本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「後藤さんのこと」円城塔
後藤さんのこと (想像力の文学)
後藤さんのこと (想像力の文学)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2010/01/07
  • 売上ランキング: 14512


円城さんを読むのは三作目。タイトルも気になるし、「想像力の文学」の
シリーズだし、これは読まないととうっかり図書館で借りたんだけれど、
帯がついていない。帯が豆本仕様になってて楽しかったらしい、ときいて、
ちょっと残念に思いました。でも、買うのはちょっと勇気がいる本かも。

正直言いますと、表題作「後藤さんのこと」と、銀河帝国ネタのだけは、
ちょっと意味がわかって面白かったのだけれど、あとは全然わかりませんでした。
すいません、こんな読者がうっかり読んでしまって、って感じかもしれない。
円城さんをわかろう、理解しようと思って読んではいないんだけどさ。
前2作でも、わからない部分がほとんどだったのですが、
わからないなりにもその言葉の奔流が楽しいというか、なんだろうな、
なんかいい感じなので読んでいるのだけれど。
今回はかなりわからない度合いが突き抜けてました。うん、ちょっと大変だった。

数学的というか、立方体が出てきたり、ありえない数字?の概念が出てきたり、
時間の概念とかも突き詰めると数学なような気がするし、
これってものすごく高度な数学を小説にしたらこんな感じなのかもしれない、
とふと思ったりしたのだけれど、全然わかんないので、全然的外れかもしれない。
まあこれだけ正直にわかんないって書いてしまえばもうあとはどれだけ
「わかってないなー」って言われても平気です。はい。

表題作「後藤さんのこと」は、4色カラーで、
世界中に「後藤さん」なる者がわらわらといる世界が描かれてて、
「後藤さん」なる概念?が描かれてます。「後藤さん」「後藤さん」と
延々と書かれると、「後藤さん」っていうのが意味をなさなくなってきて、
まるでひとつの「後藤さん」という記号のようです。それに色までついちゃって。
「後藤さん」ってネーミングが、「伊藤さん」でも「佐藤さん」でもないあたり、
いるんだけど、そこまではいない、ってあたりが絶妙だなあと
どうでもいいことを思いながら読んでました。
「後藤さん」発電とか笑うところだと思うんだけどなんか哀しかったし
すごいひどいことをしてる感じがしたりして。ラストはもひとつ哀しかった。
私の周りに後藤さんがいなくてよかったと思いました。じっと見てしまいそうだ。

全体的に言葉遊びなんだろうな、と思います。
「考速」って短編も、本編はかなり理解不能なりに、ひらがなが書かれていて
それに2種類の漢字と文節があてられ、まったく違う文章になっているあたりに、
発想の転換というか、目が覚める思いがしたりしました。
銀河帝国のネタも明らかに言葉遊び。なんでもかんでも銀河帝国って
言ってしまおう、的な。これはおかしくって爆笑してしまった。
こういうところに、円城さんも普通の人で普通に話もできるんだろうな、と
思って安心もするんだけど。
私なんか想像もつかないはるかな想像力の高みにいるのではないか、
まったく違う世界が見えたりしてるのではないか、そんな気がします。
わかんないなりに、その想像力のパワーに圧倒されました。
こんなところに行けたら楽しいだろうな、と思うし、
別の世界に連れてってもらうことこそSFの醍醐味なんだろう、と思いつつ、
ついていけなくてさみしかったりしました。

でもたぶんまた読んでしまうんだろうなあ、円城さんの本。
だってなんかわかんないけど楽しいんだもん。
そんな自分が一番わかんないです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:48 | category: 作家別・あ行(円城塔) |
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