本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠」柴田よしき
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 630
  • 発売日: 1997/10
  • 売上ランキング: 37059
  • おすすめ度 4.5


「聖なる黒夜」の麻生と山内のその後が描かれているという、柴田よしきのRIKOシリーズ。
今までとんと興味がなかったのに、「聖なる黒夜」を読んでしまったら
いてもたってもいられず、
早速知り合いからシリーズ3作をお借りして、一週間で一気に読む。

麻生も山内もいないじゃないの!
出てくるって言ってたじゃないのよ!
どうして、どうしてよ!

・・・失礼しました、ちょっとこの作品の緑子調で憤ってみました。
わりとずっとこの調子で、非常にテンションが高いこの作品。
モノローグと台詞の占める割合がかなり高く、どこで誰と誰が喋ってるのか
(もしくは卑猥なことをしているのか)わからなくなって困ってしまうことも。
短い作品ですぐ読めるんだけど、ずっとテンションを高めに維持されて、ちょっと疲れました。

本庁で警部との不倫がばれ、不倫相手にかばってもらえず、
男性の同僚数人にも酷い目に遭わされ、新宿署に異動になった女刑事、村上緑子(りこ)。
2年経ち、年下の男性との割り切った関係、そして婦警とのレズビアンな関係に溺れ、
奔放な性生活を楽しみながら、緑子は所轄での刑事としての仕事に充実を感じていた。
そこに、男性を陵辱しビデオ撮影し、それを売りさばく組織の存在が浮上してくる。
殺人事件にも発展したその事件で、合同捜査本部が設置され、新宿署にやってきたのは、
元不倫相手の警部と、緑子を性的に虐待した同僚刑事だった・・・・。
忘れたはずの過去がよみがえり、緑子は動揺しながら、事件を追う。

同じ女性として緑子に感情移入できないのがちょっと致命的だったな。
性的に酷い目に遭わされてトラウマになったら、普通、そういうことに対して
臆病になってしまうもんじゃないかな、と思ったりするんだけど、緑子はとても奔放で、
悪く言うと淫乱?って感じなんだよね・・・。これもPTSDの症状の一つかな、と
つい思ってしまうほどに、ちょっと異常な感じ。
同僚の高須に仕返しをするシーンも「これでやり返したことになるのかなあ、
女が男に勝ったってそういうことかなあ」とちょっと疑問に感じたりもした。
ま、小気味いいのは認めるけどさ。認めて良いのかわからんけどさ。

そしてテンションが高くていつも怒ってる緑子。正直、ひくわー。
テーマがテーマだけに、男とは、女とは、って考えてしまうけど、
緑子みたいに常に憤って攻撃的になってたら、よけい男には勝てないと思うんだよなあ。
そういう意味で痛々しい人やったなあ。

でも、緑子は、たくさんの人々と身体の関係を結ぶだけじゃなくて、
それぞれの男性(女性)をいつも本気で想っているのがすごい。
常に全力なそのパワー(だからこそテンション高いわけだけど)には引きこまれました。

事件も伏線がしっかり張られていて最後までぐいぐい読ませてくれました。
犯人は途中でわかっちゃったけど・・・、それでもね。
で、あのラストは緑子らしいと言えばそうなんでしょうね。あの一途さ、あの痛々しさ。

RIKOシリーズ、これから入ってたら私は全部読破できたかどうかわかりません。
これ1冊でやめてたかもしれない・・・。でも、「聖なる黒夜」のおかげで読めました。

RIKOシリーズから読んでも「聖なる黒夜」から読んでもどちらからでも、
それぞれの楽しみ方があっていいと思いますが、
作品の時系列的には「聖なる黒夜」が先で、RIKOシリーズがあとです。
| comments(0) | trackbacks(2) | 17:08 | category: 作家別・さ行(柴田よしき) |
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「RIKO―女神の永遠」柴田よしき
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠柴田 よしき (1997/10)角川書店 この商品の詳細を見る 男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。 その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。 彼女のチームは新宿のビデオ店か
| しんちゃんの買い物帳 | 2007/04/09 5:32 PM |
RIKO 女神の永遠 / 柴田よしき
読まない状態だったんだけど、bk1で買うだけ買ってたり。ざれこさんが読んでたのをみて買う気になったのは、だいぶ前ではあったんだけど。それも、梱包から出さないまんま(^^;ようやく手をつけたかと思ったら・・・あっという間に読み終わっちゃいました(笑)。い
| 本棚 | 2007/06/13 11:25 PM |
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