本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「楽園への道」マリオ・バルガス=リョサ/田村さと子訳
楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 2,730
  • 発売日: 2008/01/10
  • 売上ランキング: 54330


池澤夏樹編集の「世界文学全集」、出始めたときに早速第1巻の「オン・ザ・ロード」を読み、
がんばって読んでいこうと思っていたのに、それから読むのが止まってました。
最近、ノーベル文学賞の発表があって、受賞者がバルガス・リョサ。
さて、この人は何を書いているのかな、と調べてみたら、この「楽園への道」があって、
それは私が1巻で挫折していた「世界文学全集」のよりによって第2巻。
これは読めということね、と思って手に取ってみたのでした。
いいきっかけになったので、また「世界文学全集」の続きを読んでみたいなと思うのだけれど、
次は何年後になるのやら。2冊しか読んでいないのに語るなという感じですが、
自分にとってはいろんな意味で敷居の高いシリーズです。いろんな意味で重い・・・。
今回も分厚くて、読むのに10日かかったけど、でも小説のおもしろさを堪能できました。

画家のポール・ゴーギャン、彼の祖母で労働組合の創設に尽力したフローラ・トリスタン。
二人の人物の晩年を対比しながら描く長編小説です。
時代は1800年代の前半と後半を行き来して、二人の人生が交互に描かれていき、
主に晩年を描いてはいるけれど、それぞれの主人公の回想や語りから、彼らの人生が
全体的にわかるようになっています。すごく凝った構成の小説。
読むのに時間かかっちゃったのは、交互に描かれる彼らの生活の章立てが細かくて、
一章読んだらつい一息ついちゃうからでした。中身が濃厚で、現実の出来事だけでなく
いろんな時期に回想が飛んでいくので、1章読んだだけでおなかいっぱいになる感じ。
そういうわけでゆっくり10日間、この2人の人生と向き合ってました。

ゴーギャンの生涯を読んだのはモームの「月と六ペンス」以来、というか、
彼の波瀾万丈の、でもいかにも画家が天職だったんだろうな、という運命的な人生は、
作家が書きたがるのがわかる気がします。サラリーマンとして成功していたのに、
画家になって、家庭も友人も全て捨ててタヒチに渡り、原始的、根源的な美を求めていく姿勢。
これまでの欧米の絵の穏やかな色彩とかをつきやぶった、原色で迫ってくるような絵画、
それを追求するも認められない彼の苦悩や、どんどんと彼の本質が変わっていくような感じ、
そして病にむしばまれていく様子、・・・彼の、荒っぽいながらも、普通の概念から脱却しようとする
そのハングリーな精神に引っ張られるように読んでいきました。

そして祖母のフローラ。結婚して虐待を受けて心身共に傷を負い、そのつらい経験をバネに、
女性の解放、発展して過酷な労働者の団結に向けて、女ながら精力的に活動をする女性です。
当時の女性の状況は悲惨すぎて、結婚したら男の奴隷で、逃げたら訴えられて、最悪です。
当時生きてなくてよかったと思うくらい。それに産業革命後の過酷すぎる労働者の実態も、
これを読んでよくわかりました。でもひどい、とはわかっていても、それに女性の身で立ち向かい、
理解のない場所を行脚して講演したりするフローラ、その人生はすごすぎて言葉もないです。

フローラとゴーギャン、血縁だけれども直接的にかかわりのない二人の人生を
著者は淡々と対比し続けます。二人の共通点は一つだけある、革命の力。現状を変えること。
ゴーギャンは美術界の常識を破ろうとし、フローラは弱者の法則を覆そうとし、
それに人生を賭けた。人生の賭け方は違うし生き方も違うけれど、二人の人生から、
何かを変えよう、という強い強い力をまざまざと見せつけられ、それは読んだ私の中にも、
何か力のようなものとして残ったような気がします。
印象深い読書でした。しばし忘れ難いです。

読み終わってゴーギャンの絵をネットで眺めました。これか!と思う作品がいくつかありました。
そして、ゴーギャンが狂ったオランダ人と言っていた、ゴッホとの仲についても、
いろいろと検索して調べてしまいました。ゴッホの耳はゴーギャンが切った、とか、
そういう説まであるようですね。驚きました。本当の二人には何があったのか・・・。
ゴッホの絵も、ゴーギャンの絵も、何かその人の魂がむき出しになってるような印象がして、
似ている気がしますね。

と、読み終わっていろいろと語りたくなるような本でした。
池澤さんが企画してくれたおかげで読むことができて、感謝しています。
| comments(3) | trackbacks(0) | 23:30 | category: 海外・シリーズ別(世界文学全集) |
コメント
はじめまして
僕もついこないだ、読み終えてブログで感想書きましたが、すっかりリョサの語り口調にハマってしまいました。
ご指摘されている通り、フローラとゴーギャンの共通点は革命の力と現状を変えることですね。彼らの生き様がリョサさんのノーベル文学賞の受賞理由である「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」に上手く照合しますね。
ゴーギャンの絵について、描かれた背景をこの本を通じて知ることが出来たという意味でも本当にいい読書が出来たと思いました。
| Venceremos | 2010/11/15 9:30 PM |

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