本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「君と一緒に生きよう」森絵都
君と一緒に生きよう
君と一緒に生きよう
  • 発売元: 毎日新聞社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2009/03/27
  • 売上ランキング: 5594
  • おすすめ度 5.0


森絵都さんの直木賞受賞作、「風に舞い上がるビニールシート」の中の短編で、
犬に関するボランティアを行っている女性の物語を読んだ記憶がある。
こういう活動があるんだ、と印象に残っていた。

この本は、そういう、犬を守るための活動をしている人たちのことや、
安易に捨てられていく犬の現実なんかが書かれたノンフィクション。

幼い頃から犬を飼っていて犬は家族の一員だ。
そのせいか、犬絡みの物語には弱い。特に犬が不幸になるやつは全然ダメだ。
最近はハリウッド版「HACHI」の予告編を見るだけでうっかり泣いてしまうほどだ。
犬がらみの映画は号泣しちゃうのでなるべく劇場では見ないようにしているし
盲導犬や介護犬のドキュメンタリーはだいたいかわいそうなのであまり見ないことにしている。

ペットショップには行くけれど、そこにいる犬たちはあまり見ないようにしている。
かわいらしいのだけれど、見たらみんな買って帰りたくなるので、見ていられない。
このかわいらしい彼や彼女は、素敵な飼い主に巡り会えて、素敵な犬生を全うできるのだろうか?
売れ残ったりしてしまったら、どうなるのだろう?そういうことを考えるともうダメ。

そんな私がこの本を手に取るなんて、どういう心境の変化か自分でもわからない。
予想通り最後にははらはらと涙を流してしまった(そう予想して家で読んだ)。
でも犬にまつわる現実を、知っておかなければいけないような気がしたのだ。

ブリーダー崩壊の現場に行って、狭い場所に閉じこめられて病におかされている
何頭もの子犬、考えただけで涙が出るようなそんな場所に著者は出向き、
犬の現実と向き合っていく。
飼い主が飼えなくなって別の人に引き取られていても、飼い主を忘れられない犬の姿に
思わず涙したりしながら読み進める。

当たり前だけど犬にも心があって、飼い主を懐かしむ気持ちとか、飼い主と一緒に過ごして
楽しい気持ちとか、ちゃんと人間にわかるように表現するのだ。
そんな犬たち、いや犬に限らない生き物たちに、どうしてそんな酷い仕打ちができるのか、
どうして「モノ」としか思ってないような扱いをする人がいるのか、私にはわからない。

でもこの本は結局、私みたいな犬が好きな人たちが手にとって読むんだろうけど、
犬をモノとしか見ていない人は手に取ったりはしないんだろう。それが残念だ。

捨てられて引き取られて今は幸せになっている犬たちの紹介が多かったのだけれど
著者もいうように、そんな例は一つの奇蹟に過ぎない。大多数の捨て犬が、
保健所に送られて寂しい最期を遂げている。
著者は最後に保健所に出向く。大多数の犬たちの末路を伝えるために。
おいおい泣きながらも、ただの「いい話」で終わらせない著者の姿勢を感じた。

私も犬を預かるボランティアとかできないかな、と真剣に考えた。
家にまだ一頭くらい預かれるんじゃないかな、と母と話をしてみたりしたけど、
やっぱり犬を飼うってことは、そんな一冊本を読んだくらいでそんな気分になって
簡単にできるようなことじゃないよなあ、とこの本を読んで思うのだった。
自分ちの犬を幸せにするので私は精一杯だ。一つの命と一緒に生きてるんだから。

何度も泣いたけれど、読んでよかったと思う。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:41 | category: 作家別・ま行(森絵都) |
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