本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「想い雲−みをつくし料理帖」高田郁
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
  • 発売元: 角川春樹事務所
  • 価格: ¥ 600
  • 発売日: 2010/03
  • 売上ランキング: 1271
  • おすすめ度 4.5


小料理屋の「つる家」の女料理人の澪。店の人たちや常連のお客さんに支えられて、
いろんな人間模様に巻き込まれ、そして素敵な料理を作っていく、シリーズ三作目。
珍しくちゃんと発売を追って読んでいるシリーズ。
だって中年武士の小松原様のファンですから。渋いのよ小松原様。素敵。
今回は出番が少ないし、澪とのやりとりもワンパターンの少女漫画風で、
毎回小松原様が毒舌でアドバイスして澪がはっとなる、ってパターンだったから
ちょっと物足りなかったけれど・・・。
次回はもっとベタで少女漫画風な冒険と、恋愛模様の発展も期待しております。
正体もわかってきたことだしね。

と、他の人とちょっと違う感想を持ってしまったのだけれど。
料理屋を舞台にした江戸の人情劇です。毎回ほろりと泣かせて、ほっこりと暖かい。
そんなつる家は三作目でも健在。
三作目にもなると安心して読める。登場人物も固定してきて、人柄もわかるし。
だから、前2作を読んでいないとわからないところも多い。
でも、あまりマンネリ化していないのは、澪がまだまだ、料理人として、
人間として、女性として、成長していっている過程だからだろう。

今回の事件は、澪と芳が探し続けている若旦那様が見つかったかも?って事件や、
澪の幼馴染の野江ちゃんと会えるかも?って事件、と、ちょっと波乱万丈で、
今までを知ってるから余計にはらはらと読んでしまう内容のものが多くて、
シリーズものの醍醐味を味わえた。
結局、ちょっと苦い後味のものもあったし、ほっこりとするものもあったけれど、
結局は、温かい人たちと、澪が事件をもとに成長して作っていった、
おいしい料理とで、心が温まる物語になっている。

悪い人はやっぱり出てくるんだけど、それでもね、なんだか人を信じていたくなるような、
そんな温かみを覚える作品たちは、私みたいなひねくれ者にもしんみりとしみて、
だからやめられないんだなあ、と思う。
小松原様の出番が少なくても、十分に読みがいがあるし、温かい。
人間っていいよね。
そうそう、今回は又次がかっこよかったしね。

幼い姉弟をはげます焼き柿の甘みは本当においしそうで、
大阪の味わい「鱧」の白い身も、とてもやわらかくておいしそう。
山芋でつくる「菊花雪」なんて、名前だけでおいしそう。
いろんな料理が、まるで食べたかのように、身にしみてくる。
どれも、素朴な料理なのに、豊かな味わいがしてそうな、そんなのばかりで、
高価でもなく誰でも楽しめる、庶民の家庭の味。そこがまたいい。
まあ、私は大阪だけど、鱧はあまり食べないけれどね。

ちょっと心がささくれたときに読んで、巻末のお料理など、作ってみてください。
きっと和むと思います。先も楽しみだし、素敵な本です。
| comments(0) | trackbacks(1) | 21:55 | category: 作家別・た行(高田郁) |
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想い雲 みをつくし料理帖
 ますます良くなる、このシリーズ。 ・内容 土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方
| 読書狂日記 | 2010/06/06 8:57 PM |
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