本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「俺俺」星野智幸
俺俺
俺俺
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2010/06
  • 売上ランキング: 6713


タイトルと表紙が強烈なので前々から気になっていた本。
本の紹介文を読んでみたら、「オレオレ詐欺をしてみたら俺が増えてしまった」
みたいなことが書かれてて、「俺俺」ってタイトル、そのまんまなん?と、
俄然興味がわいた。で、読んでみて、「そのまんまやん」と思いました。

それにしても、何度見ても表紙がすばらしいなあ。
表紙の絵は石田徹也さんというイラストレーターさんの作品らしいんですが、
この作品用に書き下ろしたとかではなくて(ものすごくぴったりなんだけど)、
調べてみたら既に亡くなってる方でした・・。私より1つ年上なだけなのに。残念です・・・
作品は、シュールで怖いんだけどタイトルと一緒に見ると少し笑ってしまうような、
でもなんだか切ないような、不思議な作品が多いです。一気にファンになりました。
ホームページ→石田徹也の世界 

作品も表紙どおりシュールです。
ある男の携帯電話を手に入れた男、その電話で男の母親と喋っていて
出来心でオレオレ詐欺をする。するとその男の母親が家に押しかけてきて
自分の母親となっていて、いつしか俺は別の俺になっている。
元の俺の実家に戻ったら、そこにはまた俺がいて、
「俺」はこれまでに何人か来ているようだと情報を得る。
いつしか「俺」たちは集まって語り合うようになるのだが。

オレオレ詐欺で俺が増えるなんて冗談みたいだけど、最初になりすました別の男が
いつしか本当の俺になっていて、記憶すら混濁していくところがなんとも面白い。
しかし、見た目が一緒なわけでもないのに「あいつは「俺」だ」といろんな人に対して
思いこむようになるあたりでは「むちゃくちゃやなー」って気持ちが先にたって、
それはそれでまた面白い。この「俺」増殖現象、どんな風にオチがつけられるのかな、と
そちらに気がいってまた読んでしまう。そして、「俺」が増え続けるままひたすら加速していく
その展開は「もうやけくそなん?」って思うくらい。俺増殖、ってテーマで
とことん突っ走っちゃった感じが個人的には非常に面白かった。筒井康隆とかが書きそう。
こういう不条理な、説明つかない物語は個人的には大好きです。
人によっては全然ダメだった、と言う人もいそうな、すごく人を選ぶ本ではあるけど。
最後はグロいしね・・・。

「俺」たちは(俺たちって通常の意味ではなく、「俺」の複数形なんだけど)、
最初集まって仲良くしていて、俺だけに非常にわかり合える、俺のことをわかってくれる、と
感動すらするんだよね。それぞれ立場は違うんだけど全員「俺」なものだから。
でも、だんだんと自分の周りの嫌な奴まで「俺」になってきたりとかいろんな要員で、
だんだん自分以外の「俺」が疎ましくなってくる。自分の嫌なところも全部一緒だから。
そして敵になったときの「俺」は手強い、だって全員「俺」なのだ。手の内はばれている。

最初に「俺」たちが意気投合していたあたりがなんか違和感だった。
「私」が目の前に現れたとしたら私はすごく嫌だけどな。だって自分のことはあまり好きじゃない。
自分が動くところなんか見たくない。欠点ばかりが見えてしまうと思うから。
もちろんこの物語の「俺」たちも結局嫌になるわけだけど。
それにしても、「俺」が増殖していっても、他の「俺」たちと「自分自身」は
はっきり区別されてるのが面白かった。(記憶は混濁してはいるけど)
俺自身の自我ってちゃんとずっとあるんだよね。

これ、俺じゃない他の人から見たらどういう話だったんだろう。
いつのまにか違う人になっちゃって、その違う人が増殖している話なのか、
やっぱり他の人の視点から見ても「俺」「私」が増えていってるってことに
なってるんだろうか。そう思うと、「俺」と「他人」の境界線って何なんだろう。

自分自身って何だろう、他人って何だろう、他人と自分との違いってなんだろう、
そんなことをつらつらと考えてしまう、そんな本でした。
普段は全然考えないことなんだけどもね。
答えは出ないままだけれど・・・。
他の人と同化しがちで、他の人や有名な人の考え方で動いていない、とは言い切れない私たち。
でも確固たる「俺」はやっぱりあるんだろうと思うし、そう思いたいです。

この本を読んで大江健三郎賞に興味を持ちました。本年度受賞作のようです。
大江さんのセレクトってなんかすごいな・・・。他の作品も読んでみたいと思います。
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神業mixi完全攻略テンプレート 無料レポート 情報 暴露屋 口コミ レビューをいち早く お伝えします。
| 神業mixi完全攻略テンプレート   情報 暴露屋 口コミ レビュー | 2011/12/11 6:20 AM |
俺俺 星野 智幸
俺俺 最初、オレオレ詐欺の物語かな? と思いながら読み始めました。 たしかに、偶然携帯を拾った自分が、 「俺」じゃないと感じる『俺』の、 振り込め詐欺から、 この物語は始まりますが… (書いていることがよく分からないと思います) 個の「俺」が、実は絶対
| 花ごよみ | 2012/08/22 9:09 PM |
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