本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「熊を放つ」ジョン・アーヴィング 村上春樹訳
オンライン書店ビーケーワン:熊を放つ 上巻オンライン書店ビーケーワン:熊を放つ 下巻

のちに「ガープの世界」で全世界的作家となったジョン・アーヴィングの処女作。
表紙がなかなかかわいらしく、かつ、村上春樹訳なので、翻訳苦手な私でも
すいすい読めるかも、と選んでみた本。

予想に反して前半はなかなか読めなかった。上巻を読むだけで何日かかったか。
もう読むのやめようとまで思った。
ウイーンの大学生のジギーとグラフ、がある日出会い、バイクでふと旅にでることを思いつく。
ふらっと入った動物園、そのあと様々な人と会っていろんな出来事に出くわし、
ジギーは犯罪者扱いされて逃げ出したりするんだけど、
その前半のエピソードが読みづらくてねえ・・
村上春樹訳が悪かったとは思わない(いや、むしろ合ってた)が、
処女作にありがちな気負い、みたいなんが原作にあったんかもしれないなあ、と
今となっては思うんだが。

しかし我慢して読んでいたら、第2章、ジギーのノートブックを読むところになって、
俄然面白くなってきた。

第2章ではジギーがとんでもない計画(なんと動物園襲撃)のために
動物園に忍び込んだ時のレポートと、ジギーの自伝(両親の自伝からはじまる長大なもの)が
交互に現れる構成になっている。
またジギーの家族達が何しでかすやらわからない変な人たちばかりなんだけど、
両親がいたころはちょうど第二次大戦、
オーストリアはナチスドイツと併合される憂き目に会ったり、
ユーゴの争いに巻き込まれたりして、彼らたちも数奇な運命を辿っている。
それと動物園での警備員の奇怪な行動とが交互に語られるわけだけど、
何故ジギーがわけのわからない動物園襲撃なぞを思いついたのか、伝記を読めばほんの少し、
思い至るところもあったりして、彼という奇妙な人物像を語るにふさわしい第2章。

で、実際それを読んで感化されまくるグラフが、最後に起こした行動とは?な第3章。
動物園襲撃はどうなったのでしょう?それはネタバレなので隠すが、
このラストシーンは私はけっこう好きやな。

よくも悪くも「青臭い」小説。
「なんでそんなことするの?わけわからん」なことを
主人公達は何の疑問も感じずやってしまうわけだけど、
でもそういう衝動ってあるような、わからなくもないような気もする。そんな感じ。

戦争のことがたくさん書かれていたけれど(知識不足でわからないことも多かった)、
けして説教臭い小説ではない。 「何故か、動物園襲撃。」な小説です。

動物園、戦争と連想して「ねじまき鳥クロニクル」を思い出した私。
訳者の村上春樹にもなんか影響を与えているのか、単に似た作家なのか。

同作家の名作と言われる「ガープの世界」もちゃんと手元にある。楽しみやな。
| comments(0) | trackbacks(0) | 04:35 | category: 海外・作家別ア行(ジョン・アーヴィング) |
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