本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「フォー・ディア・ライフ」柴田よしき
フォー・ディア・ライフ
フォー・ディア・ライフ
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 750
  • 発売日: 2001/10
  • おすすめ度 3.5


柴田よしきさん、初です。これだけ本を読んでるのに、何故か読んでなかった柴田さん。
だってたくさん出されてて、どこから手をつけていいかわからなかったのさ。

職場で「こないだ保育士探偵がドラマになってさあ、高橋克典でさあ」
って先輩が言い出して、「へ?保育士探偵?男?」と目を丸くしてたら、
「読んでへんのん、柴田よしきのシリーズ。かしたるわ」と約束してくれ、
で、つい最近2冊まとめて持ってきてくれたのでした。
ドラマの原作はたぶんシリーズ3作目かな?これは1作目です。

どうやら女刑事のシリーズともリンクしてるうえ、
「山内っていう脇役が主役になった別の本もあるけど、あれがええのよ・・」と
熱く語られ、こりゃいきなり積読(しかも貸し出し本)が大量に増えそうな予感。
しばらく柴田よしきにはまるかも、な私。つうか借りた本は返さないと。
で、そんなこんなで読み始めたこの本、分厚いので最悪3日かかるかな、とか
思っていたのに、あっさり一晩で読み終わってしまいました。面白くって一気読み。
あらら、今まで読んでなかったのに、これは大変なことをしてたのね。

新宿2丁目で無認可保育園(24時間営業)をやっている花咲慎一郎、通称ハナちゃん。
保育園には新宿で働く女たちのわけありの子どもばかり、
国籍がない子もたくさんいる。そんなわけで格安のこの保育園は年中赤字だけど、
ここをある女から引き継いだハナちゃん、辞めるわけにもいかないし、
探偵業を平行してやって、金を稼いでは保育園の資金にしている。
次の仕事はヤクザ事務所からガキを取り戻すこと、保育園のクーラー代金の
足しにしようと乗り込んでは殴られ、ヤサを荒らした高校生のガキを取り返したり、
次は行方不明になった社長の娘の捜索も任され、
保育所の運営もしないといけないし、寝る暇もないハナちゃんだったが・・。

余談だが、本当にハナちゃんがいつ寝ているのか、私はそれが心配で
何げにデータを取ってしまった。最初は30分で起こされ、そこから寝た形跡がなく、
やっと4時間くらい寝た日があって・・・、と、本当に彼はほとんど寝てない。
それでこれだけ動き回ってんだから不死身だよな。
ま、探偵モノのミステリには、よくあることだ。
作品中ずーっと38度以上の熱出してたおっさんが主役の話とか、昔読んだしなあ。
なんてほくそえみつつ読んでしまった。ま、ハナちゃんはまだ34歳だからね。

そんなハナちゃんの過去が小出しになって出てくるので、ページを繰る手を止められない。
探偵をやってるくらいだし、元刑事なのだが、どうやらヤクザにも恩を売ってるらしい。
刑事時代に彼は何をしたのか?が、途中で明らかになるんだけど、
と思ったら事件はどんどん進行していて、またページを止められない。
こりゃ一日で読んじゃうわけだ。長い本なのにたるむところがなくって、
次から次へと出てくる謎にひっぱられてどんどん読んでしまう。うまいなあ。

事件は大きく2つ、社長の娘失踪と、ヤクザのヤサを荒らして命からがら逃げたガキが
また新宿に舞い戻りうろちょろしていること。
一見関係なさそうなこの2つの事件がある一人の人物によってつながっていく。
その引っ張り方はやっぱりすごくうまいな、と思った。
最後の最後はちょっと先が読めてしまったけど、先が読めるということは
しっかり伏線をはってあるということだし、しっかりストーリーを構築してて、
読者はそれにのってジェットコースターみたいに浮き沈みを楽しんでいればいい、
しかもこのジェットコースターは絶対落ちないし。みたいな安心感があった。
変な例えだけど。

しかし、なんつうか、あんこもクリームも栗もいちごもゼリーもアイスも
コーンフレークも、これでもか、と載ってるパフェを食べてるような小説。
てんこもりだよなー。あんな問題、こんな事件、全部どかーんと載せてて、
でも味は悪くない、しっかりまとめきってるってんだから、
この作家の力量が知れようというもの。すごいわ。さっきから変な例えが多いけど。

