本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「そろそろくる」中島たい子
そろそろくる
そろそろくる
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2006/03


いや、感想書きづらいねえ、これ。
ぶりっこするかおばちゃんと化すか、で全然違うやん?
ぶりっこして、「PMSってご存知ですか、えっとぉ、ネットで調べてくださいね、
これはPMSのお話で、女の人しかわかりづらいかもしれません」なんて
書いてもいいけど、あんたそんなキャラかと言われたら黙るしかないし、
でもだからってPMSの解説を延々とするのもさ、なんかね。
「今日生理やねん」って職場で男性に堂々と言う女の人って、ある意味セクハラやん?

あ、そうか、引用でもするか。
PMS「月経前症候群」引用元はこちらです。
月経前7〜10日頃から身体的、精神的に不快を感じるようになり、月経が始まると共にその症状は消失するといったものです。
原因ははっきりとは分かっていませんが、月経に伴いホルモンバランスが崩れるためにこのような症状が起こるのではないかと考えられています。
私ってこれなんだよねえ。1日前は頭がんがんしてますけど、
3日くらいまえからプチ鬱です。かろうじて会社は行きますが、
それもちょっと頭痛かったら「休んじゃおうかなあ」って朝からもんどりうつし、
休日予定はあっさりドタキャンしてしまう。飲み会とか。
もう、行かない方向でしか考えられへんねん。頭がネガティブ一色で。
誰かに会って飲んで喋るなんてありえへんの。人と会うのが億劫で億劫で。
私なんか行っても誰も喜ばへんし、私嫌われてるねん、って素で思ってる。この時期。
友達なくすよなあ、ってあとになったら思うけど、しゃーないねん。
ここの登場人物も言ってるけど、「文句やったらホルモンに言うて!」やねんな。

主人公のイラストレーターもPMS。しかし自分ではまだ気づいていない。
玉子が剥けなくて情けなくておいおい泣いてても、生理が始まるとけろっと治ってる。
ある大晦日、生理前でいらいらして実家とけんかして家で過ごしてると
灯油が切れてて、友達の弟が灯油を持ってきてくれて、人寂しさから
関係してしまう。そしてあとで気づく。「あれってPMSのせい?」

そんな主人公秀子の日常を面白おかしく描いてて、中島たい子の
「病気シリーズ」第二弾?って感じ。前の「漢方小説」もそんな感じで、
登場人物にも言わせてるけど「最近忙しすぎる」女性達が軽く病んでしまう、
そんな姿をリアルに描いてて好感が持てる。
PMSで主人公が荒れる感じ、ネガティブな思考回路はすごいリアルで、
ああわかるわかるって読んでました。でも私はそこまでひどくはないね、と
逆に安心までしてしまうくらいだったが。いろんなPMS症状の友達が出てきて、
まるで雑誌の体験談みたいだったなあ。私はモノを投げたり、人に当たったりはしない、
ひたすら鬱になるのみ、です。それがいいことなのかどうなのか。

そんな症状を抱えつつも、仕事に悩み、友達の弟の基樹くんとのことで悩み、
日々を過ごしていく秀子。PMSであってもなくても、人生沈むときもあれば
上がり調子の時もある、調子が悪い自分ともうまくつきあっていければいい、
なんて風に、最近忙しすぎる女性達に向けての応援書、的機能を今回も担っている、
すがすがしい本でした。
前のと違って、笑いの要素は少なくて、笑いによる癒し効果は期待が薄いけど、
くすりと笑えるところはたくさんあって、軽妙な文体はさすが、うまいです。

友達がたくさん出てくるのもこの作家さんの持ち味かなあ、って気がします。
日常って感じがすごくするし、各キャラクターが個性的でいい感じで、
友達から何かを得ている主人公にも共感。いい友達は財産よね。
で、彼氏の基樹くんとの関係がとてもいい。
何気ない台詞に、彼が秀子をちゃんと理解してくれてるのがすごくわかって、
派手でもドラマチックでもないけれど、こういう恋愛っていいなあ、って思いました。
安心できて。彼の存在自体が癒しだよねえ。いいなあ、あんな彼氏。

ま、そうやって癒されはしたけれど、私は月に1回必ずくるこの憂鬱は、
秀子ほどあっさり受け入れられないから、「ふーん」って読んじゃったな・・。
この本程度で受け入れられるほど軽いもんじゃないです。月に1回もくるのよー。

作品中に「また何でも名前をつける」と愚痴ってるシーンがあったけど、
私はPMSって名前をつけてもらっただけでも、楽になったな。原因不明よりずっといい。
多少鬱でも「まあしゃあない、今は鬱期やから」と割り切って鬱になってる感じです。
ドタキャンが平気になるかと思いきや、それ自体を案外しなくなりました。
バファリン飲めば元気になるのがわかったので、鬱でもバファリン飲んで、
そして元気になったと思い込んで出かけると、案外頑張れるんだよね。
ま、でも治したいから、漢方の世話になるか、なんかサプリを飲むか、とは思ってるけど、
お、それって「漢方小説」の影響か?

