本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「富豪刑事」筒井康隆
富豪刑事
富豪刑事
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 1983/01
  • 売上ランキング: 36,777
  • おすすめ度 4.33


ドラマ化されたので原作を購入。多分高校生のころに読んだような気もするんだが、
再度手に取ってみた。10年以上前のことだからきれいさっぱり忘れていた。

ドラマでは深田恭子がやってる富豪刑事だが、小説では男である。
多分20代、神戸大助。一本8500円もする葉巻を普通のたばこみたいに吸い、
真っ赤なキャデラックに乗った刑事だ。私なんぞは庶民だから、キャデラックって
どんな車かその価値すらわからないけども。
そんな彼は案外謙虚で「いや、父が富豪なだけで僕は別に」としおらしく、
毎月の薄給と自分の莫大な財産とのギャップに驚いていたりする。
で、父は昔悪行の限りを尽くした大富豪、大助が金を使って事件解決することで
毎回毎回嬉しくてぶっ倒れそうになる(もうええで、ってくらい毎回・・)老人だ。
そこはドラマと同じだが、父の秘書が若くて超美人で大助に惚れてるってところが
ドラマとは違うところ。この二人の関係も話の一つの軸になっている。
そんな富豪刑事が関わる4つの事件。
どれもこれも、途方もない金を湯水のように使って事件を解決する。
なんと会社を設立してしまったり、身代金を全部立て替えたり、
超有名人を呼んでパーティをしてしまったり、市の旅館全部の予約を埋めてしまったり。
ばかばかしいくらい金を使うのでとても気持ちがいい。
更にこんな使い方も。
「子どもが誘拐された人の家にガス集金人で入るとはなんて月並みな。すぐばれるぞ」
「じゃああいつにキャデラックに乗って行かせましょう、ミンクのコート着た
美人秘書も連れて」「なるほど、刑事には到底見えまい」みたいな。

SFが本家の筒井氏、推理小説を書くことに照れがあったのか、
メタフィクション、っていうんだったと思うけど、作者の言葉が文中に登場したり
「これが小説の便利なところだけど、あっという間に当日だな」みたいな
台詞を言わせたりしている。そういう手法を使って、読者に対して推理小説を
書くことへの言い訳みたいなことを書いてみたりしている。
その手法に慣れてない人にはびっくりすると思うけど、筒井氏を過去にかなり
読んだ私には違和感はなかった。何でもありな人だからなあ・・・

しかし言い訳もなんの、なかなかどうしてわりと本格推理です。
筒井氏らしいおおがかりで独創的な仕掛けなような気が。
(まあ、どこかで読んだような気もしないでもないが。)
でも金を湯水のように使う捜査方法が斬新だから、それだけでかなり面白い。
ばかばかしいけど面白い一風変わった推理小説。
ドラマにはまったのならこのばかばかしさにもついていけるはず。

それにしてもドラマはすごかったねえ。ばかばかしいったら。
でも原作は4話しかないのにあれだけふくらませたってことは、残りの話は
出演者でもあった筒井氏が構想したのだろうか?
とにかく続編読みたいなー。なんで4作で終わっちゃったんだろ。
| comments(0) | trackbacks(1) | 09:44 | category: 作家別・た行(筒井康隆) |
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富豪刑事デラックス
2005年1月クールに放送され、話題を呼んだドラマ「富豪刑事」
| くちこみ評判良品 | 2006/04/22 6:06 PM |
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