の文」が登場する。
するとはたと我にかえって、なんかむずむずするんだよなあ・・・

と、すごく不思議な感覚で読んでいたのでした。難しいなあ、この感じ、
どう言っていいかわかんない。
会話文で神のように流暢にしゃべっていた人が、いきなり、
―――なんだこれ。
とつぶやくところが数か所あって、それもすごくむずむずした。
そのつぶやきは登場人物のつぶやきというより、読者の私のつぶやきのようでもあり、
作者自身のつぶやきのようでもあり・・・また我に返る感じがすごくしたのだ。

物語の展開はあるし、普通に流れを追っても面白く読めるけれど、
それ以外に面白く読める方法はいくらでもあるんだろうと思う。けど、
ただ私にはそれがよくわかんなかったし、それが残念だった。
ただ、とにかくむずむずした。

小説世界に入るってどういう作用なんだろうね。不思議だね。読書って。
ふとそんなことを考えた。

円城塔さん推薦ってのがあとになってじわじわ効いてくる。
円城さんも、福永さんも、突然変異みたいな小説を書いてる気がする。
進化の過程にある、突然変異。わからないけど、面白い。
そして小説はいつか、進化していくんじゃないかな、
私のわかんない方向に。わかんないけど面白い方向に。
それはすごくわくわくすることだけれど、さみしくもあるなあ。
| comments(0) | trackbacks(3) | 00:33 | category: 作家別・は行(その他の作家) |
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| お得情報 レビュー ! | 2012/02/07 4:05 PM |
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| お得情報 レビュー! | 2012/02/11 11:09 PM |
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