出てくる人たちが全員個性的かつ人情派で、なんだかんだでいい奴らばかり。
保育士たちや預けているお母さん達や子どもたち(可愛いし泣けるわ)は
言うに及ばず、ヤクザでさえね。
ハナちゃんが関わっている女たちにはちょっと癖があるかなあって気はしたけど。
どんなヤバイ患者も治してくれる奈美とハナちゃんの関係とか。
奈美は男気があってすごいカッコいいけど、過去のしがらみからまだ解けきってない、
そんな哀しさが漂ってて、罪を感じているハナちゃんとの関係はけっこう辛いかも。
でも理沙がいるから大丈夫なんだよねえ。もてるよな、ハナちゃん。さすが。
登場人物たちが生き生きとステキなので、次回も楽しみです。

で、ものすごく綺麗なヤクザ、山内も出てきました。
先輩が語るときに何故か遠い目をしていた、
「山内っていう脇役が主役になる番外編」がやけに気になってきたので、
シリーズ読破を目指して精進します。女刑事シリーズも読まないとな。
| comments(6) | trackbacks(5) | 12:25 | category: 作家別・さ行(柴田よしき) |
コメント
柴田よしきさん 初読みとは!意外でした。

いろんな引出しをお持ちなので
積読の山もずんずん高くなることでしょう。

| ふらっと | 2006/08/05 5:22 PM |

こんばんは!
ドラマになっていたんですか?知らなかった〜〜〜(>_<)
好きなシリーズなのです!
危険な男と知りつつ、山内に惹かれてしまいます(笑)
| エビノート | 2006/08/05 11:48 PM |

「たら本」から流れて来て、こんにちは。
ハナちゃん、いい味出してますよね。
彼の満身創痍っぷりが素晴らしいです。
話の展開も、確かに
>あんこもクリームも栗もいちごもゼリーもアイスもコーンフレークも、これでもか、と載ってるパフェを食べてるような
親の敵でもこれほど念は入れないだろうってくらい
あれこれとてんこ盛りなのに、
それが気持ちよく収束していく。
小説のハリキリ主人公には通常あまり惹かれないのですが、
ハナちゃんは例外的に好きですわ。
| 菊花 | 2006/08/06 8:44 PM |

ハナちゃん、読まれましたか〜♪
うんうん、ホントにてんこ盛りでしたよね〜♪私も好きなシリーズです。なのにまだ3作目を読んでいない。
ざれこさんの記事を読んで、あ〜、そういえば山内練の『聖なる黒夜』もまだ読んでなかったな〜と思い出したのでした。こちらは、読むのにちょっと勇気が要るのよね。
でも、そろそろまた会いたいな〜(*^_^*)
| そら | 2006/08/06 10:40 PM |

ふらっとさん
そうなんですよー。また柴田さんで積読が増えそうで怖いです。たくさん書かれてますものね。

エビノートさん
2時間ドラマになったみたいですよ。私は観てないですけど。山内がイメージが違う、と見た人が怒ってました(笑)

菊花さん
そうですねえ、私も強くておせっかいなヒーロー像は苦手ですけど、ハナちゃんはいい感じです。保育士だからかなあ?

そらさん
そう、『聖なる黒夜』が面白いらしいですよね。ハードらしいですけど、いろんな意味で(苦笑)。私もそこまで早くたどり着きたいです。
| ざれこ | 2006/08/08 12:07 AM |


こんばんは。
はじめてコメントします。

この人の「ワーキングガールズ・ウォーズ」という本も面白いですよ。
私は本の内容を説明するのがあまりうまくないので、内容のことはなにもいいません。まずは是非読んでみてください。

柴田さんの本ははじめて読みましたが、こんなにいい小説を書く人がいたなんて!

自分では結構知っているつもりでも、知らなかった・・・
本の世界は広いですね。
こちらでは日々勉強になっています。



| あかね | 2010/12/21 10:30 PM |

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◎「フォー・ディア・ライフ」 柴田よしき 講談社 1,800円 1998/4
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