本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「きみはポラリス」三浦しをん
きみはポラリス
きみはポラリス
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/05
  • 売上ランキング: 105647
  • おすすめ度 3.0


三浦さんのエッセイはけっこう読んでいます、私。
だからなんだか最近三浦さんが本当に友達みたいに感じてしまってます。
ブログも読んでるし。ああ、風林火山好きなんだ、私もー。みたいな。
こんなに親近感覚えてる作家もこの人しかいません。
だって気が合うんだもんきっと。

だからこそ小説は冷静に読めない部分もあって、いいんだか悪いんだかです。
(自称)お友達のしをんさんの恋愛小説集は、ちょっと気恥ずかしいような、
でもしをんさんの本心を覗き見しているかのような、そんな不思議な感覚で
読んでしまいました。
いろんな形の恋愛小説が集まった短編集。シリアスあり、ほのぼのあり、
いろんな作風が楽しめました。
エッセイと比べて小説にはなんていうか今まで気負った感じがあって、
違和感もたまにあったのだけど、今回は自然体で書いたであろう短編も多々あって、
こちらもリラックスして読めた気がします。
ええ、偉そうなのは友達だと勝手に思っているからです。
全て妄想と思って流してください。

お得意ネタのBLものが最初と最後に。
岡田と寺島、もちろん男同士、幼馴染の二人、ひねくれものの岡田と天真爛漫な寺島。
寺島は女を好きになっては岡田に相談に行く。岡田は聞いてやりながらも、
自分の気持ちをもてあそんでいる。
あーこう書いてみるとなんてベタなんだ。王道じゃないですか。

で、悪いんだけど、・・・・萌えなかった。ごめんよ。
BLが好きで好きでたまらないしをんさんだけど、どうして自分の書く小説だと、
微妙に萌えないんだろうね。私が、やけどな。「月魚」の方がまだ良かったかな。
本人に思い入れが強すぎるんじゃなかろうか。
頑張って柴田よしき「聖なる黒夜」や高村薫「レディ・ジョーカー」を超えて欲しい。
お待ちしてます。

と、BLで一席ぶったところで本編に戻るけど。
特に印象的だったのは「私たちがしたこと」。こういう展開のも書けるんだ、と
作風の広さを感じると同時に、彼の愛情の深さに恐れを感じた一編でした。
愛することの怖さがじわじわとあとで効いてくる。

それから「ペーパークラフト」も女の怖さがにじみ出ていて後味が苦かった作品。
でもほんの少しラストを小気味良く感じてしまったのは私が女だからだろうか。

「骨片」もすごかった。先生の骨を持っているという発想もすごいが、
祖母の存在感が不気味で。女、を生々しく感じた作品。
先生が言う、「どんな狭い世界にも人生が全て詰まっている、
嵐が丘だって狭い家で起こったのだ」、そんな主張が印象的だった。
狭い世界でだって、本を読んだりして想像力を羽ばたかせることが出来る、
ドラマを持って生きていける。
本が好きなだけの平凡な私にちょっとした勇気をくれた、そんな気がする。

「冬の一等星」も印象的。忘れられない出会いがずっと人生に残る、
誰にだってあることだと思う。
こんな強烈な形じゃなくても、きっと。そんなことを思った。

と、シリアスなものもいろいろインパクトが強かったが、ほのぼの系の作品が
今回けっこう好きだった。
「森を歩く」とか、「優雅な生活」とか。ほんま、なんてことないほのぼのなんだけど、
恋愛の楽しい気持ちがすごく溢れてて、エッセイとかで出てくるしをんさんの
素に近い作品で、楽しかった。
気負いなくこういうのをするすると書いて欲しい、そんな気がしました。

全体として小粒の印象。三浦しをん作品は私の中では大当たりと普通にわかれますが
(エッセイは別)、普通の作品といった印象でした(ごめんなさい)。
時々はっとする短編はあって、そこには大当たりの気配があったんですが。

ちなみに大当たりは「むかしのはなし」と「風が強く吹いている」です(現時点では)。
| comments(2) | trackbacks(6) | 23:56 | category: 作家別・ま行(三浦しをん) |
コメント
優雅な生活にはうんうんと唸ってしまいました。それにしてもしをんさん満載の一冊で、読みながら『こういう関係は好きそうだよなあ』とか苦笑。
ところで場所はズレますが、モテ本について一考ならモテケンという深夜番組がお勧めです。大人計画の二人が新たなモテを追求していくのですが、モテ本特集では豊崎女史を審査員に迎えぬるいプレゼン合戦が繰り広げられてました。
本特集は人気企画ですでに二回放送されているので、もしかしたら三回目もあるかも。
| たまねぎ | 2007/08/30 1:36 AM |

たまねぎさん
そうそう、しをんさんの好みがわかってしまうのも苦笑なんですよね。自称友達だから(笑)。「優雅な生活」、ひねりが効いてて面白かったですね。私も健康的な生活は嫌いです(笑)

ところでその番組むっちゃくちゃ気になるんですけど!すっごいみたい・・・・月曜日ですね。頑張って起きときます。
| ざれこ | 2007/08/31 12:12 AM |

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