本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「聖母(マドンナ)の深き淵」柴田よしき
聖母(マドンナ)の深き淵
聖母(マドンナ)の深き淵
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 800
  • 発売日: 1998/03
  • 売上ランキング: 23470
  • おすすめ度 4.0


一気に読んだRIKOシリーズの第二弾。
第一弾では、著者初期の長編という枷もあったのか、
緑子自身が情緒不安定だったのか、とにかくテンションが高くて、
しかも18禁シチュエーション満載、更に山内も麻生も出てこない(ここ重要)と、
欠点ばかりが目に付いたもんだが、第2弾では緑子も子どもを産んで母になり、
だいぶ落ち着いているし、文章もしっかりしている(えらそうだけど)。

何より、麻生と山内が登場する。これは大きい。全然違うと言っていい。
正直言ってしまうが、これはRIKOシリーズって言うよりは、
麻生山内シリーズでいいんじゃないかと思ってしまうんだけど。
脇にいるはずの彼らが主役をあっさり食ってしまう珍しいシリーズ。
番外編であるはずの「聖なる黒夜」が主流の展開かと思えるくらいのフィーチャーぶり。
著者の入れ込みようが嬉しくてたまらんわ。これで麻生と山内がほんまの脇役だったら
ほんまに騙されたとキレるところやったわ。

子どもを産んで、暇な下町の所轄に異動になり、妹に育児を頼み、
仕事と子育てを両立しながら刑事を続ける緑子。
のんびりした生活だったが、性同一性障害で女性にしか見えない男性、豊の
行方不明の友達を探すのを引き受けてしまい、友達として一緒に依頼した
探偵事務所では、麻生という元警察官が探偵をしていて、緑子も彼を知っていた。
そんな中、主婦惨殺事件が起こり、売春、更にヤクザも絡んできて、
緑子は捜査に駆り出される。
豊の行方不明の友達も事件に巻き込まれ・・・

以下ちょっとネタバレ?
事件のことはばらしてませんが(興味ないから)でも軽くネタバレかも。

過去に起こった乳児誘拐をも思い出させる事件が次々と起こり、
またもや事件は複雑怪奇な様相を見せるのですが、
すいませんがまたもや事件はどうでもよい私。山内と麻生のその後が知りたいのに、
緑子が主役なもんだから、もどかしくってなりません。
麻生が、自らが愛した人を語る場面でも緑子は当然ながらその人を「彼女」だと
思い込んでるわけで(そう思い込めるようにミスリードしてある)、
しかし私には麻生が誰について語ってるか手に取るようにわかるわけで。
ああ、もどかしい。と身もだえしてしまいました。
これ、「聖なる黒夜」以前に読んだら、私は見事ミスリードされて、
ラストにとんでもない衝撃を受けたんだろうな・・・なんて思います。

山内が、これだけ読んだらとんでもない人ですな。悪人すぎるやろ。
でも、私は知ってるのです、彼がどれだけ苦悩して、そして今苦悩しているか・・・
何か二人の関係はこじれたのか、だから山内はこんなに荒れているのか?
とにかくね、緑子はいいから彼らを描け、と言いたくなる妙なシリーズなわけで。
主役が邪魔って、ねえ・・・
設定も、山内を緑子と無理やり絡ませてるように思えて、ちょっと笑えるし・・

このシリーズ更に不思議なことに、緑子周辺の男性達に、
あまり魅力を感じないのは私だけなんだろうか・・・・。
旦那である明彦とか、最後まで影が薄かったし・・・。高須もなあ・・・。
完全に脇にそれてる二人のキャラが勝ちすぎです。
「聖なる黒夜」にはまりすぎた私の贔屓目でしょうか?

主役の緑子は、男を選ぶ目がなんつうか破滅的というか、
自分以外の誰かを一途に愛していて弱ってる男がいたら、つい抱きしめて
あげたくなっちゃうみたいで、これって母性本能?かもしれないけどさ、
つうか、はずれくじでしょう、みたいな。やられ損?言いすぎ?
でも、彼女がどうしてそういう破滅的なことばっかりしちゃうのか、
なんかそれはちょっと、わかる気がしちゃいます。
フィクション世界では、私もそんな男が好きなのです・・・・。
実際のところはちょっと割に合わなさ過ぎて、勘弁したいところやけども。

事件は複雑な展開を見せながらもちゃんと収束。そこは柴田さんお約束、うまい。
それに今回はそこまで複雑で頭こんがらがる展開じゃなく、ちょうど良く伏線が
張ってあって、脳みそ足りない私でも許容できたし。

でもね、またもや犯人とかどうでもいいの。ラストの章でうう、としびれました。
麻生・・・・・。哀しすぎ・・・・。あううう

ということで第3部に続くのでした。これが読まずにいられるかっつうの。
| comments(0) | trackbacks(1) | 00:22 | category: 作家別・さ行(柴田よしき) |
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「聖母の深き淵」柴田よしき
聖母(マドンナ)の深き淵柴田 よしき (1998/03)角川書店 この商品の詳細を見る 一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。 その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。
| しんちゃんの買い物帳 | 2007/04/10 4:10 PM |
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