本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「深夜特急」全6巻 沢木耕太郎
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 420
  • 発売日: 1994/03
  • 売上ランキング: 1259


これを読んでる時に、私は近鉄特急に乗って名古屋まで旅に出ていた。
確か2巻を読んでいて、沢木さんがマレー半島あたりを旅していた頃だと思う。
沢木さんがペナンの娼婦宿で泊まって、娼婦たちと交流しているくだりを読みながら、
私はふと車窓を見て、「あれ、日本だ」とすごく不思議に思ったのを覚えている。

日本で当たり前なんだけど、香港〜マレー半島に向かっている沢木さんの旅に
つきあっていて、その中にどっぷりいたもんだから、日本に戻るのに苦労したんです。
そのくらい、どっぷりはまって読みました。

私は旅は日本に限る、と思ってる人で、学生時代にとったパスポートは切れちゃってる。
海外旅行は10年くらい行ってないけど、言葉は通じないし食べ物は違うし、
まあ別に行かなくてもいいやと思っている。そんな保守の塊みたいな私でも、
これを読むとリュック背負って海外に行きたくなる。そんな本。
読むのが10年早かったら、ふらっと行ってたかもしれない、で、人生変わってた、は
大袈裟だけど、視野がすごく広がったんだろうな、と思う。もったいないことをした。
若いうちに読みたかった本ランキングを作るとしたら1位に入るかもレベル。

国内で温泉につかってるだけで「一人旅が趣味です」なんて言ってた自分を恥じました。
沢木さんの旅は容赦ない。言葉もわからないし、お金もないから宿泊先もすごいところが多いし、
それに沢木さんはついた街を歩き回ってとことん知ろうとする。観光地を巡るんじゃなくて、
そこに住んでいる人たちの生活を肌で感じようとする。
1巻でカジノにはまるくだりからこちらもぐっと引き込まれた。

ペナンの娼館でのくだりとかで思ったけど、沢木さんは人と仲良くなる天才だと思う。
どこの国でも、国を超えて誰かとわかりあっていく。こんな旅ができる人はそういない。
そこにいる人々と深く知り合ってこそ、その土地を知ったことになるんだと思う。
日本とのいろんな違い、逆に共通点、人々の人柄・・・。景色だけではない、生きている街の
息吹や性格が、いろんな人との関わりから見えてくるのではないかなと思う。
そう思うと、人と仲良くなれる沢木さんは、旅の天才だと思う。

沢木さんの旅のきっかけは逃げだった。日本で先が見えない、だから旅に出た。
だから、沢木さんは旅の途中で人生についてずっと悩んでいた。
人生のリセット期間だったかもしれないけど、旅自体が自分の価値観や、
人生を大きく変えることがあると思う。私の旅はただの観光、現実逃避だけど、
沢木さんのこの旅は、ちがうものだと思った。何か人生の糧になるもの。
誰にでも、できる旅ではないと思う。

そんな沢木さんと一緒に旅をしたような気分になった全6巻の読書中は、
私も幸せでした。腹も減ったし大変だったしバスもぶっ飛ばすし、だったけど、楽しい旅でした。

ラストがいいですねー。旅の終わりなのは確かなんだけど、最後の最後にあの終わり方。
生きていく限り旅は続いていくのかなあ、なんて哲学的なことを思いました。

旅が好きな人も嫌いな人も、人生に悩む人も、若い人も若くない人も。
誰もが読む価値のある本じゃないかな、と思いました。読んで良かったです。
| comments(1) | trackbacks(1) | 23:38 | category: 作家別・さ行(その他の作家) |
コメント
はじめまして。
とても面白いレビューサイトでしたので
勝手ながらリンクを貼らせて頂きました。

深夜特急は中学生の頃読みました。
私は神戸の育ちなのですが、
本を読んだ直後、
「この国道2号線はどこまで続いているのだろう?」と
家出をし淀川を越えたところで国道が終わり途方に暮れたのを覚えています。

また覗かせて頂きます。
素晴らしいレビューありがとうございます。
| みさき | 2011/12/20 11:12 AM |

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真面目が肝心(●´ω`●)
Q太郎です。嘗ての大スター チャリー=シーンがまたも大暴れのもようです。1月27日に激しい腹痛で病院に運び込まれたチャーリーは、ブリーフケースいっぱいに入ったコカインを自宅に取り寄せ、数人のポルノ女優たちと36時間以 上も酒とドラッグにまみれた乱交パーティ
| 奥さんGOGO!!のブログ | 2011/02/02 8:11 PM |
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