本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「いつか、僕らの途中で」柴崎友香・田雜芳一
いつか、僕らの途中で
いつか、僕らの途中で
  • 発売元: ポプラ社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2006/02
  • おすすめ度 3.5


芥川賞候補になった柴崎友香をまた読んでみようと図書館に出向き、
綺麗な装丁だったので手にとった本。全ページが田雜芳一さんの美しいイラストで
占められた、オトナの絵本のような本だ。

京都の大学を卒業し地元の山梨で教師をしている青年と、
大学で彼と一緒にいて、今は京都の大学の院に進んで勉強をしている女性。
彼らの往復書簡とイラストで綴られる、1年。

いやあ、これはぐっときました。ピンポイントで。ちょっと泣きそうでした。
遠く離れたところにいる大事な人、彼に手紙を届ける。日常的なことばかり、
例えば桜は咲きましたかとか、山に雪が残っていますとか、そういうことが書かれてるんだけど、
自分が日常で大切に思っていることを、手紙にして相手に届けたい、
そんな想いがあふれ出てくるようだった。
めったに会えない二人が、淡々と文章をしたためつつも、ふとお互いへの想いが
にじみ出るような文章になってしまったり・・・、日常からふと立ち上がる想い、
それを繊細に絶妙に表現する柴崎さんの文章、そして見ているだけで気持ちが
立ち上ってくるような柔らかな温かなイラスト。すごくステキな本でした。
イラストだけ見てたらまた違うドラマが見えてきたりして・・・。そういう仕掛けも
すごくステキ。図書館で借りちゃったけど、ちょっと欲しかったかも・・・。

で、なんでピンポイントでやられたかというと、昔の友達を思い出したから。
大学の時に仲良かった男が東京に就職しちゃって、それでも電話を月1くらいで
せっせとかけたりして(その人は忙しくてメールがほとんど見れなかったから)、
かけたらお互いのどうでもいい近況をいつも1時間くらい、ずーっと話をしてたんです。
それがずっと続いてたんだけど、私がそいつに惚れてしまったので、
「どうしよう、つきあうことになったら東京に行かなきゃ、私」とか勝手に思い詰め、
でもダメなのはなんとなくわかっていたのに、つい言っちゃったのだよね。
もうそこから一気にダメになって、すごく優しい人だから振ったあともしれっと
話したりできなかったみたいで、一瞬本当に気まずくなってしまって、
今は私の気持ちも収まったので気まずくはないけど、疎遠になってしまって。

なんであのとき言ったかなあ、と今でも後悔は少し、してます。
あれだけ遠くにいながらあれだけ連絡して、あれだけいい関係を築いてたのに、
恋愛というのはくだらないものですな。
幸せって、目の前にあると気づかないものなのですね。(お、なんかカッコいいやん私)

ま、それはともかく、ま、私にとっては「○○くん、元気かな」って遠い目をするような
本だったわけで、それでちょっと涙腺刺激されたりしたわけです。乙女時代よ、再び。

誰か大事な人がいる人、いた人、そんな人は染みるんじゃないかと思います。

柴崎さん、もっと読まなくっちゃ。




| comments(0) | trackbacks(1) | 22:44 | category: 作家別・さ行(柴崎友香) |
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「いつか、僕らの途中で」柴崎友香 田雜芳一
いつか、僕らの途中で柴崎 友香、田雜 芳一 他 (2006/02)ポプラ社 この商品の詳細を見る 山梨の高校で教員をしている男性と、京都の大学で修士二年目の女性が、遠く離れた地で手紙のやり取りをする。四季によって変わるさまざま
| しんちゃんの買い物帳 | 2007/11/23 5:22 PM |
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