本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「名前探しの放課後」辻村深月
名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(下)

辻村さんの作品は久しぶりで、特にこの物語はとりあえず「僕のメジャースプーン」
必読だというのでざっと読み返してから読みました。ざっとでも思い出しておいて
よかったなあと読み終わって切に思いました。
「凍りのくじら」も読んであったら、より楽しめると思います。

辻村さん作品では百発百中で泣いてる私ですが、正直今回もやられました。
ぐすん、ってレベルじゃなくて、涙流れますからね、普通に。
電車じゃ読めません。
高校一年の依田いつか(男)は不思議な体験をする。気がついたら、3ヶ月後から
戻ってきていたのだ。そして、彼は3ヶ月後に起こる事実を覚えていた。
同じ学年の誰かが、自殺する。それが誰かは、思い出せない。

彼は、中学からの同級生である坂崎あすなに思い切って声をかけて助けを求める。
他に、親友の秀人とその彼女、生徒会長候補の天木も集まってきて、
彼らは、「誰か」の自殺を食い止めようとするのだが・・・。

最初すごく違和感があって。まずは「いつか」の名前にちょっと混乱。
いつか、って普通に出てきても名前なのか文中の語句なのかとっさにわからず
混乱する。あすな、と並んでいい名前なのはわかるんだけど、表記上、なんか・・・
で、登場人物紹介が長すぎるというか、次々と人が出てきすぎるというか、
そして視点もいつかの視点なのかあすなの視点なのか定まりにくく、
あまり集中できなかったのです。

ストーリーも、なんか脈絡がないというか、あすなとの経緯とか、
自殺するかも?って候補者が見つかってから皆がいろいろ作戦を練るけど
その作戦でいいのか?とか、違和感がずっと消えずにいて。
うーんこれはどうなのか、今回はずれなのか、と思いながらも、
自殺者探しというよりかは、あすなといつかの微妙な関係が気になりつつ
読み進めてはいたのでした。

話はいろいろひっかかりながらも、高校生の頃にしか味わえないような
ちょっとぴんと張った時の流れというか。そのとき感じる微妙な自意識というか。
諦めたり、諦めずに頑張ってみたり、そして前に進んでみたり。
友達がいるからこそ出来る、そんな前向きな時間を、あすなとともに過ごした
気持ちになって読んでいくにつれ、展開とか気にならずに、清々しさが
こみあげてきてたんですが。

で、下巻。
いろんな疑問が氷解するにつれて上巻の違和感も消えていって、
なるほど、と思ったらもう涙が出ている、って状態でした。
完全にやられちゃってました。いや、参ったです。
すごくいい話です。

辻村さんの作品に出てくる登場人物は、良くも悪くも頭がよくって、
わりとプライドとか自意識とか高いと思うんです。本人がどうなのかわかんないけど。
それがちょっと鼻についちゃったり、でも自分でもその自意識ってわかるなって
部分もあって、なんだろうなあ、読んでて私は落ち着かないときもあります。
100%共感もできないし否定もできない。そんな彼らは、ある意味、
私の高校時代の一部分を投影してるような気もします。

そういう意味では米澤さんの小市民シリーズと似てなくもないなあ。雰囲気全然違うけど。
「小市民」の方は自分の優越感を自覚してるんだけど、辻村作品の彼らは
あくまで自然というか気づいてないというか。そういう優等生達がいつも主役。
でもねえ、辻村さんの作品の高校生達は皆本当にいい人たち!で、
優等だとかそんなのどうでもよくなるくらい、その温かさに泣けるのです。

辻村さんの作品で一番好き、とまではいいませんが、一番明るさがあって、
痛々しさが少ない作品じゃないかな、と思います。
いじめのシーンはちょっと、やりきれないけれどもね・・・・。

あまりごたごたと書きたいけど書けない、ミステリとしての魅力も兼ね備えた、
爽やかな青春小説でした。友達って、いいよね。


でも一つだけ言わせて欲しい。ネタバレ入ってるかもなので以下ご注意を。







大事な部分を別作品(「僕のメジャースプーン」)の設定に頼るのはどうかなと・・・・。
同じ作家のいろんな作品があちこちで絡んでるのを読むのは、
懐かしい人たちと再会するようで好きなのですが、今回はちょっと、
それは違うんじゃないかなあと思っちゃいました。
この作品だけをいきなり読んだ人でも、100%わかるようにして欲しかった。
90%わかるけど、私がメジャースプーンを読んでなかったら、
すごく腑に落ちなかったと思います。
いや、違うな、何も気づかなかっただろうな、と思う。それがちょっとひっかかりました。
| comments(5) | trackbacks(1) | 23:50 | category: 作家別・た行(辻村深月) |
コメント
はじめまして。maru2kiです。
辻村さんの本は大好きで、全部読破しました。
「ふちなしのかがみ」も。

確かに大事な部分を書かないのは、どうかなって思いますね。
私もざれこさんと同じで「ぼくのメジャースプーン」を読んだ後
この本を読んだので問題はなかったのですが。

でも、面白く読ませてもらって、いい作品だと思いましたよ。

| maruki | 2009/09/25 10:55 AM |

家でゆっくり読むのがいんでしょうね〜
| おてんてん | 2009/09/28 9:12 AM |

ずいぶん前から、ざれこさんの感想読ませていただいていますが、
コメントは初めてです。

この作品、まさにざれこさんがひっかかっていた部分において
読んだ友人の中で賛否両論なんです。
私もたまたま、辻村作品を刊行順に読んでいたので、
特に何も感じなかったんですが、おっしゃる通り、
この作品だけ読んだらモヤモヤしちゃうでしょうね。
| しろいるか | 2009/11/11 12:31 PM |

カレンダーの時計の時計の文字盤が行き始めて1つの小さいウィンドウ(普通は柄の頭のの側でです)があって、ちょうどカレンダーの輪の上の1つの字を現して、表示の期日。カレンダーの輪は日を動かすに頼って(寄りかかって)4上の押し抜いてくるに順番に当たってひとつの組の最初のTに盛り上がって推進します。1日の車輪の4とカレンダーを動かして車輪の5かみ合いを過ぎて、
| スーパーコピーロレックス | 2013/12/19 5:24 PM |

スーパーコピーロレックス、ロレックス時計コピー通販【JpNobleShop - スーパーコピー市場】スーパーコピーロレックス駆動パルスの電流もいりません モーターの歩を新しい安定のバランスの取れている点に入らせた後にやっと電流を断ち切ります。かえって、もしパルス持続時間はあまりに広いならば、かえって秒針の震えることを増加します。現在、ロレックススーパーコピー時計の電気を使うの動機のレベル、普通はすべて7.8ミリ秒のパルス幅の下で働くことができます。このような、大いにモーターの消耗を下げることができます。このために、狭いパルス形成回路を採択しなければならなくて、パルス幅を1秒で、周波数は0.5ヘルツの広いパルスで、パルス幅の0.79秒だけ(すぐ7.9ミリ秒)になって,は周波数が0.5ヘルツの狭いパルス(あるいはのために5.9ミリ秒になって、15.6ミリ秒のパルス幅のパルス)。

スーパーコピーロレックス
| スーパーコピーロレックス | 2014/02/28 5:26 PM |

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| いつかこの手が穢れる時に | 2009/09/25 2:56 AM |
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