本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「図書館内乱」有川浩
図書館内乱
図書館内乱
  • 発売元: メディアワークス
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/09/11
  • 売上ランキング: 4487
  • おすすめ度 4.0


図書隊のピンチ?聾唖者がヒロインの本を聴覚障害者に薦めたという罪状で
小牧教官が捕まった。図書隊は全員熱く動揺。乙女の恋心は勝てるか?
その他、笠原郁の過保護の両親がやってきての騒動や、柴崎に言い寄る男出現?
手塚の兄も出現?しまいには笠原が査問に?と、息つく暇も無い図書隊の
てんやわんやを連作短編でお届け。

「図書館戦争」に激しくはまった私、次は内乱である。
うちの図書館もいい仕事をしてくれて、比較的スムーズにやってきた。
そして、2月10日には「図書館危機」発売。
いいタイミングだ。待ってました。

前回よりいろんな意味で落ち着いて読めた。前回はあれよ、堂上教官に激しく反応し、
私の中では速水真澄かベルばらのアンドレか、ってなくらい夢中になってしまい、
「も、もしやこれは恋・・・?」てな勢いだったのだ。落ち着いて読めるはずがない。
だけど今回はその気持ちは少し沈静化。好きには変わりないけれど、第三者的まなざしで
読むことができるようになりました。若い二人は青春やのお、良いのお、みたいな(じいさん?)

今回は、各登場人物それぞれにスポットが当てられてたからかもしれない。
鈍感な堂上と郁のイライラする恋愛模様はひとまず置いておいて、その周辺の
個性豊かな面々の一人一人が、普段どんな風に考えてるのか、
そして、郁や仲間にどんな思いを抱いてるのか。そんなことが細やかに描かれて、
明らかに前回より作品のレベルが上がってる、と私は思いました。

単に私が冷静に読んだからなのかなあ・・・?うざめの郁(失礼)の出番が結果的に減って、
彼女やメンバーの喋りも落ち着いて、無駄なトークが減ったのも要因か。
とにかく、2作目でトーンダウンする作品もある中で、これだけモチベーション保って
エンタメやれてるんだから、これはすごいことです。

最初はあまり関係ない各自のエピソードがつらつら描かれる形の連作短編かと
思っていましたが、最後に向けて徐々に全てのエピソードが収束していく、そのやり方が
すごくうまいと思ったし、ぞくぞく読み進められました。一気読みです。
「図書館戦争」では軽めの評価でしたが、ここにきてこのシリーズの評価は
ワタシ的にはどんと上がりました。

特に柴崎の章が印象的でした。美人だから人に言い寄られる気持ちはわからないけど、
人に壁を作ることで人との付き合い方を身につけて、今じゃ外交術は郁の比じゃないけど、
その分誰にも本音を吐けないでいる。なんか大げさだけど、少女が大人になっていくって
確かにこういう部分もあるよな、と、自分としても共感できる部分があって。
もう全力では人とぶつかれない。でも郁はいつまでも子どもで、いつまでもぶつかってくる。
うざい郁の魅力が柴崎視点で始めてわかった気がしました。いいやん、郁も、柴崎も。

もちろん小牧教官いいですよー。堂上がかすんだのは多分彼のせいです。ステキー。
小牧教官と毬江ちゃんの章は、小牧教官ステキ、胸キュン(死語)で終わらない、
いろんな問題をはらんでいて、しんみり読んでしまいました。
「聾唖者を差別するな」とかって声高に叫ぶ人が一番、誰かを差別している、そうなんですよね。
彼らがこう思ってる、だから差別だ、って勝手に決めてる人たちの傲慢さ。
小牧教官はでも、毬江ちゃんが普段何を思っているのか、それをちゃんと知っていて、
彼女を守ろうとして・・。いやいや、いいですね。やっぱり胸キュンですね。いやいや。
しかし胸キュンとか言うな、ですね。あいたたたですね。

胸キュンと言ったら(まだ言うか)
堂上教官は郁の頭なですぎで、会話は全て告白ごっこかお前ら、って内容ばかりで
(端で聞いてたら異様に恥ずかしいが、本人達はお互い告白しあってる意識はない)
おまえら鈍感もたいがいにしろ、20代後半でその鈍感さは罪やぞ堂上。とか、
いやあもう突っ込むところたっぷりで、面白かったー。堂上に恋しちゃってておかしくなってた
前回では気づかなかったが、ツッコミどころ満載ですやんか。くはは。あほかこいつら。
そして終盤では大変なことに・・・・!
いやあ、「図書館危機」読むまでは夜も眠れないね(寝てるけど)。楽しみです。

余談ですが、図書館員が載せてる「一刀両断レビュー」が問題になってる章があって、
誰かが気に入っている本をけちょんけちょんにけなしているレビューって、
その人まで傷つけてる、だから許せない、と郁がわめいてるのを読んで、
私も確かにばっさり切り捨ててるレビューをここにも書いてるなあ、悪いことしたかなあ、
でも私の好きな本もあちこちでばっさばっさと切り捨てられてるのを読んでるしなあ、
お互い思うところが違うというのはいけないこと?とか、いろいろ考え込みました。
今度から「節度ある一刀両断」を目指します(おい)。
| comments(3) | trackbacks(7) | 21:14 | category: 作家別・あ行(有川浩) |
コメント
一作目にくらべ、ずいぶん人間が書けた作品になったと思います。
同じく一刀両断に伐ってしまうブロガーの身としては、ちょっと耳に痛かったですね。でも、「個人」は自由に意見を述べてもいいのだと思います。ただ、読む人の気持も慮るようにしなければと、反省させていただきました。お互い頑張りましょう!(苦笑)。「危機」楽しみですね。
| すの | 2007/02/10 10:59 PM |

私もさっき読み終わって、こちらを拝見(笑)
そうなんですよ、堂上教官、郁の頭触りすぎ! と突っ込んでおりました。
そして、小牧教官と、毬江ちゃんの章は胸キュンでしたよ〜。
そうだ、女子をなめるなよ!と興奮。
ホントに、前作よりレベルアップしているのがコワイです(いい意味で)。
とりとめのないコメントで失礼しました〜。
| ふりすか | 2007/02/11 10:44 PM |

辻村深月さんの“ぼくのメジャースプーン”にコメントさせていただいたkazumiです。

図書館シリーズ良いですよね。
胸がキュンキュンして、少女漫画をまとめ読みしたくなります。

会社の同僚もまわし、給湯室などでキャーキャー女子高生のように騒いでいる今日この頃。
最近はドラマ化理想のキャストまで想像しています。夢中です。

図書館危機も読了したのですが…

最近、友人に「オススメの本は?」と尋ねられると、有川浩・加納朋子・辻村深月・三浦しをんなど女性作家ばかり薦めてしまう今日この頃。

友人にも、このブログを薦めています。

これからも、感想楽しみにしています。
| kazumi | 2007/02/28 11:51 PM |

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