本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「シャドウ」道尾秀介
シャドウ (ミステリ・フロンティア)
シャドウ (ミステリ・フロンティア)
  • 発売元: 東京創元社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2006/09/30
  • 売上ランキング: 121745
  • おすすめ度 4.0


(コメントにネタばれを含みますのでご注意ください。)


このミスで3位だったっけ、それで知った作家なんだけど、
この人の書いた本の感想とかをブログで読んでるだけでわくわくして、
「あー絶対この人好みやわー」と思っていたが、やっと図書館で予約なしで
借りられるようになったので嬉しくて借りてきた。
合コン企画して「なんかカッコイイ人くるらしいよ」とか噂が回って、
想像が膨らんで、やっと当日出会えたみたいな感じでしょうか
(喩えのレベルが低くてすいません)。
で、その喩えで続けると、「わあ、ほんまにかっこいい」って思った、そんな感じの読書。
面白かった。

主人公は小学生の少年、凰介。母が病気で亡くなり、父と二人になってしまう。
そのころから、父と母の大学時代の友人、水城家の人と出会うたびに、
不思議な映像が頭をよぎるようになる。裸でもつれる二人の人間、それを見ている子ども。
あの映像はなんなのか?戸惑っているうちに、同級生の水城亜紀の母親が自殺してしまう。
彼ら2家族に何があったのか?凰介は真実を探し、少し成長していく。

あちこちに張られた綿密な絶妙な罠がじわじわと効いてきて最後に衝撃の事実が。
そういうミステリを得意としてる作家なんよね、と思っていて、
しっかり伏線の張られたどんでん返しが大好きな私はそれを本当に楽しみにしてた。
でもほんのちょっと誤解があった。緻密な伏線、それはもちろんあるんだけど、
ミスリードがすごくうまいのだ。あー騙された、まんまとやられた。
でも理不尽な騙され方じゃないので気持ちよく騙され、
あーミステリを読んだなー、っていう満足感があった。
どんでん返しものって伏線が台無しなものが多いんだよな・・・叙述トリックとか
けっこう反則、って思うとき多いけど(ま、楽しいんだけど)
正攻法で攻めてくるこういう作風はすごくいいと思う。

さて、困ったな、いろいろあまり書けないんだけど・・・・、

小学生の凰介が、母が死んでしまって、父親と二人で生きていこうと決意して、
すこしずつ大人になってくのが気持ちよく描かれていた。
父に対等に扱ってもらえない、「守られている」存在であることに、
凰介は悔しく思ってる。そのもどかしさと、対等になろうと頑張る姿が
とてもけなげで。幼馴染の亜紀を、「亜紀ちゃん」と呼べなくなる、
その、子どもから少年に至る微妙な心理状態もほほえましいし、
がんばれ凰介、と思いながら読めて、すがすがしい。

ミステリだし、後味がいいとも言いがたいけれど、
少年少女の成長物語の側面があったので、綺麗に騙された爽快感とあわせて、
案外ラストシーンは清清しかった。
得がたい作風だと思う。ミステリだけど、清々しいというのは。

今後いっぱい読んでみたいな。道尾さん。
| comments(6) | trackbacks(5) | 00:44 | category: 作家別・ま行(道尾秀介) |
コメント
おはようございます。
やられましたね。
こんな騙され方って楽しいですね。
| ナカムラのおばちゃん | 2007/09/25 7:47 AM |

突然のコメントで失礼いたします。
ブログを拝見させていただきまして、是非とも協力をして
いただきたくコメントという形で、ご連絡をいたしました。
当サイトは「ブログで繋がるコミュニケーション」をテーマに
参加していただくブロガーの皆様を幅広く募集をしています。
ランキングを楽しんだり、さまざまなブログを拝見したり、
ブログを持っている方々のコミュニケーションの、
一つの引き出しとして、その場を提供したいと考えています。
当サイトの検索バーの横にブログの登録フォームがあります。
お手数をおかけいたしますが、ご賛同いただいて、ブログの登録を
御願いできれば幸いでございます。
是非、御願いします。こちらのサイトです。
http://www.p-netbanking.jp
なお、こちらのミスで謝って、再度、ご連絡をした場合。
また、全く興味のない方は削除されてください。
| magazinn55 | 2007/09/26 9:59 AM |

ざれこさん、こんにちは。りょーちと申します。

何かおもしろそうですねぇ。この本。
本屋で並んでいたので作者名とタイトルと装丁の雰囲気はうっすらと記憶していたのですが、手がでませんでした。(おどろおどろしい感じがしたので・・・)

>あー騙された、まんまとやられた。
どう騙されたのか気になって多分この本かっちゃうと思います(^^;

ちょっと楽しみが増えました。
ではでは。
| りょーち | 2007/10/25 10:29 AM |

ナカムラのおばちゃんさん
やられましたよね!うまく騙されるとスカッとしますよねー

りょーちさん
表紙はおどろおどろしいですが、少年が主人公の爽やかな?ミステリでしたよ。是非騙されてくださいな(笑)
| ざれこ | 2007/10/31 12:56 AM |

期待して読んでみました。終番の解決部分は全く非合理的・非論理的ですね。小五の女の子が大人が飛び降りたのを支えられると本当に考えているのでしょうか。かつ、足で支えてカッターを使えるのでしょうか。また、父親の殺人計画は花が置いてあれば、ビルの下を必ず覗き込み、そのとき突き落とすとは蓋然性に乏しいですね。また、手摺子の間隔が30センチという設計はあり得ません。
それに、自分の判断ミスに深く責任を感じトラウマとなるほどの感受性の人間が、末期のガン患者を脅し性行為を強要するとは到底思えません。さらに、小児性愛者が大人の女性に上記のようなことをするということもあり得ませんね。残念ながら全く期待はずれでした。
| ben | 2011/04/12 9:41 PM |

benさん
コメントありがとうございました。
私はおもしろく読んだのですが、期待はずれでしたか。詳細は忘れましたが…。

ただ、今後この作品をたのしみに読まれる方もいますし、コメント内容がネタバレになりますので、記事に「ネタバレあり」と記載させていただきます。
私自身、ネタバレには細心の注意を払っておりますので、今後はできればネタバレなコメントは避けていただけますと、幸いです。よろしくお願いします。
| ざれこ | 2011/04/13 4:13 PM |

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