本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
<< January 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 読者大賞blog新刊本ベストに投票した。 | main | 「冷たい校舎の時は止まる」辻村深月 >>
# 「姑獲鳥の夏」京極夏彦
分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下 (講談社文庫)



毎月1作品京極堂を読むという目標を今年勝手に作り、
さて1月から、と思ったのに読めなかった今作品。やっと読んだ。
なんでこんなに敷居が高かったんだろう。すぐ読めるのにさ。

実は再読。初めて読んだのは大学の頃。
今は地方大学の理系学部の助教授になった才女の友達から当時借りて読んだのだ。
彼女はリアルタイムで買ってせっせと読んでいた。
ばりばり理系の人やったので、今思えば相当幅広く本やら文献やら読んでたんだろうなあ。
2作目まで借りたところで大学卒業で借りられなくなり、「狂骨の夢」は購入したが、
次の「鉄鼠の檻」がどんと分厚くて買う根性が無く、働きはじめたこともあって、
そこから読むのが途絶えていた。
最近は分冊文庫が登場し、費用はかさむが断然読みやすいので、また一から読もうと決めた。
あの弁当箱が好き、とかファンだったら言わないといけないんだろうけど、重いよ・・・。

大学時代に読んでた時は、「京極堂は徹夜で読む。」という謎の信念があり、
本当に読み終えて鳥がちゅんちゅん鳴いてたりしたもんです。
なんで徹夜かと言うと、一作目を読んでわかったのです。
「忘れないうちに最後まで読まなければいけない」ってことに。
最初、京極堂が延々喋っている蘊蓄は大変興味深いのですが正直長すぎるので、
これ、何よ、って思うわけです。しかしそこで読み流すと後で地団駄を踏むことになるのです。
もちろん内容を忘れるなんて、言語道断。なので一気に読んでたのです。
今や一気に読む体力も気力もないですが、今作品は2日で読めたし、
なるべくとっとと読むことにします。
それにしても分冊で4冊もあると、きついですけどねー。

と、思い出と余談ばかり書いていますが。これ、10年前に最初に読んだときは衝撃でした。
こんな本、読んだことないと思ったからです。
当時こんなミステリありましたっけ?私が読んでなかっただけかもしれないけど、
これだけ蘊蓄が多くてこれだけばかばかしい本、なかった気がするなあ。
キャラの個性度も当時群を抜いていた気がする。

でも、今再読すると、当時感じたような新鮮味はないんですよね。
蘊蓄とミステリの融合とか、単なるバカミスとか、探偵キャラがすんごいやつとか、
なんかその後に全部読んだしな・・・、なんです。
でも当時はむっちゃ斬新に感じた。ということは、いろんな意味で、
ミステリ界に新風を吹かせた、いろんな意味で先駆けだったんじゃないかなー。
ちょっとした転換点なんじゃないかなー。と、そこまでのことを感じました。
大げさかもしれないけど、まあいいや。

元祖バカミスなのは間違いないわこれ。
「嗤う伊右衛門」や「巷説百物語」をその後読んで、京極夏彦というのはほんますごい作家や、
と思っていたけど、このデビュー作だけ読んだら、この作家が直木賞受賞するなんて
ちょっと予想できないよねー。ってなくらい。いやあ、ますますすごい。

しかし、これだけ綿密に伏線はって計算し尽くされて、おおお、って思えてしまうけど
ちゃんとバカミス。本当に良くできたバカミス。この結末にこれだけ伏線はる必要有るのか。はは。
いや、だからこそ楽しいんですけどねー。
ザ・キング・オブ・バカミス。最高です。再読しても大好きです。

えーっと、褒めてますよ?誤解のないように。
B級映画を面白く作るのが大変なように、バカミスをちゃんと書くのも大変なのです。
ミステリとしてもエンタメとしてもきっちり成功してて、これだけ楽しませてくれたら、
別にトリックとかがばかばかしくてもどうでもいいじゃないですか。と私は思います。

京極夏彦と言えば今や妖怪業界の権威ですけど、今作品でも妖怪についての蘊蓄が
主流になって展開していきます。産女(ウブメ)の話、そして憑物筋の話。
まるで人間じゃない者達が事件を起こしてしまった、つまり祟りとか呪いとか、
そういう疑いが常に持たれる中、京極堂は言います。
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
根底に流れるそのコンセプトが私にはとても魅力でした。

キャラも強烈。
探偵役の京極堂のキャラも強烈ですけど、今回再認識したのはワトソン関口の個性。
ワトソン役ってまあ基本的に可哀想なもんだけど、この人可哀想すぎるって。
鬱病なっちゃってるし、ここまで心弱いキャラクターもなかなかいないよね・・・。
そんな関口の一人称までがこの作品の武器になっている。これもまたすごい。
榎木津や木場ももちろん強烈なんですが、今回(あれでも)あまり出番がなかった気がします。
あんなもんとちゃうやろ。今後に激しく期待。

あれ、全然話の内容書いてなかった。ま、いいか。(おい)
| comments(2) | trackbacks(2) | 16:33 | category: 作家別・か行(京極夏彦) |
コメント
ざれこさんこんにちは。私は京極堂の本を読むのは昼間って決めてます。何故なら夜中に読むと怖くてトイレにいけなくなるからです 苦笑 友達が皆ミステリ好きで、どうしても話しに入っていきたくて「怖いよー」って言いながら中学・高校の時に読んでました。それでも榎さんが主役のやつは比較的怖くなかったので、あのシリーズは好きです 笑
| みさと | 2007/02/15 7:10 PM |

姑獲鳥の夏は映画で観ました!
京極夏彦は、ルー=ガルーしか本では読んでないんですが、ルー=ガルー大好きで何度繰り返して読んだかわかりません。
読むたびに発見があるんですよ!
10代後半の時にたまたま手に取ったんですが、運命だと思いました!
何か、色んなモヤモヤがすっきりして、新しくモヤモヤができちゃったみたいな感覚です。
機会があればぜひ読んでみて下さい!
| ぺな | 2011/06/25 8:47 PM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.zare.boo.jp/trackback/643550
トラックバック
京極夏彦  姑獲鳥の夏
姑獲鳥(うぶめ)の夏 京極 夏彦 昭和27年夏、東京・雑司ヶ谷の医院にまつわる奇怪な噂が流れる。娘が20ヶ月も身ごもったままでその夫は密室から失踪したというのだ。文士・関口がこの噂を手土産に京極堂の元へ訪れる・・・ 1ヶ月に1冊ずつ読んでいくという京
| マロンカフェ 〜のんびり読書〜 | 2007/02/15 12:03 PM |
Get Moneyで小遣い稼ぎ!
これはとっておきのお役立ち情報です☆意外と知られていない情報なのですが、めちゃ簡単に、確実に月3~4万円位のお小遣いを稼ぐ方法があるんですよ。月10万とかは無理ですが、着実にたまるので馬鹿に出来ません!GetMoneyは、メールを読んでクリックしたり、無料会員
| 暮らし情報|幸せな暮らしを支えるサイト | 2007/02/21 12:56 PM |
NOW READING
ざれこの今読んでる本
Selected Entry
Categories
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Profile
Search this site
Sponsored Links