本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「国盗り物語」司馬遼太郎
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 740
  • 発売日: 1971/11
  • 売上ランキング: 24221
  • おすすめ度 5.0


※画像がなかったので1冊しか貼っていませんが、全4巻です。
前半(2巻)と後半(2巻)です。

突然ですが先日、司馬遼太郎記念館に行ってきました。
大阪府東大阪市の司馬さんのお住まいが記念館になっています。近郊の方は是非。
ちょうど菜の花忌のあたりに行ったので、駅からの道にも菜の花が咲き乱れていて綺麗でした。
司馬遼太郎の著作と司馬遼太郎の蔵書が天井まである書架に展示されている様は圧巻です。
長い間ぼうっと眺めていました。
蔵書が本当にものすごくて、これだけの本を読んでこれだけの物語を書いたのだなあ、と
感無量でした。

そこでも本が買えるんですが、記念館の帯がついてたり、記念館のブックカバーだったりで
いい感じでした。それを目当てに2冊購入。
「街道をゆく」がテーマになったビデオ上映を見たので、感化されて「街道をゆく」を買ったり。
あと、戦国と幕末の司馬作品一覧(マップ付き)も買いましたよー。
ま、そんな経緯で、司馬遼太郎をがつがつと読みたくなり、まず手に取ったのがこれです。
乞食から老舗の油売りの店を乗っ取り、そこから一国の大名にのしあがった斎藤道三の
痛快きわまりない人生を描く前半、そして彼の生き様を受け継いだ二人の男、
織田信長と明智光秀の生涯を描く後半。
前半後半と分かれてはいるのだけれど、話には一つの筋道がぴんと通っていて、
二代に渡る壮大な物語を読んだような気がした。

斎藤道三、元の名前は庄九郎だが、まずは油売りになり店を繁盛させ、そして名前を変えるたびに
地位を上げていく。それは無理だろうというような目標でも軽々と乗り越えていく彼には、
何事も成し遂げてやるという尋常じゃない意志があり、そんな彼の人生を読むだけで、
私にもなんか、日々を生きる力がふつふつと沸いてくるようでもある。

でも第一巻は庄九郎は女をひっかけてばかりいるんだけどね・・・
女との恋の駆け引きがまた粋というか、1巻はわりと艶っぽい展開があったりして、
そして2巻は陰謀渦巻く展開、緩急がついていて読ませる。

下克上の時代とはいえ道三の出世ぶりはレベルが違ってて、やったことだけとらえたら
悪事と思えることもやってるんだけど。蝮と呼ばれて毛嫌いされるしさ。
ただ、庶民の立場を知っている道三が、歴史にあぐらをかいている古い体制をぶっつぶそうと
のしあがっていく姿は、現代のサラリーマンが読んでも思うところがあるんじゃないかなあ。
いつの時代でもどんな組織でも、伝統を壊す、新しさを恐れないってのは、
ある種の課題じゃなかろうかと思うのだ。
ただ戦国の人の一生という以上に、熱くなれる何かがあった。私っておっさんですかね・・・

そして道三の革命児の部分を受け継いだ信長、伝統を愛する部分を受け継いだ光秀が後半の主役。

後半は何度も大河ドラマで見たような物語だろうと思ってたのだけれど、それでも新鮮だった。
最近歴史のバラエティとかいろんな本で、本能寺の変は光秀が主犯ではなかったという説が
主流になってきてる感があるけど、これは書かれた時代が古いのもあり、いつもの説をとっている。
だけど新鮮だった。

光秀の人生に比重が置かれている感じで、そもそも信長に仕官する前の光秀の人生なんて
全然知らないもんだからすごく興味深かったし、若い頃の光秀の活躍は、道三や信長に
負けず劣らず痛快で、道三とは違う男らしさがある。妙に自信たっぷりなのもいいし。
なんか今までより光秀がより1人の人間として私の中に迫ってきて、それが魅力だった。
戦国の人々といえど、ただの人間だ。当たり前だけどそう思って、彼を近くに感じた。

そんな光秀が信長と出会い、そしてあの本能寺の変に向かうまでの物語を読むにつけ、
いきのよかったころの光秀を思い起こすと寂しくなってくる。
そして信長、光秀がいなくなって、道三から受け継いだ何かもなくなってしまった。
それでも時代は続いていく、その空しさをすごく感じながらも、
一瞬だからこそきらきらしている時代がまぶしかったりもした。寂しいけど爽快だ。

全4巻を10日くらいかけて読みましたが、読み終わって話は終わってるのに物足りなくて、
もっともっと続きが読みたくなる、司馬さんの文章をいつまでも読んでいたい、
そう思ってうずうずしてしまいました。
彼の紡ぐ人間たちのドラマは本当に活き活きと魅力的だ。また読もう。
| comments(0) | trackbacks(1) | 04:11 | category: 作家別・さ行(司馬遼太郎) |
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国盗り物語
斎藤道三、織田信長、明智光秀ら、戦国の英雄たちを通して激動の時代を描く ...
| 司馬遼太郎を読む | 2009/04/07 12:03 PM |
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