本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「ハローサマー、グッドバイ」マイクル・コーニィ/山岸真訳
ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 893
  • 発売日: 2008/07/04
  • 売上ランキング: 166000


地球ではない別の星で、地球人そっくりな人たちが住んでいる星。
政府の要人の子どもであるドローヴは、夏の休暇に出向いた港町で、昔出会った少女
ブラウンアイズと再会する。若い二人は恋に落ちるのだけど、戦争の足跡が迫ってきていた・・・

これを買ったのは確か片山若子さんの表紙がきっかけだったと思う。
小市民シリーズといい星新一の作品といい、片山さんだから買う、的なところが
私にはあって、で、その習慣ができちゃったのは、片山さん表紙の文庫と私との相性がいいから。
小市民も、星新一も、爽やかなようで毒がある、そんな一癖ある作品たちだ。
そして今回もそうであった。爽やかな青春小説かと思ってたのに、やられたわ。

SFというふれこみのわりに、別の星であるという設定以外、
あとは天候や国のなりたちが地球と違う、っていうだけで、
最初は本当にSF臭の少なめな小説だったのです。
政府の要人の少年と、港町の酒場の娘の身分違いの恋、みたいなテイストだったし、
ドローヴについてまわるお母様オススメのお友達のウルフはへたれで邪魔だし、
ブラウンアイズとお友達のリボンと、そしてウルフとの微妙な関係もいかにも青春だし、
かわいらしい嫉妬や初めてのキスや、そんな一夏の経験を経て成長していくドローヴ、
ベタです。王道です。だからこそいいです。
少女たちがけっこうかわいらしいけど生々しいのも個人的にはありでした。
ブラウンアイズったら、かわいい顔して・・・。みたいなところもあったけど、
いいやんねえ。女だものねえ。

でも、別の星って設定にする必要あるのかなあとすごく思っていて。
出てくる動物たちはステキだし、粘流、とかいう自然現象も、独特でいいなあ、とは
思ってはいたんだけど、パラレルワールドの地球っていう設定にしても
充分書ける題材じゃないかなあ、そうなるとSFとは違うんじゃ?と、私はずっと思っていました。

そしたら最後の方でびっくりする展開になってしまって・・・。えー!!
もう完全にミスリードというか、策に見事にはまった読み方しちゃいましたよ私。驚いたわ。
そんなお話だとはまるで思わず・・・。爽やかな青春、少年少女からの成長、
ひと夏の恋、それがこんなにでかい規模の悲恋になってしまうとは。
最後まで読むと、SFでしたね、すいません、という感じでした。

終盤の展開は一転して悲愴なので、読んでいてつらかったのだけれど・・・・
しかし最後の最後のどんでん返しが個人的にはすごく好きです。そうきたか!
最後まで読んで全体を眺めると、すごくきっちり伏線張ってあったんだなあ、と思いました。

青春小説、恋愛小説、いろんな読み方ができるので、SF読みたいけどどれがいいかな、と
思っているような人にはとっつきやすいんじゃないかな、と思います。
でもきっちりSFしてるので、SF読みにもオススメです。
夏に読むと気分が出るけど、これは、真冬に読むのもありかもしれませんね。
ハローサマー、グッドバイ、ですからね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:18 | category: 海外・作家別カ行(その他の作家) |
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