本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「努力しないで作家になる方法」鯨統一郎
努力しないで作家になる方法
努力しないで作家になる方法
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2011/06/18
  • 売上ランキング: 72365


鯨さんは最近ツイッターでよく読んでいます。
たった一文ですごい面白いことを言っていたり、フォロワーさんとの間で
いろんなことを流行らせてみたり、と楽しそうで、楽しく拝見しています。
やはり文章で食べてるだけあるなあ、とツイッターの何気ない投稿を見てても思います。

小説は、「邪馬台国はどこですか?」のシリーズと、あと一つくらい読んだのだったかな。
何冊か文庫も買ってます。「タイムスリップ森鴎外」とか、タイトルと設定からして
ツボだったりもしたので、そのシリーズを数冊とか、持ってます。
そんな鯨さんがデビューに至るまでの経緯を綴った私小説的な小説?がこちらです。
しがないサラリーマンが、仕事の合間に睡眠を削って投稿し続ける、そんな物語です。
「努力しないで」作家になったことになってるけど、そんなことはない、
すごく努力されています。ネタ帳を何冊も作ったりして・・・
結末はわかっていながらも、「がんばれがんばれ」と思いながら読み、
最後は友達がデビューしたかのように嬉しくなりました。

中学高校の頃は作家になりたくて、授業中にノートに小説を書き、投稿とかしていました。
今思えば恥ずかしいけれど。大学に入った頃から小説も書かなくなり、
本を読めば読むほど「世の中にはこんなに面白い本があるのか、私には書けないし、
書く必要もない。」と圧倒され、読む方に傾倒していきました。
今でも「私も作家になりたかったなあ」って冗談みたいに言ったり思ったりするけど、
この本を読んで改めて、自分って全然本気じゃなかったなあと思います。
あれだけがんばって投稿していて、「本気じゃないから作家になれないんだ」と
思う鯨さん(作中では伊留香さんですが。)を見ていると、余計そう思います。

努力するだけではなれないし、なったところで成功するのもほんのひとにぎり、
多分自分の人生を切り売りすれば誰でも1作くらいは書けるのでしょうけど、
膨大なネタやアイデアをちゃんと物語に落とし込んで一般受けするものが書けないと
生活はできないレベルの仕事です。いくら本気でもなれない人もいるけれど、
むちゃくちゃ本気にならなければなれないのだなあ、としみじみしました。

自らの才能を信じて、努力して邁進する鯨さん(伊留香さん)の考え方や生き方、
自分は出来ると信じる心、でも慢心せずに、成功に向かってたゆまぬ努力をする姿勢は、
作家のような特殊な仕事でなくても、どんな仕事であれあてはまるのではないかとも思いました。
努力すれば報われる、そう思える小説です。

奥様がとてもよくできた人で、仕事がなくなったり収入が減ったりしても
夢を追い続ける旦那さんを信じて、陰で支えてる様子がすばらしい。
私が嫁ならもっと殺伐とした家庭になると思うわ・・・。
もしかしたらこのあたりはフィクション入ってて、大げんかしてたりとかの
思い出もあるかもしれないけど、思い返せば優しかった奥様しか思い出せなかった、
みたいなところなんじゃないのかな。と勝手に推察したりします。

ミステリ作家さんの印象が強く、最初はSFを投稿していたらしいところが驚きでした。
北野勇作氏と同じフィールドだったんだーとか、意外。
いや、意外でもないか・・・。デビュー前のネタ帳に「森鴎外がタイムスリップする」と
書いていたシーンもあり、興味深いなあとも思いました。

デビュー作「邪馬台国はどこですか?」誕生秘話的なところもあって面白かった。
こんな風に作品が生まれていくことってあるんですね。編集の加藤さんもすばらしいですが、
発見してくれたお友達もすごいし、読んでる人はちゃんと読んでる、みてくれてるんだなあ、と
嬉しくなりました。

さて、また鯨さんの小説を読もうっと。積んであったタイムスリップシリーズからいこうかな。
膨大なネタ帳が生んだ、肩は凝らないけど頭は柔らかくなる、そんな作品で、
楽しませてもらってます。博識なのにえらそうじゃない、そんな作風や性格が
この本でも垣間見えて、楽しかったです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 22:34 | category: 作家別・か行(鯨統一郎) |
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