本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「マーブル・アーチの風」コニー・ウイリス/大森望訳
マーブル・アーチの風 (プラチナ・ファンタジイ)
マーブル・アーチの風 (プラチナ・ファンタジイ)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/09/25
  • 売上ランキング: 90211
  • おすすめ度 4.0


海外作家は作家読みはあまりしないのだけど、追いかけている数少ない作家の1人が
この人、コニー・ウイリスだ。女性ならではのテーマをSFにしてそれが斬新だし、
軽いものも重いものも幅広いし、それにもちろん面白いから好きなんだけど、
今回はじめてもう一つ好きな理由に気づいた。恋愛部分がベタなんだよなあ。
解説で大森望が「有川浩を思い出させる」的なことを書いていて、「そうそう!」と
納得してしまったんだけど、恋愛模様がけっこう恥ずかしくて「きゃーっ」ってなる、
それも幸せになれる理由だなあ、好きだなあと思う。
コニー・ウイリスの作品は最初はとっつきにくい。
SFってそもそもの設定が私らの世界とは違うから、導入に自然な形で説明が
されてることが多い気がするけど、この人の作品は最初はわざと
カオス状態にしているような気がする。わけのわからない台詞とかが
ぽんぽん出てきて最初戸惑うんだけど、読み進めていくとある時すっとこの世界の
全貌が見えてきて、すると一気に視界が開けたようでぐっとのめり込めることになる。
そういや長編作品でも「犬は勘定に入れません」とかでは、導入部分は混沌としていたけど、
それは主人公のタイムラグ(時空をとんだことによる時差ぼけ)が原因だとあとでわかったりする。
お得意の作戦なんだろうなあ。今回それがすごく面白いと思った、けど、
そういや彼女の作品からSFに入った私はなんとなくSFがとっつきにくく
なったような気もするわ。
最近やっとそのおもしろみがわかってきたかな、ってところです。

最初の「白亜紀後期にて」だけちょっと印象が薄いんだけど、
あとの4編はとっても面白かった。
「マーブル・アーチの風」はシリアスだったけれど、あとはコメディタッチで軽快な作品。
特に「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」が好きかなあ。
でも「インサイダー疑惑」もおもしろかった。

覚えている範囲で感想を。

「ニュースレター」
世の中の人々が帽子をかぶり、いいことをするようになった。
親戚が息子の自慢話をしなくなり、会社の人が優しくなり、暴動がなくなり・・・、
それをおかしいこととして大騒ぎする主人公たちの思考回路がおかしかった。皮肉だよなあ。

「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」
クリスマスを祝う商売をしているキャリアウーマンの主人公が、顧客先で出会った
いけすかない男性と喋ってるうちにだんだん親しくなっていく、
それがまさにベタなラブコメ風で、ベタだけどひねりもきいててとっても素敵な物語でした。
クリスマスって楽しいもんだものね。
コニー・ウイリスの作品は働きまくってる女性たちが主人公になることが多くて
がんばってるその女性たちは普通は私とあまり気が合わないはずなのに
チャーミングで共感できてしまうのでした。

「マーブル・アーチの風」
私は同じ著者の「航路」を思い浮かべました。
同じようなテーマで、それがより重くなったような。
地下鉄に吹いている謎の風を追う主人公の物語。
人は老いてしまうし、若い頃はもう戻らない、それが実感として迫って哀しくなるけど、
それでも希望のあるラストはよかった。

「インサイダー疑惑」
怪しげな霊媒師を取材する雑誌記者たち。こういう怪しげな商売が嫌いで女優の道から
雑誌の編集者に転身した美しい部下を持つ主人公の、全て疑ってかかる姿勢が面白いうえに、
実際関わってる事件も、霊媒師に乗り移ってる人(?)がすごく個性的で、
ラブコメとしてもエンタメとしても最後までわくわくと読みました。
| comments(0) | trackbacks(2) | 00:57 | category: 海外・作家別ア行(コニー・ウイリス) |
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