本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂尊
ジェネラル・ルージュの凱旋
ジェネラル・ルージュの凱旋
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/04/07
  • 売上ランキング: 768
  • おすすめ度 4.0


映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」、2009年3月に公開だそうです。
竹内結子&阿部寛のコンビは健在ですが、速見部長役に大好きな堺雅人が
配されたと聞き、これは原作読まなければ!!!!ということで、
すごく久しぶりにバチスタシリーズを手に取りました。
あ、ちなみに私は単行本で読みましたが、宝島社から2009年1月8日に文庫が出ますので、
まだ読まれてない方はそちらもどうぞ。

まあ、ぶっちゃけて言うと、「チーム・バチスタの栄光」は面白かったけど、
「ナイチンゲールの沈黙」は微妙な感じで、「螺鈿迷宮」もまあまあ、
だからこのシリーズの続きをリアルタイムで追う、って熱意がなくなっていて、
まあでもこの作品はやっぱり面白いらしいよ、って評判も聞いてたんだけど
そうかなあとか思ってて、でも読んでみたら面白いやんか!!と。
「チーム・バチスタの栄光」よりいっそ面白いんじゃないかと思う。
面白いというかさ、速水部長がすごいのよ。彼の魅力が全てですわ。
堺雅人いい役もらったね!
映画見に行かなきゃ(その前に「チーム・バチスタの栄光」映画を観なきゃ)

まあそれはともかく。
赤字経営の救命救急。そこの部長の速水が業者と癒着している、
そして花房師長も絡んでいる。そんな怪文書が田口のもとに届く。
田口と速水は同期で、速水は田口を行灯と呼んでおちょくってくるような仲。
田口が高階病院長に伝えると、彼は田口を敵視しているエシックス・コミティ、
アメリカかぶれの倫理審査にかけろという。いつのまにか口車に乗せられ
エシックスのリーダー、精神科医の沼田とコンタクトを取る羽目になる田口。
この沼田が食えない奴で、台詞読んだだけでいらいらっとくる粘っこい野郎で、
書類が書けてないとかそんなどーでもいいことで田口も翻弄される。
速水VS田口というよりは、エシックスVS田口といった構図が出来上がり、
病院における倫理とは何か?という深いテーマにまで物語は及んでいく。

理想はあれども金はない。ないといけない病院がどんどんつぶれていき、
地域医療が壊滅状態になっているような昨今、私の近所の病院も相当やばくって、
何度もつぶれそうになっては医師の熱意とか地域の熱意とかだけで持ち直してる。
医療は金儲けの精神じゃ出来ないけど、金がないとできない。
行き詰っているであろう医療業界に医師である著者自らが小説という武器で
メスを入れ始めている、かっこよく言うとそんな気概すら感じて、
でもそんな気合を説教臭くなくうまいことエンターテイメントにまとめて、
読んで面白い小説に仕立てている。本当にうまいなと思ったし、面白かったし、
お医者さんみんな頑張れと思った。

速水部長は伝説も現在も、もう本当に惚れ惚れとするほどかっこよくて、
彼の活躍シーンは本当に映像的でぞくぞくとする展開だった。
小説全体がはらむテーマは映画的とは思わないけど(エシックスとの対決とか
地味ですよ正直)、速水部長が一人でかっこいいので何とかなると思う。
クールなキャラかと思いきや破天荒なキャラで、チュッパチャップスを
ずっと舐めてるんだよね。それがまたラストでえらいことになるわけだけどね。
爆笑してしまった。チュッパチャップス・・・。
速水部長が一人いたらもううちの近所は安泰ですよと思う。一人欲しいわー。
いやうちの近所はお年寄りが多いから愚痴外来の田口の方がいいのかな?

それとすごいなと思ったのがこの小説「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行なんですよね。
これ読んだ直後に「ナイチンゲールの沈黙」を立ち読みしたんだけど、
速水登場シーンがそっくりそのままだった。文章いくらか使いまわしてるんじゃないか。
しかし、これから読む人は「ナイチンゲールの沈黙」を手元に置いて読んだら
面白いと思いますよー。田口ったら、午前中は「ナイチンゲールの沈黙」、
午後から「ジェネラル・ルージュの凱旋」だったりするから。
田口がどれだけ多忙でえらいことになってるか、わかって面白いと思うわ。
別に同時進行にする意味は小説の展開的にはあまりないと思うけど
(冴子さんが絡んでいた意味がよくわからなかった)、試みとしては面白い。

いやあとにかく面白かった!より医療問題が掘り下げられていそうな、
「イノセント・ゲリラの祝祭」、早速図書館で予約して待っています。
現役医師がこれを書いているというのはある意味凄いことだと思うし
だからこそ訴えかけることが出来るんだなと思う。
著者から見ても、他の医師たちから見ても、速水部長は理想の医師じゃないかな。
ああはできないから、だからこそカッコいいんだと思う。

田口と速水は同期で名コンビだったので、映画ではどうなるのかちょっと不安。
竹内結子と堺雅人が同期ってことはないだろうし・・・。うーん。
そして案外出番がなかった白鳥、映画では出張ってくるんだろうね。いいけどね。

| comments(0) | trackbacks(1) | 01:25 | category: 作家別・か行(海堂尊) |
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