本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「図書館革命」有川浩
図書館革命
図書館革命
  • 発売元: メディアワークス
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/11
  • 売上ランキング: 9130
  • おすすめ度 4.5


出ましたね最終巻。2007年にはまったシリーズを2007年中に読み切ることができました。
ラストを飾るにふさわしい波瀾万丈の一冊です。

とはいえですね、正直言うと最初は「もうええわ!」ってキレてたんですよ私は。
だってですね、例えば友達に、「あのね、気になる人がいて、その人上司なんだけど、
よく頭なでてくれたり守ってくれたりして頼もしいのね。こないだは一緒にハーブティ
飲みに行ったんだけど仕事で途中で終わっちゃって、でも次は映画に、っぽい話も出て、
何度か手をつないで歩いたりしたんだけど、でもさあこれって、上司が部下に対する
親愛の情って言うかそれだけだと思うのよ。片思いってつらいわ・・・」
って相談された時のことを想像してみて下さいよ。・・・キレるでしょう?
「それで両思いじゃないという証拠があったら挙げてみやがれこら!!」
「20歳も過ぎて何やっとる!中学生でももっと進んでるぞこら!!」
ってキレること間違いなしでして。
3作目まではまあ一応、鈍感なこの二人の今後はどうなるのか、とベタに楽しめたんだけど、
もうここまで来ると「いいから襲え!!堂上!!」のレベルでしてね。あら、お下劣で失礼。
最初は上にも書いたハーブティデートのシーンでしてねえ。もうねえ・・・・
あまりに純情な二人にイライラっときてしまう前半。あかんな、もう年やわ。
視点を変えて手塚と柴崎のカップルを見守ろう、私って郁と一緒でキャラ読みやな、と
思ってた矢先、物語の方が面白くなってきて、いつのまにか引き込まれて読んでました。


今回の図書隊の騒動は、原発を襲うテロが起こり、そのテロの手口が当麻蔵人という
作家の書いた小説にそっくりだったところから始まる。
世論は当麻を責める方向に進み、機を逃さず、と良化委員会が作家の活動停止を画策、
それが前例になって悪用されることを恐れた図書隊は、当麻蔵人本人を匿い、
良化委員会と闘うことになる。
敵対していた「未来企画」代表、手塚の兄とも利害が一致し手を結ぶことになるが・・・

私があほやからか、手塚の兄と図書隊の関係がいまいちわからないままだったけど、
手塚の兄への屈折した感情と、それをうまくなだめつつ交渉する柴崎の関係が
なかなか面白かった。そこはもっと進展あるかなと思ったけどなー。
手塚、しかし苦労するな、あんな食えない女が相手やとな。純情やからなあ。

出てくる男性陣がそう言えばみんな純情でちょっとあり得ないくらいやね。
まあだからこそ胸キュンなのかもしれないが。

当麻蔵人を守るという図書隊の単純な任務をとにかく遂行する郁と堂上達に、
後半ちょっと胸が熱くなりました。途中一人で判断し行動せざるを得なくなった郁が、
成長ぶりをみせつけてくれて、シリーズ最初は全然駄目だったのになあ、と
それこそ、上司が部下を見守って目を細めるような気持ちで読み進めました。
スピーディでスリリングな展開は読む者を飽きさせず最後までひっぱってくれました。

恋愛があまりにあまりにベタで、恋愛少女漫画の見本みたいだったのには笑ってしまうし、
「読んでるこっちが恥ずかしいわ!!」っていう赤面のシーンもあったりしたけど、
堂上の騎士精神と郁の一途さには最後までやっぱり胸キュンでした。
図書隊やし、状況が常に切羽詰まってるからよけい、恋が燃え上がるのよね・・・。
こんなこっ恥ずかしい恋愛したことないけどさ、疑似体験する分にはいいよね。

あまりにも想像の余地無く終わってしまい、ちょっと寂しくなりました。
外伝作るなら柴崎と手塚かなあ。何組もカップルができるあたり、やっぱり月9よなあ。
アニメ化されるらしいですが、実写の話は出ないのかなあ。ベタすぎておもしろいかもしれん。
郁はうざい人がうざくやることを望む。「ガリレオ」の柴咲コウくらいうざいといいな。
うざいのが彼女の最重要な個性だからさー。

ということで楽しく読んだんだけども。
この図書隊のシステムとかそういう世界観的なことについては最初から疑問で、
最後まで疑問も多かったけど、あまり気にせず読んだら楽しめたけど。
でも言いたいことはわかるのよね。こんな極端な世にはならないだろうけど、
いつのまにか情報が操作されているかもしれない世の中、私らは何を信じていけばいいのか。
もっと敏感にならなければならないし、世論にただ流されていてもいけないと思う。
情報に流されず、自分で判断できるような、そんな強さを持っていたいな、と思った。

当麻蔵人は誰かモデルがいるのかなあ。余談だけど。
作風は福井晴敏を連想したけれど、見た目は京極夏彦が更に年取ったようなイメージで、
性格的にはハードボイルドな感じがするし。北方謙三?違うか。
自分的にはそのギャップが面白かった。
| comments(4) | trackbacks(1) | 23:32 | category: 作家別・あ行(有川浩) |
コメント
中3の娘と高3の息子が、どちらが買うかもめながら読んでいたシリーズです。
有川浩の作品が好きなようですが、その年代が好きそうなお話なのでしょうか。
どちらもファンタジーものが好きな子供のようなのですが、読書の趣味は強制するものではないだろうと思いますが、長男には幼稚な話では?と密かに眺めていました。
今度借りて読んでみようかなあ。
| kinmokusei | 2008/01/09 12:18 PM |

kinmokuseiさん
いいご兄妹ですねえ。お兄さんが高3なのに、というよりかは、男の子でも好きなんだ、とそっちが意外でした。だって少女漫画かよっていうベタな恋愛もの・・・(笑)、いやお兄さんはSF的設定、図書隊の戦いとかが面白かったのかもしれませんね。
kinmokuseiさんも良かったら是非。軽いですけど、いろいろ考えさせられるシリーズでもありますよ。いいんじゃないでしょうか。
| ざれこ | 2008/01/13 9:38 PM |

キレます。いやキレました。上司の愛情なんて言ったらどう考えてもセクハラに入る部類です。郁よ気付け、そして言え堂上。
そのまどろっこしさがよくもあるのですが、お互いが頭の中で悶々とやってるんじゃなくて、完全に行動に出てますからね。そこまできて何もたもたしてるんじゃと発狂しまくりました。


| たまねぎ | 2008/02/17 7:04 PM |

たまねぎさん
ほんまにね、30歳すぎて何をやっている堂上!と小一時間説教したくなるイライラ本でしたね(笑)まあ、だからこそ面白い部分もあるんですけどねー。終わっちゃって寂しいですね。
| ざれこ | 2008/02/18 12:27 AM |

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図書館革命  有川浩
とうとう読んでしまいました。ちょっと気になることがあって『クジラの彼』を手に取ったら、やっぱ面白えーとなり、思わず最後まで読んでしまったのですよ。しかし再読ていう事もあって、これじゃあ満足できん、ギブミー有川!ワンモア有川!と心が雄叫びを上げ、シリー
| 今更なんですがの本の話 | 2008/02/17 6:00 PM |
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