本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「バレエ・メカニック」津原泰水
バレエ・メカニック (想像力の文学)
バレエ・メカニック (想像力の文学)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2009/09
  • 売上ランキング: 26036
  • おすすめ度 5.0


「下りの船」を読み、「想像力の文学」なるシリーズがあると知り、
そこで津原さんも書いていると知り、何の気なしに手にとってみた本。

「想像力」の文学でした。これはまさに。
私の想像力など遥かに超越したところに飛んでいってました。
第二章までは何とかついていったのですが、第三章で振り落とされ、
読んだは読んだけれど、えーっと。正直いまだにいろいろわかんないままです。
でもね、強烈な印象だったのです。この本。
わかんなくても面白い本がある、って最近SF読みはじめて気づいたんだけれど、
これもその範疇に入る本でした。
第一章は、二人称である「君」=木根原を主役として、
歪んでしまった東京が舞台。この歪んだ世界は、木根原の娘の理沙が
ひきおこした世界なのか?理沙はずっと眠ったまま・・・。

「君」に慣れるまではちょっと苦労するんだけれど、慣れていくと、
不思議な、しかし退廃的な世界が広がって崩壊していく東京と、
理沙に会いたいと願う木根原の情熱があいまって、すごい勢いで
読み進めることになりました。本を置く手を止められない。
どんな状態であろうと、娘に逢いたい、最後に娘に話した物語を、
ずっと忘れずにいる木根原の心に、ただただ圧倒されます。そんな章。

「君」と呼んでいるのは理沙の主治医の龍神なんだけれど、
第二章は龍神の章。今度も少々変な語りで、龍神自身も変だったし。
姉の面影を忘れられない龍神と、理沙を忘れられない木根原は、
女の声が聴こえたという患者に、一人一人会いに行くのだが・・・。

このミステリがすごい!2010年版にこの本も少し名前があがっていて、
ミステリ?と思ったけれど、言われてみれば第二章にはミステリ的要素も
あったかもしれない。

そして私がついていけなくなった第三章は未来の世界。
理沙、が概念として生きているようなそんな世界である。
あまりの想像力の飛躍についていけなかった。ただ、凄まじい勢いは
すごく感じて、その勢いのままに読み終わった。
ラストまで読んで、「どういうこと!?」と思ったが、
私はあえてそのまま本を閉じた。これがわかるようになるまで、
もう数年、SFを読んで想像力を鍛えなければならないような気がする。

マトリックスを見たときに思ったけれど、新しい、思ったこともない概念を
ふっと提示されたとき、最初はまず戸惑う。
仮想現実なんて言葉にも概念にももう慣れたけれど、マトリックスを最初に
見たとき、私は戸惑った。そんな感じかもしれない。この本。

きっと、最初はスピードに任せてただむさぼるように読んでから、
もう一度、ゆっくりじっくりページを行きつ戻りつ味わえば、
わかるところもあるんだろうと思うけれど、私はこの勢いでむさぼるように読んだ、
その疾走感を読後感として大事に持っておきたいような気がして、
もう一度読んだりはしていない。わからなくても、すごい本はあるのだ。

二人の男のね、ある人を思う想いがあふれ出て、それが物語になって
疾走していったような気がするのだ。どんな状況でも、人が人を思う気持ちって、
結局変わらない。それが狂気になってしまおうとも、やっぱりそれは、
人の胸を打つのではないかなあ。
そんな風に思った。それに感動を覚えた物語だった。

わからなければわからないと認める、と、感想は書きやすくなるし、
気も楽になりますね。はは。すいません。
読んで疾走して、感じてください。
| comments(0) | trackbacks(1) | 23:55 | category: 作家別・た行(津原泰水) |
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| メカニックマンの生活 | 2010/02/24 8:43 PM |
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