本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「双生児」クリストファー・プリースト/古沢嘉通訳
双生児 (プラチナ・ファンタジイ)
双生児 (プラチナ・ファンタジイ)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 2,625
  • 発売日: 2007/04
  • 売上ランキング: 214937
  • おすすめ度 4.0


これが刊行された時は、ちょっとでもネタばれされてたらいけないので、と、
ブログ記事をあえて読まずに、さていつ読もういつ読もうと思っていたのですが、
時機を逸して今になりました。
当時ネタばれを避けてた意味がわかったと同時に、読んでしまうと、
どうやってネタばれせずにこの面白さを書けばいいんだろう?と当惑しきりです。
とにかく面白かったから読んでほしい!としか言いようがないんですけど。
あらすじをちょっとだけ書こう、と思ったんだけど、
あらすじもいくらでも書けるんだよね。これ。
第二次大戦前のベルリンオリンピックに出た双子の兄弟と一人の女の話、と
単純に書いてもいいし、
第二次大戦のころのチャーチルの話、なんてざっくり書いてもいいし、
1999年にノンフィクション作家が調べているソウヤー大尉とは何者か?
そんなあらすじでもいい。
幾通りにもあらすじが書ける、つまり幾通りにも読めるということで、
歴史小説として読んでもいい、SFと思ってもいい、ミステリと思ってもいい、
青春小説としてだって読める。なんでもありなのだ。読者によって、
きっと全然違う景色が読めるんじゃなかろうか。そんな途方もない魅力がある。

私は、最初にあれ?と思って、その違和感を持って読んでいたのだけど、
途中で、あ、もしかしてこれってこういうたぐいの構成かなあ、と
ちょっと目星がついた。そう思って読んでいくと、いろいろとつじつまが合うような、
あちこちわかるような気がして、ああきっとそうだ間違いない、と
わかったような気になっていた。そう思いながら読む読書というのは、
とてつもなくわくわくとするものだ。夢中でむさぼり読むことになる。
構成がちょっとわかったからといって、結末まで読めるような本じゃないのだ。
でも、ラストまで読むと、せっかくわかったと思った構成までもが
ぐらぐらとぐらつき、私は何度もページを戻るはめになった。
何度もページをめくっては読み返したけど、結局私の中でも、結論は出ていない。

でもその、何通りにも読める、どうにでもなる、結論はでない、
あーもう結局どうなのよ、的なこの読後感も含めて、
すごくぞくぞくする読書だった。
わからないってことが、またとてつもなくぞわぞわして、いい。
100%わかってしまう本より、ずっと多くのものが残る。ひっかかる。そこがいい。

ああでもやっぱりネタばれできないのが残念・・・・。
ぱあっとばらしちゃってあそこが面白いここが面白いって
むっちゃ語りたいけれど、我慢します。
歴史が好きな私にとっては、とってもぞくぞくする一冊でした。
| comments(1) | trackbacks(0) | 00:57 | category: 海外・作家別ハ行(クリストファー・プリースト) |
コメント
このネタって、SFではおなじみというか、よく取り扱われるネタなんですが(あれとかそれとか(笑))、この作品ではあまりにもエレガントに使われてるので、最初そうとは気がつきませんでした…。
プリーストすげえよ。
| ふゆき | 2010/03/17 10:15 PM |

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