本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「presents」角田光代×松尾たいこ
Presents
Presents
  • 発売元: 双葉社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2005/12
  • 売上ランキング: 188737


文庫化されていますが、持っているのは単行本版です。
普段、かさばるので単行本はほとんど買わないのですが、これはあえて買いました。
とても素敵なつくりです。松尾たいこさんがあとがきで書かれていますが、
私たち読者へのプレゼントだという思いを込めて、表紙は包装紙っぽくされたそうです。
自分へのいいプレゼントになりました。


物語とイラストがコラボレーションし、物語に1つイラストが添えられています。
そのイラストが物語と合っているようないないような感じで、なんだか不思議、と思ってたら、
松尾さんのあとがきに制作過程がありました。イラストレーターにはテーマだけが示され、
それでイメージするイラストを描いていたようです。そんな過程で、物語とぴったりなイラストや
想像をふくらませてくれるイラストが編み出されたというのは、素敵な話だなあと思いました。
特にラストの「涙」の挿絵はすごくぐっときて、見てるとなんだか泣けてきました。

テーマは「プレゼント」。ものに限らない大事な贈り物をテーマに、12の短編が綴られています。
最初の贈り物は「名前」。ただ何となく贈り物をテーマに12編並べただけかと思って、
最初の数編は、いい話だなあ、と思いつつだらだら読んでたのですが、
女性の成長が織り込まれていることがだんだんわかってきて。だって最初にもらったものは
「名前」ですしね。そうわかると、なんだか引き込まれて読むようになりました。

読んでいると、ものだけが贈り物じゃないんだなあ、としみじみ思います。
「初キス」みたいに、ものではないプレゼントもありますし、「うに煎餅」だって、
うに煎餅が欲しかったから嬉しいわけではないんだよね。
あの人からこのタイミングで、っていうのが大事なんですよね。
大事な誰かからその大事な一瞬に贈られる「もの」は、その贈られた時間の思い出と一緒に
自分の中でずっと消えない。そしてそれが人生の転機になることもある。
そういう思い出や時間や、そして転機となるきっかけも、大切な贈り物の1つなんだな、
と、そんな風に思いました。

物語の女性が自分の年齢を過ぎたら、なんとなく入り込みにくくなり、逆に、
その分自分がこの本に共感できていたんだな、と思いました。
また、人生の節目に読みたいような本だなと思います。
そして、大事な女友達に贈りたいなあ。

自分の中で、そういうプレゼントって何だっただろう、と思い起こしながら読みました。
実はあんまり思いつかなくて。私ってかわいそうな人?というより、きっと薄情者なんだわー。
今までの人生で出会ってきたたくさんの大切な友達や家族、そしてずっと続けていけている
楽器や音楽活動、その機会を与えてくれる人たち全て、
そういうことが、全て私への贈り物になっているんだろうなと思います。
そうやって、いい思い出ばかりを辿っていく読書時間となって、それは幸せな時間でした。
そういう時間をもてたことがまた自分への贈り物の一つだったと思います。
| comments(0) | trackbacks(1) | 10:33 | category: 作家別・か行(角田光代) |
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角田光代  Presents
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」、放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切り取った12編。 人
| マロンカフェ 〜のんびり読書〜 | 2012/03/02 3:44 PM |
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