本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「勝手にふるえてろ」綿矢りさ
勝手にふるえてろ
勝手にふるえてろ
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,200
  • 発売日: 2010/08/27
  • 売上ランキング: 1123
  • おすすめ度 3.5


久しぶりの綿矢さんの新刊です。タイトルもポップだし、発売前から楽しみでした。
手にとってみると表紙がまたいい感じに妄想してる感じで。
一日でぱっと読んじゃいましたけど、なかなか印象に残ってます。

「夢を与える」からまただいぶイメージが変わっていて、
書くたびに違う綿矢さんが見れるなあ、と思うけれど、
「蹴りたい背中」に通じるような世界なのかなあとも思いました。
今回の印象は、端正な文章を書く本谷有希子が現れた、という印象です。
突拍子もない行動をする思い込みの激しい、ポップな主人公が、
初恋の人(イチ)と、会社で自分を思ってくれる人(二)との間で
揺れ動く恋愛小説、のはずが、なんか恋愛という甘い匂いがしなかったなあ。
イチは主人公ヨシカの中学2年の時の同級生、マッシュルームカットでいじられキャラ、
ヨシカはイチが好きすぎてほとんど見つめることもできず、目の端で追い続ける
技を身につけてしまったので、大人になって結局顔を覚えてなかったりする。
そのイチへの思いというか思い込みというかを持ったまま大人になってしまって、
いまだ男とつきあったことがない26歳。会社で合コンをしたあとに
一晩さんざん連れまわされたあと告白してきた「二」は自己陶酔系で、
ちょっと痛いのもわかってるんだろうけど、妄想のイチとの間で揺れている。
そしてヨシカは、無理やりイチと会う機会を作ろうとするんだけど・・・

初恋の思い出を胸に秘めたかわいらしい女性、という印象はヨシカにはなくて、
すさまじい、もう詐欺師まがいの行動力を発揮しちゃってやることがすごい。
でも、そんな行動力のおかげで現実を知ってしまうヨシカであった。
初恋の思い出なんて思い出でいいんだろうね。

でも、妄想から抜け出せなかったヨシカは現実を知り、会社でも現実の
友達の違う一面を知り、とっさに会社から逃げたくなってまたとんでもない手を
使うんだけど。
そして結局、二という現実と向き合うことになる。
二はリアルに嫌な面も持ってて私なんかだと「え、やめといたらこの人」って
普通に思うような人なんだけどさ、現実の恋なんて、そんなもんかも、という、
諦めみたいなのも見えるんだけど、でもそんな現実でも、
立ち向かっていこうじゃないか、というパワーみたいなのを
最後に感じたんだよね。それがなんか力強くて、ただの失恋ものとは
一線を画している気がする。元気が出る。

夢から醒める、という意味では「夢を与える」の結末とよく似ているのかも。
あの最後も、より強く生きていきそうな主人公のしたたかな姿が印象的だった。

でも、現実なんてそんなもんかもしれないけどさ、ヨシカがこだわってた、
「つまんない話より、自分が今ハマっている絶滅した動物について
話ができる人がいい、そんな話題に乗ってくれる人がいい」と思う気持ちって、
なんかわかるんだよなあ。絶滅した動物について話せなくてもいいけど、
そういう些細な話題が合うからこそ、何かつながってる感じがあるわけで。
こだわりたい気持ちわかるなー。
とか言ってるから私も婚期逃してるのか。とほほ。

主人公みたいに絶滅した動物一覧をウィキで調べてしまいました。
ドードー鳥は飛べないんだね。
で、主人公は生き残る道を選んだような気がしたわ。

次の作品も楽しみです。
| comments(0) | trackbacks(1) | 18:41 | category: 作家別・ら、わ行(綿矢りさ) |
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『勝手にふるえてろ』綿矢りさ を読んで
勝手にふるえてろ (文藝春秋) 綿矢りさ souiunogaii評価  内容紹介(文藝春秋) 著者3年ぶりの新刊は、不器用なOLが脳内と現実の2つの恋の間で右往左往しつつ自分の道を探していく様を描いた新境地。 何とも思っていなかった同期に告白されて戸惑う良香。 26歳まで
| そういうのがいいな、わたしは。(読書日記) | 2010/10/12 11:27 PM |
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