本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「やんごとなき読者」アラン・ベネット/市川恵里訳
やんごとなき読者
やんごとなき読者
  • 発売元: 白水社
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2009/03/11
  • 売上ランキング: 32147
  • おすすめ度 4.0


読書メーターで話題だったので読んでみました。
全く知らない小説だったんだけどこんなふうに口コミで面白い小説に出会えるって
素敵ですね。ネットありがたいなあ。

エリザベス女王が読書にはまったら?そんな想像から織りなされる素敵な小説。
女王は移動図書館にある時やむを得ず入って、1冊難しげな本を借りる。
それをまじめに読み切って、何となくもう1冊借りてみて、そしてだんだん、
彼女の興味のほとんどが読書に向かっていく。
そして、厨房にいる少年が読書好きで知識がすごく豊富なのを意外に思った女王は
彼を側近に抜擢するんだけど、他の側近たちがなかなか納得しない。
彼女の読書好きは大臣まで巻き込み、国民とのふれあいをおろそかにはするが、
彼女は女王であってすらわからなかった大事なことを学んでいく。

イギリスらしいウイットに富んだ語り口で、くすくす笑いながら読んでしまう。
女王に本を薦められて、読んだかと感想を聞かれて困ってしまう大臣とか、
作家について聞かれて困ってしまうフランス首相とか、おかしいわ。
ラストのオチも意外なような納得いくような。
それにしてもダイアナ妃とかの名前が出てきて驚いたんだけど、架空のイギリスの話じゃないのよね。
今のエリザベス女王が、読書にはまったら、って仮定で、これだけおもしろおかしく
お話が書けちゃうんだから、イギリスってなんだか面白いなあ。

女王が読書にはまっていく様子は読書好きだったらうんうんとうなずきつつ楽しく読める。
女王が最初に読んで難しかった本が、あとから読んでみて面白かったりとか。
「読書にも筋力が必要だ」って女王は気づくんだけど、ほんまそうよね!とこちらも気づかされた。
昔は敬遠していた本(私の場合は翻訳本)も、今はこうやって楽しく読めているのは、
ネットで知り合った皆さんの情報とか励ましとかもあるけれど、自分の読書力が
あがったってのもあるんじゃないかな、ってちょっと自画自賛してみたり。

でも読書好きでもはっと気づかされることもあって。読書って現実逃避だと思いがちだし、
実際女王の読書好きも歓迎されてないわけだけど、でも読書によって、現実の人生が、
すごく味のある素敵なものになるというか、そんな作用もあるわけで。
いろんな国に行って何でも知ってるはずの女王だって、厨房にいる少年は本を読まないと
思いこんでいたり、いろんな人の気持ちがわかっていなかったりとかして、
読書によって人の気持ちがわかる人になっていく。もうとっくに高齢なのに、
人生にはまだまだ知るべきことがあるのだ。そういうことに読んでいる私も気づかされて、
私自身改めて、本を読むってすばらしいなあと思ったのでした。

読書好きこそ好きな本だと思うけど、本とか読まないよ、って人に手にとって欲しい本です。
読書の楽しみはこの1冊に詰まってますから。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:02 | category: 海外・作家別ハ行(その他の作家) |
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