※結局、おばちゃんと化した感想でございましたわ。おほほ。
| comments(13) | trackbacks(12) | 02:21 | category: 作家別・な行(その他の作家) |
コメント
おはようございます。
ざれこさんも、その症状アリ!なんですね。
実は、私もそうなんです。
もう、一週間前から気分はどん底です。
始まると、すっきりするんですよね・・・
すっかり、症状のコメントとなってしまいました。おばちゃんですね私も。(笑)すみません。

TBさせてくださいね。相変わらずベタな感想ですが、読んでやってください(笑)
| ゆう | 2006/05/21 10:55 AM |

こんばんは。
そうか、女の人だけじゃないんだから「あーでもない、こーでもない」書くのはセクラハにもなるんですね。
仕方がないです。
文句があったらホルモンに言ってもらいましょう!

男の人、読んでも感想書きにくいですよね。
他の人にも絡みにくいだろうなぁ。
「大変なんですねー」程度でしょうか…

| なな | 2006/05/21 9:00 PM |

私ってよっぽどお気楽なのか、「月に一回も」っていう感覚が全然ありません。うーん。面倒なんですけれど、でも「めんどうだなぁ」って思うくらいで、あまり頭の中をそこにさいていないというか。お得なのか…。女としてどうなのか…。
| chiekoa | 2006/05/22 4:26 PM |

ざれこさん☆こんばんは
わたしはPMSがちっともないんで、どうもよく分からなかったんですよ。
この本を読んで、「そうだったのか!」などと思ったくらいで。(^^ゞ
先日読んだ「女は毎月生まれ変わる」で生理はコントロールできるってことを知って、益々女の身体は不思議だぁと思う今日この頃ですぅ。
| Roko | 2006/05/22 9:48 PM |

ゆうさん
辛いですよねー。月に2週間も憂鬱が続くわけで、「女なんてもういやだ」っていつも思ってますよ。人生の半分無駄にしてる感じですよね。産むか産まないかもわからないのにー。(←自虐セクハラ発言?)

ななさん
男性でこれ読む人いるんでしょうかねえ。でも読んで欲しいですよね。理解者求む!(笑)男の人はずっと安定してるのかな、とうらやましい日々です。

chiekoaさん
いいじゃないですか。いいですよ。鬱になるだけで全く女らしくない私は損なとこどりなんですからねー(また自虐・・笑)

Rokoさん
PMSは私も「自分、病気かも」と思って調べて初めて知りました。ま、でもこの変な病名?に甘えてのほほんとしてたら本当に変な病気にかかっても気づかなさそうでちょっと怖いです。狼少年?違うか・・。
そですか、コントロールできるんですか。その本も買おうかなあ。がんがんコントロールしてしまいにはなくしてやる(女捨ててるな・・・)
| ざれこ | 2006/05/22 11:58 PM |

 こんばんは。
ざれこさんも同類でしたか。

私もこの本を読んで思ったのは、ちゃんとPMSという名前があったことに、かなり気分がラクになったということです。そうそう。

同僚とどちらがひどいか自慢みたいなことしてましたけど、ちゃんと理由があったんですねぇ。

まだしばらくは付き合っていかなくてはなりません。
うまく乗り越えたいものです、ホント。

私も市販の薬は卒業しようかなぁと考えます。
| ☆すぅ☆ | 2006/05/23 10:26 PM |

☆すぅ☆さん
そですよね、名前がついて楽になりましたね。
で、ひどい自慢は私もよくやりますよ。「私なんか頭痛が!」とか。自慢にならんっちゅうねん(笑)
でも、長いつきあいなんだし、うまくつきあっていきたいですね。
私もいい加減バファリンが効かなくなるんじゃないかな、と怖いです。控えめにしないと・・。
| ざれこ | 2006/05/25 1:37 PM |

こんばんわ〜またTBさせていただきました♪
名前がつくだけで安心したりしますよね〜。
逆に「気のせいでしょ」とか一言で片付けられると、不安と痛みが相乗効果で悪化したり^^;

男の人は読みにくいかもしれないけど、
基樹みたいに不器用ながらも理解しようとしてくれる人もいる気がします(希望的観測)。
そんな人を相方にすることが、
この症状からの離脱方法のひとつかなぁなんて思います。
| 斎藤れい | 2006/06/14 7:51 PM |

斎藤れいさん
こんにちは。TBありがとうございます。
基樹みたいな男の人いいですよね。ま、問題抱えてるし覇気はないけど(笑)、自分が弱い分人の弱さも受け入れられるっていうか。いいですよね。
| ざれこ | 2006/06/16 9:34 AM |

私もPMS的な女ですよー。この小説ほどひどくはないんですけど。

思いやりに欠ける男性には考えてもらいたい問題ではありますね。

ただ、女性は本当にPMSで済めばいいですが、それ以外の要因があったりしたら大変ですね。

生殖器官を本来の目的に使用していない女性の皆さんは「PMSだから」と簡単に片づけずに、くれぐれも気をつけましょうね。(私を含め、ですが)
| ぱんどら | 2006/06/20 11:04 AM |

ぱんどらさん
ほんまですよね。PMSやと思って油断してたら変な病気になってたりとか、いやですよね。私も定期健診とか行かなきゃ、と思う歳になってきました。あーあ。
| ざれこ | 2006/06/21 12:26 AM |

こんにちは。
内容を知らずに読み、あたふたしちゃいました。
知らない世界なので勉強にはなりましたが、居心地は微妙でした。
間違えて女風呂の戸を開けた感じとでも言えそう。

| しんちゃん | 2007/06/17 6:15 PM |

しんちゃん
あらー、知らずに読んだらびっくりしますよね。お疲れ様でした・・。こんな苦労もあるんですよ、知ってておいて下さいな。(笑)
| ざれこ | 2007/06/19 9:47 PM |

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