本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「アリアドネの弾丸」海堂尊
アリアドネの弾丸
アリアドネの弾丸
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2010/09/10
  • 売上ランキング: 2191


バチスタシリーズ最新刊。このシリーズは最新刊が出たら条件反射的に図書館に予約するように
なってしまっています。田口公平のキャラも好きだし、なんだかんだで読ませるし。
最高傑作は「ジェネラル・ルージュ・・」だと私は思うんだけれど、事件が会議室で起こっていた
「イノセント・ゲリラ・・」も嫌いではないし、もちろんデビュー作「チーム・バチスタの栄光」も
とても面白かった。1作目のおもしろさがあったからこそ、ここまで引きずられて読んでるんだよな。

でもね、すっごいファンってわけでもないんですよね。読むけど、読んだらそれなりに忘れるし、
他に読みたい作家山ほどいるから、悪いけど海堂さんばっかり読んでるわけでもないし。
という中途半端なバチスタ読みなので、今回すんごいストレスが溜まりました。

海堂作品は登場人物や設定などリンクしまくってて、それが魅力になってるのもわかってるんだけど、
今回は本当にいろんな作品からの登場人物がかなり出てきて、バチスタシリーズ本編はもちろん
直接のシリーズではない「極北クレイマー」や外伝(と私は思ってた)「螺鈿迷宮」からも
懐かしの人たちが。人々が出てくるのは別にいいのですが、当時の物語の設定も立場も
ごっそりそのまま残っての登場なのですよね。これは海堂さんの大ファンにはたまらん本、
だと思うけれど、私みたいな距離感を持ってる読者にとっては、「ああこの人誰だっけ、
でも読み返すにも家に本ないしなー」、みたいなことになってそれがすごくストレスで。

まあそういうわけもあって、ちょっと楽しめない時もありました。
全部わかって読んでる人からしたら、この人がこんな風に絡んでくるのか!とか、
発見がいっぱいあってすごく面白いんだと思うんだけど、「思い出せたら面白いんだろうな」と
わかるだけに余計悔しさが募るというか。でも全部読み返そうと思うほど執着はない・・
あ、速水将軍が出るんだったら喜んで読むんだけどな。

ファン以外のにわかファンにも優しい作品作りをして欲しいなあとちょっと思いました。
でないと、コアなファン以外離れていっちゃわないか、勝手に心配しています。

今回は久々にミステリ色が強い作品となりました。
前半は例によって海堂さんのこだわり、AIについての議論が長かったんだけど・・・。
東城大学病院にエーアイセンターが設置されることになって、例によって高階病院長に
田口くんが呼び出され、エーアイセンター長を押しつけられるわけです。
それで田口くんは関係者を集めて会議するんだけど、警察やら法医学者やらが自説を主張し
なにやらきなくさい。田口は不本意ながら、爆弾として白鳥と破壊魔彦根を呼び出すことに・・。

そして、MRI新機器が導入され、業者の友野くんが、ある日いきなり突然死して、
その後も大きな事件が起こり、一気にミステリ色が強くなる。
後半は白鳥が大活躍。後半部分の解決編は一気読みでした。
自分が漠然と思っていた推理が一部当たったりしてご満悦だったのもあって、楽しかった。
え、ありうるの?と思うところもあったけどさ、「チーム・バチスタの栄光」を思い出させる、
医療を絡めた見事な謎解きだったと思う。もちろんエーアイも活躍しましたしね。

大筋は面白かったんだけど、最初に言った登場人物のリンクが気になったのと、
田口くんの性格が変わっちゃった気がするのがちょっと残念でした。
なんか今回はあんまり活躍してなかったし・・ただの語り手?みたいな感じ・・
行灯だし振り回されてるけどやるときはやるのが田口ではないのかな。残念だよ。

相変わらず、エーアイ導入についての熱い主張は健在で、司法と医療との対立も
色濃く描かれていました。非現実的であまり実感わかないのが正直なところだけど、
こんな風に小説の形をとって、私たち素人の認識を変えよう、はてには社会を変えよう、と
思ってるのはすごいわかるので、それは応援したいなあと思います。
自分の家族が、死因不明で死んでしまった場合、どう思うかなあと思ったときに、
やっぱりどうして死んでしまったか知りたいと思うと思う。それが叶う社会であって欲しいです。
まあ、エーアイについては、映画はともかくドラマではちゃんと描かれてるの?と疑問なので、
ちょっと海堂さんの意図と違うんじゃ?と思いますが。
ドラマ「ジェネラル・ルージュ・・」の最終回をちらっと見ただけなので何とも言えませんが、
ぜんっぜん違う話になっていて驚きました。
| comments(0) | trackbacks(4) | 22:50 | category: 作家別・か行(海堂尊) |
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| りゅうちゃんミストラル | 2010/11/21 8:21 PM |
【アリアドネの弾丸】(海堂尊)を読了!
ついに医療と司法の戦いが火蓋を切る  まずは来訪記念にどうかひとつ!  人気blogランキング【あらすじ】東城大学病院で再び殺人事件が!「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを中心
| じゅずじの旦那 | 2011/02/01 7:45 PM |
久々にミステリ感 強!
小説「アリアドネの弾丸」を読みました。 著者は 海堂 尊 田口、白鳥シリーズの5作目 一応 順番に読み進めていまして 今作はどうか・・・ 久々にミステリーといったタイプの話で バチスタ以来かな 楽しめました 今作もAI 画像診断の問題、医療側 司法側の攻防な
| 笑う社会人の生活 | 2012/12/20 9:32 PM |
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