本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「横道世之介」吉田修一
横道世之介
横道世之介
  • 発売元: 毎日新聞社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2009/09/16
  • 売上ランキング: 37142
  • おすすめ度 4.5


横道世之介ってすごいタイトルだなあ、と思っていたら、
主人公の名前で、かなり驚きました。すごい名前だよな・・・。

吉田修一さん、芥川賞受賞してるし、最近読んだのもあり、
また映画化されるのもあり、どうも「悪人」のイメージが強くなってしまい、
暗いイメージだったんだけど、この小説でまたずいぶんイメージが変わりました。
横道世之介の大学1年生の、リアルで情けない1年を描いてます。
なんか、誰でも、「ああ、こういう奴いたよなー」って思ってしまいそうな、
いたって平凡な横道世之介の1年間。でも、笑って泣いて、さみしくなって、
そして温かくもなる、素敵な物語です。
本屋大賞3位だっけ、も納得、万人にお勧めできる小説でした。
「悪人」とはまるで違う雰囲気で、引き出しの多い作家さんですよね。
でも、長崎を舞台にしたシーンには共通点があり、この作家さんの個性を表していると思う。
方言とか地域性とかじゃなくて、長崎とか地方を描くことで、
リアルになるというか、ひりひりする感じがするというか・・・・うまく言えないんだけど。

世之介も、故郷が長崎。長崎から東京の大学に進学するところから物語ははじまります。
どこにでもありそうな家庭から出てきた、どこにでもいそうな青年世之介は、
ふらりと大学に入り、いきなり友人になった倉持と、誘われたサークル、
サンバサークルにふらりと入る。サンバっていうのが個人的にかなりツボで、
(サンバやってる人には失礼かもしれないけど)、想像するだけで笑えてしまう。
だってふらりと入るようなサークルじゃないしさー。
まあ、結局バイトに明けくれたり、教習所通ったり、とふつーの大学生をして、
祥子さんっていう浮世離れしたお嬢様と出会ったり、年上の危険な女が気になったり・・・

とにかく普通の大学生活、でも「あるあるそれ」って生活が飄々と描かれ、
その合間に、彼らが大人になって、当時を回想する一幕が挟まれます。
それが逆に、その大学の普通の一年間が、どれだけ大切な1年だったか、
それをしみじみと感じさせることになって、そこがただの青春小説と一線を画してて、
大人が読んでしみじみするような青春小説になっています。

世之介は主役なようで主役ではなくて、周りの人が見る横道世之介、
周りの人が思い出す横道世之介、みたいな語られ方をしていて、
大学時代でもそれは変わらない。誰かどこか遠くに「語り手」がいるような文章。
それがまた独特の雰囲気を出していて。

どこにでもいそうな、会ったことありそうな世之介を淡々と語ることで、
読者は自分の昔を思い出して、昔の友達や他愛ない出来事を思い出して、
そしてそれがいかに素敵な日々だったか、思い起こすことになる・・・・
そんな小説でした。私もいろいろと思いだして、みんなどうしてるかなあ、と
いろんな人の顔を思い出しました。
みんな、がんばってるかなあ。あのときは、楽しかったね。もう戻れないけれど。

世之介と祥子さんの関係がとても素敵で、で、あとから思ってみると、
彼らの人生の転機が、その1年の中にあったのですよね。
倉持にしても唯にしてもそうだけれど・・・。
長崎に里帰りした時の衝撃的な事件から、祥子は今の人生を選んでいくのだし、
世之介だって、いつのまにか人生の転機をつかんでいて。

世之介のその後もだんだん明らかになっていくけれど、
きっと彼も、大学を出てからがんばってたんだろうな、と、
自分の友達みたいに思うことができました。

これだけ共感できる小説も、なかなか珍しいと思う。
祥子さんとかかなり浮世離れしてるし、「こんな人いないよ」って思うんだけど、
でもかなりかわいいのでとても好きなんだけど。
読んでみたら、このさみしい気持ちは共感、というしかないな、と
思うようになったのでした。
自分とシンクロできる小説。たぶん、大人だったら誰もがそうなるんじゃないかな。

なんだかさみしくなるけれど、あの頃はよかったし、それが今の自分を
作ってるんだよね、と思える。素敵でした。ほんまお勧めです。

なんか感想書いてて泣きそうになった・・・。なぜだ、自分。
| comments(2) | trackbacks(2) | 01:56 | category: 作家別・や行(その他の作家) |
コメント
こんにちは!
>自分とシンクロできる小説。たぶん、大人だったら誰もがそうなるんじゃないかな。
なんだかさみしくなるけれど、あの頃はよかったし、それが今の自分を
作ってるんだよね、と思える。素敵でした。ほんまお勧めです。

なんか感想書いてて泣きそうになった・・・。なぜだ、自分。

上記の部分、そのまま全部自分と同じでした^^
良い本でしたね・・・・
今年のベスト3に入れちゃうつもりです。
| laifa | 2011/12/24 11:39 AM |

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「横道世之介」吉田修一
「横道世之介」を読んだ。 吉田修一の作品は芥川賞受賞作「パーク・ライフ」以来。    【送料無料】横道世之介価格:1,680円(税込、送料別) 主人公の世之介は、九州から東京の大学入学のために上京。 いろいろな人たちと付き合いながら青春を謳歌する。 物語は大
| りゅうちゃん別館 | 2011/08/09 6:51 PM |
「横道世之介」良い話だったー 
今まで私が読んだ事がある吉田作品の中で、最も好きでした。4.5〜5つ★
| ポコアポコヤ | 2011/12/24 11:38 AM |
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