本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「フォトグラフール」町田康
フォトグラフール
フォトグラフール
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/02/15
  • 売上ランキング: 54607
  • おすすめ度 3.5


表紙がいきなりインパクト大。
山羊の表情と、両手の感じ、飄々とした雰囲気がたまらない。
図書館で表紙借りしてきました。

まずは最初に注意。電車では読まない方がいいですよ。
この山羊の写真みたいな味のあるおかしな写真たちをネタに、
町田康が文章を書く。
ページ構成が、3ページバージョン、2ページバージョンが交互にきていて、
2ページバージョンでは写真と文章が見開きでいっぺんに目にはいるようになっていて、
3ページバージョンでは、2頁分読んでページをめくると写真が出てくる、という趣向になっている。

気になるとは思うが、3ページバージョンでは、写真を見る前に文章を読んだ方がいい。
妙なシチュエーションの文章を淡々と読む。例えば村の変な祭りの様子とか、
変な透明建築の発明とか、そういうおかしな文章をただいろいろ想像しながら読み、
そしてページをめくると、そこにはその文章どおりの!どおりの?写真が一枚。
ここで爆笑である。あまりにも、絶妙なのである。

「まっちゃん、べらべら!」、が、新しい挨拶ですよ、と説明される。
次のページには「まっちゃん、べらべら!」と挨拶している様子が写真で紹介される。
いかにも「まっちゃん、べらべら!」である。もう、ほんま笑った笑った。
あの写真をみて「まっちゃん、べらべら!」を思いつく町田康は天才だよ。

この自由な発想力、すごい、羨ましい。何か一つの題材でこれだけいろいろ思いつく、
作家ってのはこうやって作品作っていくのかな、その創作の過程を見た気がした。

ぴったりの写真がきたり、いい意味で裏切られたり、といろんな写真があって、
視覚が与える印象と、読書が与える印象、それはやっぱり違うもんだなと思い、
新鮮な体験だった。

見開き2頁バージョンでは写真がいきなり目にとびこんでくるので、
それを見ながらマンガのように文章を読んでいくことになるけど、ちゃんとそういう効果も
わかっての絶妙な文章が書かれていて、別の意味で笑える。笑いながらもその絶妙さ、
本の構成のすばらしさ、プロの仕事だと思った。

ま、たまにネタをはずしてるところがまたいいのよねー。

序文がまた笑わせてくれる。
「世の中嘘ばかりだ、俺は本当のことを書く」ってわざわざ書いてんだよ。嘘ばっかりやん!

何かを得られるとか感銘を受けるとかいう本じゃないけれど、
本って現実を生きる潤滑油だな、気分転換にこんな本、いいな、とすごく思えた。
ちょっとへこんだ時にでも読むと、元気が出ていいよ。
| comments(0) | trackbacks(1) | 23:37 | category: 作家別・ま行(町田康) |
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