本を読む女。改訂版

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# 「八朔の雪−みをつくし料理帖」「花散らしの雨−みをつくし料理帖」高田郁
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)花散らしの雨 みをつくし料理帖

江戸の「つる家」で働く澪。大阪で生まれ育ったが、大水で両親を亡くし、
大阪の老舗の料理屋で奉公していたが、奉公先も主人が亡くなり、奉公先のご寮さん、
つまり奥さんの芳と江戸に出てくることになり、二人で肩寄せ合って暮らしている。
つる家では澪は料理を任され始めるが、江戸と大坂の味の違いに戸惑い、
なかなか思うような味が出せない。ニヒルな浪人風武士の小松原や、
若い町医者の源斉先生、そしてつる家の主人の種市や近所のおりょうさんなど、
様々な人と出会い温かい人情に触れながら、おいしい料理を作り、
料理人として大切なことに気づいていく。
そして、大店の登龍楼の嫌がらせにも負けない強い心を作っていく。
雲外蒼天。幼い時に言われたこの言葉を励みに。
ずっと曇っていても、いやだからこそ、晴れた空は美しい。

そんな澪と人々の絆を描いた料理づくしの連作短編集。
現在2冊出ています。どちらもお勧め。
何がすごいって、めったに料理を作らない私が料理をしました。
っていっても、「花散らしの雨」のラストに出てくる「忍び瓜」を。
ネタばれになるのでどんな料理かは言いませんが、とにかくとっても簡単、
おいしかったです、いやほんま。ご飯にもよく合って。
そんな風に、「食べたい!」と激しく思う料理がたくさん出てきては、
巻末にレシピまでついているという親切本です。

1巻目の「八朔の雪」は、江戸と大坂の味の違いに苦しむ澪の姿や、
登龍楼のかなりむかつく嫌がらせもあり、なかなかドラマチックな展開でした。
澪が、ひとつひとつ料理を作りながら着実に成長していってるのが
本当によくわかって、こちらもがんばれ、がんばれ、と思いながら読める。
そしてそのドラマが落ち着いた2作目、澪も料理人として少しずつ落ち着いてきて、
その分澪の周りの人たちのドラマが読ませます。おりょう夫妻の回は泣けた。

ベタな人情話だし、いい人ばかり出てくるし、悪いやつは本当に悪いし、
なんていうかほんま予想通りのベタさなんですけど、これを読んでいると
ベタのよさを思い知らされます。予定調和だけど、いいものはいい。
やっぱり人情、って、永遠のテーマなんだろうなと思う。
それに澪も、けっこう深刻に挫折したりダメなことをしていたりして、
でもちゃんと自分で気づいて立ち直っていく、その過程が丁寧に描かれているので、
とにかく何でもうまくいく人情もの、っていうわけでもないので、
とても説得力があって、読ませます。面白い。

そしてベタな恋愛模様がまた素敵です。これはシリーズ進むごとにどうなるか
わかりませんが、かなり少女マンガ的な展開が期待できると思います。
小松原様が!私は1巻目から大ファンになってしまったのですが、
疲れた中年男(だけど私より年下の30代前半と思われる)なのですが、
ニヒルに笑いながらもいいことを言う、優しい男なのですよ。
澪とのやり取りがべたべたの少女漫画風で、しかもどうやらこの男、
何やら大きな謎がある。正体不明なのです。そこがまたそそる。
そして優しく穏やかな源斉先生の動向からも目が離せないときている。
さらに吉原の伝説の花魁、あさひ太夫に従う又次って男も、
かなりベタな動きを見せてくれますし(2巻)、そっち方面でもわくわくと読めました。
図書館戦争シリーズのベタさが好きな方にもお薦めですよ。
ああ、小松原様・・・。2巻目は出番が少なく、また思わせぶりなのです・・・!

3月には3作目の「想い雲」も出るのかな。続きからも目が離せません。
久々に、一気に読んだシリーズでした。ちょっとはまりそうです。

そして明日からも「忍び瓜」にははまりそうですよ。
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八朔の雪<高田郁>−本:2010-21−
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| 読書狂日記 | 2010/03/02 1:25 AM |
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