本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「コルセット」姫野カオルコ
コルセット
コルセット
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2006/09/21
  • 売上ランキング: 94559
  • おすすめ度 4.0


ロンド形式、らしい。1話目の最後が2話目の最初とつながり、どんどんつながり、
最終話の最後も1話目の最初とつながる。
その形式のせいで、2話目の最初に行ったときに「あ、長編?」と一瞬思ったが、
連作短編と言った趣だろうか。主役が代わりながらくるくる回る、そんな短編小説集だ。

姫野さん、やらしくなったよなあ、と、最近はしみじみ思う。
初期作品で好きな作品「受難」とかでは、放送禁止用語は頻発していてぱっと見は
すっごい本なんだけど、エロさが全く感じられない、言葉だけエロいけど、
むしろ潔癖な、頑なな雰囲気が漂っていた。と言ったらあの抱腹絶倒な作品には
合わないかもしれないけど、でもそう、姫野さんは頑なだ。潔癖だ。
私はずっとそんなイメージを持ってきた。

でも、「ツ、イ、ラ、ク」あたりから、姫野さんのいやらしさは加速する。
これは女だからよけい思うことやとは思うけど、そこらの男性作家が書いたエロっぽい
小説よりか100倍エロいね。圧倒的やね。
はい、そして今回の「コルセット」もエロいのです。特に第一話のエロさは際だってる。

でもこれは、姫野さん独特の頑なさからにじみ出てくるエロさかな、って気もするのだ。
だってね、バニーガールはエロくないわけよ。太もも丸出しでもね。
でも貞淑な和服の婦人がちょっと脚見せたら即エロいんでしょ、某W氏じゃないけどさ。
なんていうか、頑なな人が一瞬放出する何かがエロさの源なんだと思う。

あ、すいません、エロブログじゃないので、スルーしないで下さい。
ここはれっきとした読書感想ブログなんです。すいません。

続けます。

出てくる人達はいわゆる上流階級の人達。何世代も会社をやってたりお金を持ってたりして、
結婚する時はお互いの家のためにやることが当然、と、何の疑いもなく思っているような、
そんな人達がたくさん出てくる。恋愛結婚でない結婚生活は、何らかのひずみをたくさん
持っていて、そこの奥様たちが一瞬の恋に落ちる。・・・エロくないわけないよね、この設定。

中の下階級の私には、共感できる主人公はいなかった。正直。
姫野さんもあとがきで書いてたけど、「他人事と思える人達」だ。
なんか、いつもより距離を置いて読んだ気がする。

第一話は、夫が性的不能な妻が、夫にあてがわれた男達と一晩過ごして、
その様子を夫に話しながら夫が再現する(ある一つの行為を除いて)という話で、
夫も、妻が他の男と会ってる間に、なんと狩りに行くのだ。そして、ウサギを捕まえたりして、
料理して食べる。かわいい毛皮を剥いで、肉を焼いて、美味しくもないウサギを食べる。
肉とか血とかそういうイメージと官能的なイメージが混ざり合う。すごい世界だ。
男の象徴でもある狩り。そして、妻は他の男と寝ている。理解しがたい倒錯。
しかし、すごく官能的だったのだ。とにかく。

妻はそして、恋をする。夫に内緒で会っている藤沢さんに。彼はとても若い。
初めて、好きだから誰かと寝る。好きな人とともにいられるその官能が、何よりも優る。
そんな日々。

なんだか夢の中にいるような気持ちで読んだ。幻想的で退廃的で、夢のようだったのだ。
全作品に共通して出てくる「藤沢さん」、同じ苗字だけど別の男性なのだが、
彼らがみんな同じように呼ばれているのも、変に幻想的で、主人公と藤沢さん以外には
名前がない。×さんとか、Pちゃんとか、そんな呼び方をされる。
朝起きて、誰々さんが出てた夢を見た、と思い出すときのような、でもその時には、
他の人のことはその他大勢としか覚えてなくて、その人の顔だけがよみがえるような。
恋とかいうのはそういうもんかもしれない。

些細なこと、例えば左のまぶたが二重になっていなかった、といったことに
藤沢さんと会った後に気づく女子高生が印象的だった。
「まぶたが不揃いなのがそそる」最後に藤沢さんは言うのだった。
美しくありたい、女でありたいと思う女性と、魅力に気づける男性、・・・私は少しくらっとした。

コルセットに締め付けて隠された女の性が、「藤沢さん」の力でふと解放されるような、
上質で退廃的なエロさが漂う、なんていうか、女の本だ、よくも悪くも。
頑なで潔癖なはずの姫野さんが隙間から見せるその感覚に私は酔ったのだった。

ちょっと気が早いが、直木賞受賞なるか、と勝手に思って読んだ。
「受難」ですら候補になれたのだ、これだって候補にはなるだろうな。格段にうまいもの。
でもなあ、これで受賞してしまうのも、なんか姫野さんらしくないというか、違う気もするなあ。
「受難」や「不倫(レンタル)」を書いていた頃の姫野さんの像が、私の中では
未だに抜けずにいるので。本質はでもきっと、変わってないのもわかってるんだけど。

なんで「受難」であげなかったのかなー。直木賞、激しく見直したのにな。
| comments(2) | trackbacks(7) | 08:55 | category: 作家別・は行(姫野カオルコ) |
コメント
なんだかミッチリとこの世界に浸ってしまいますよね。
女の人が書くからなのか、エロいんだけど気持ち悪さが全くないのが不思議でした。
| なな | 2006/12/01 10:03 PM |

http://defki.tripod.com/71500.html
| 204221 | 2007/09/14 7:42 PM |

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コルセット [姫野カオルコ]
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