本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「図書館戦争」有川浩
図書館戦争
図書館戦争
  • 発売元: メディアワークス
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/02
  • 売上ランキング: 18540
  • おすすめ度 4.5


今まで読んでいなかったのが不思議なくらいの話題書ですね。
やっと読みました。だって図書館予約してもなかなか回ってこないんだもん。
やっと届いて、読み始めたら一気読み。面白かった〜。

メディア良化法がいつのまにか施行されてしまった日本。図書の検閲が激しくなり、
そんな中図書を守ろうと図書館法が改められ、メディア良化委員会と図書館との闘いが始まる。
武装した図書館。関東図書隊に入隊した笠原郁は、高校の時に自分と大事な本を
検閲から救ってくれた王子様に憧れて、図書隊の防衛員を希望していた。
彼女にやたらきつく当たる堂上教官との喧嘩は絶えない。落ちこぼれのはずの郁は、
何故か図書特殊部隊、エリート部隊に配属されることになる。
そこには堂上とその友人小牧、そして超優秀で性悪の同期の手塚。
郁はとりあえず堂上を超えて、いつか王子様に会えるように精進するのだが・・・
細かい設定には目をつぶりました。(気になったことは最後に書きます)
その上で、とても面白かった。設定とか世界観とかいいんです、この本は。
これは少女漫画なんです。断言。だから面白いのです。

あの少女漫画の名作「ガラスの仮面」の北島マヤと、速水真澄の関係そのまんまなんですよね。
仇と思っていた相手は実は・・・なんですよ。もうそんなの最初っから
読者にはわかりきってるわけで、なのに気づかないのは主人公のみ・・・。
本気であほなんちゃうか、と普通に突っ込みましたが、
いや、その気づかない感じが少女漫画で、またいいのですよ。

堂上のひねくれた熱血キャラがまた、私の好みどんぴしゃりなのです。
泣いてる郁に「俺の肩を貸してやる」ってあんた・・・・・・・。なんてくさいんだ。痒いのはお前だー。
と、悶絶しまくって読んでいたのですが、でも一見厳しくていざというとき優しい男って、ツボだなあ。
昔読んだたくさんの少女漫画でもたくさん出て来たキャラでしたが、いやあ、好きでしたね。

単純で純粋でまっすぐですぐにぎゃーぎゃー騒いでひと悶着起こす慌てモノの主人公、郁は
正直うざかったですけど、少女漫画の主人公ってだいたいこんな感じだよな。
実際どこにもいないけど(少なくとも、友達にはいない)。こんな女どこがいいんだろ、って
時々思いながら読んでたが、まあそれでも根性はあるからね、この女。
すぐ泣いてうざいけど(やっぱりうざいんやん。)

手塚がまた、いるんだよね。こういう伏兵は必要なんですよ、少女漫画上。
つまり桜小路くんね。ちょっかい出してくる第三者的男がいるのよね。
でもこの手塚は私の予想を上回るバカで、最終的にいい感じの立ち位置をキープ。

あとキャラとして要るのはライバルの女と主人公をわかってくれてる友人、なんだけど、
柴崎がそれをかねているような感じでしょうか。食えないねこの女。好きだな。
あと小牧教官がちょっとどう転ぶか読めないなあ・・・。
とりあえずは堂上の理解ある友人の位置。いいキャラクターですね。

続編も非常に期待できるところで終わってくれてるので、先が楽しみですね。
ええ、これは少女漫画なんです。いいんです、ストーリーは(おい)
彼らの恋愛模様さえ追えれば私は満足だ。少女漫画万歳、ベタ万歳。
堂上がこれからどうするのか、いやあ、楽しみです。

SF的設定ですが書きっぷりは軽いですねー。今時というか。
ライトノベルってこんな感じかー。と実地体験したような気分でした。

しかしね、正直、設定にはたっくさん疑問点はあるんだよねー。

いきなり「マンガは検閲がゆるい」ってあって、マンガの方がよっぽど公序良俗にひっかかるやろ、
それでええんか、って突っ込んでしまって、そこからは「深く考えるな私。」とストッパーかけて、
それで楽しんで読んだんだけどさ。一晩あけたらやっぱりツッコミたいー。

言語統制っていけないことだし、思想の取り締まりは、江戸時代だったら安政の大獄とか、
戦時中でも治安維持法による鎮圧とか、教科書の黒塗りとか、歴史的にたくさん前例がある。
でもね、あれって「幕府への反対勢力」とか、「戦争反対につながる文書」とか、そういうのを
統制する意図があるわけで、政治的なものだと思うんですよね。
本の取り締まりは、政治的なある思想を全うするための一つの手段であって、
ただ「図書を統制する」ことが最終目的となっているメディア良化法とは一線を画する。
青少年の健全な育成、とか大義名分はあるんだろうけどさ、
そのために戦争やってどんぱちして人を殺してたら本末転倒じゃない?
なんか、本をそこまでして検閲する強い動機が見当たらないのが気持ち悪いのよね。

それにさあ、検閲されて流通できない図書を保管して貸すのが図書館の役目らしいけど、
そもそも流通しないとわかってる本は出版社は発行しないよね。
法が出来た頃なら、「俺は誰がなんといってもエロ本を出し続ける!!」なんて社長がいても
おかしくないと思うけどさあ。
もう何十年もたってるって設定だし、政治的思惑があるなら反対している思想の
書物を出そう、守ろうって動きはわからなくもないけど、そうじゃないんだから、
普通は検閲にひっかかる本そのものが消えててもおかしくないと思うんだけど。

だってさあ、某売れっ子作家が
「わしは和服の人妻を脱がせてあんなこともこんなこともしたいんじゃ」
なんて言ったとしても、そもそもそれが流通すらしないのに、
「先生、その心意気は素晴らしいです、売れなくても出しましょう!」なんて言う
豪気な編集者いると思う?ま、そんな本出なくて良しだし、
そんなんばっかり集まってる図書館だったら相当興ざめ。

それに一番感じた違和感は。「世間はそこまで本のことを考えてくれてないよ・・・」
ふと思っちゃったんだよね。自意識過剰?本を読み漁ってる私としたらここまで守ってくれたら
そりゃ嬉しい、図書隊は応援したいよ。でも、本読み人口って、そう多くないよね・・・。
子供達も、検閲がゆるいマンガを読むよね、普通・・・。とか、つい醒めた目で思っちまった。
いつも少数派でいる読書人の私の僻みでしょうか?

でも、私たちの大事な本を守ってくれている図書隊には共感できました。
何を読んだって自由だし、それをどう解釈してどう自分の人生につなげるか、
そんなのも読む側の自由です。そして、読む側をもっと信頼してほしい、
「バトル・ロワイヤル」読んだからって人を殺す子どもばかり出てるわけじゃない、
(私はバトロワで命の強さ、大切さを知りました)読者を信用してほしい。
そんな主張にはとても共感できました。

少なくともこんなところでは生きていたくないなー。
出回ってる本、ことごとくつまんなさそうだもん。文部省推薦図書だらけ?うざいよね。
ほんま、好きな本を好きに読んで好き勝手なことを思っていたい。

頑張れ、図書隊。そして頑張れ堂上。
次回からも堂上の言動に集中して読みふけりますよ。私は。
| comments(5) | trackbacks(12) | 22:45 | category: 作家別・あ行(有川浩) |
コメント
こんばんは。
こちらの記事にTBさせていただきました。
なるほど、冷静に考えるとツッコミどころ満載ですね…(^-^;
しかしまぁ、オハナシとして単純におもしろかったですね。
自分の中で化石になってしまっていた『ヲトメゴコロ』を発掘された気分です。
| Rutile | 2007/01/16 10:52 PM |

あともう一歩で化けそうなところで、化けきれないもどかしさを覚えつつ、かなり嵌りました。
二作目のほうが人間が描けているので、ぜひ読んでみてください。
ただ、だらだら続いて欲しくはないなぁ・・。
| すの | 2007/01/16 11:07 PM |

Rutileさん
これだけツッコミどころがあるのに面白いってのも珍しい本で(笑)、とっても楽しめました。
そうそう、私も化石になった乙女心を掘り起こして水をかけてやりましたよ。そんな気分です(笑)

すのさん
すのさん辛口かと思ったらお気に召しましたか。すごいなー。でも面白かったですもんねー。ベタ万歳。続編の方がいいとの声も高いですね。是非読んでみます。
三作目で終わりなんでしょうか?これを5冊とか読まされたら確かに私もうんざりするなあ、とか思います。3冊で充分かな。
| ざれこ | 2007/01/17 1:03 AM |

いつも拝見させて頂いてます。
やっぱりラノベでしたか……

読むまい。

| U2スケ | 2007/01/18 1:00 AM |

U2スケさん
いえいえそんな断言されても・・・。ラノベっぽかったですけど、面白かったですよ?ってフォローになってないか。
ちょっと責任感じるけど、無理強いはできないですもんね・・・。
| ざれこ | 2007/01/18 1:14 AM |

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