本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「SPEED」金城一紀
SPEED
SPEED
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 1,155
  • 発売日: 2005/07/01
  • 売上ランキング: 4,091
  • おすすめ度 3.76


昨年最後に読んだ本でした。いい年末でした。
えっと、最初に書いておきますけど私は金城一紀のファンです。
ここの常連さんはよくご存知かと思いますけど、夏ごろに非常に盛り上がり、
大変なことになってました。もうはっきりいって惚れてます。
映画も観て岡田准一にも惚れてます。関係ないといえばないんだけど、
岡田准一がやっていた朴舜臣がこの本でも出てきますから、
もうだめですメロメロ(死語)です。
だから、客観的感想だとは思わないで下さいね。
高校1年の岡本佳奈子、名門の聖和女学院で平凡にすごす女の子。
家庭教師の女子大生、彩子さんが、突然謎の自殺を遂げてしまい、
そこから彼女の平凡な生活は一変する・・
彩子さんの友人に会ったとたんに男達に襲われた佳奈子、
連れ込まれた先には作業服の男達がいた。
「きみ、聖和女学院だよね?」もがいている彼女に男は聞いた。
うなずくと、彼らは佳奈子を助けてくれた。
だって、佳奈子は聖和女学院で、彼らはザ・ゾンビーズだから。
聖和の女の子を彼らが助けないわけがないのだ。
そして佳奈子とザ・ゾンビーズの冒険が始まる。

これ読む前に「レボリューション癸魁廖感想)と「フライ、ダディ、フライ」(感想
忘れずに読んでくださいね。聖和女学院と彼らとのつながりが、
ここでしつこいほど描かれてます。あほみたいなつながりやけどねー
2作を読んでないとわからない重要な話、小ネタ、いろんな要素が詰め込まれてて、
「フライ・・」の時には思わなかったけど、あからさまに今回は
シリーズ、ってのを意識した作品になってます。
あと、「対話篇」(感想)も読んでいたら、それとのつながりにも気付く人は
多いんじゃないかと。これは先でもあとでもいいです。

と、まあ私にとっては「おお、みんな元気やった?南方も、スンシンも、
萱野も。山下は相変わらず最弱のヒキ?
うわ、今回はアギーも出動してんねえ、でもヒロシは、・・・」と、
やたら話しかけたくなるくらい、おなじみの連中たち。
彼らと思い出まで共有しているようで、なんつうかただの読書を超えた、
とても楽しいひとときだった。
ってこんな感想やばいでしょ?入りすぎでしょ。すいませんほんま。

佳奈子は彼らの協力を得て(スンシンがボディガード兼ボクシングコーチ、
うらやましすぎます)、彩子の死の真相、そしてその裏に見えてくる
大学の学園祭の裏をかぎつけ、そしてゾンビーズと向かう大冒険。
その冒険の中で、おとなしかった彼女が、自分の力で、世の中に
立ち向かうようになる、その彼女の始まりを描いた、すがすがしい物語。

ストーリー自体にはまあ少し言いたいこともある。粗さもあるし、
派手な漫画的展開だし。主人公の佳奈子だって、平凡といいつつ
しょっぱなから気の強さとかは常人ではないし。いきなり高校1年が
高校3年の男子達と仲良くなったうえに「南方は?」って呼び捨てにしてるのは
ちょっとびっくりしたわ。本当に平凡な女子高生だった私には
そんな態度は死んでも取れなかったぞ。

でも、そんな上下関係とかぶっ飛ばすくらい、ゾンビーズが自由なのかも
しれない、と彼らを援護したくなる、くらい。
キャラが勝ちまくってる小説。彼らと友達になれるならなんでもいいー
ストーリーなんかいい、一緒に時間がすごせたらいい。と思っちゃうくらい。
こんな魅力的な人たちが描けるのに、ストーリー云々を
どうこういう必要はないのだ。とにかく夢中で読めちゃうんだから。

金城さんのメッセージ性は今回緩めだった気がするけど、
たとえば赤信号を車で渡って。アギーは言う。
「俺たちを動けないように縛ってるのは信号機じゃなくて、目に見えないもんなんだよ。(略)俺とか南方とか舜臣とか萱野とか山下は、自分たちの目と頭が正しいって判断したら、赤信号でも渡るよ。で、おまえはどうするよ?」


偏差値が低いオチこぼれ学校にいる彼らは、レボリューション癸海
生物教師の台詞「おまえら、世界を変えてみたくはないか?」のとおり、
世界を変えてみせるのだ。世間じゃない、自分の目と頭で判断して、
自分が正しいと思ったことをやる。
そして、自分の中から、世界を変えてる。視線が変われば世界は変わる。
自分のことを自分で全部やって、それを全部自分の責任で負う、
確固とした自分を持つこと。世間に負けないこと。
そんなことで世界は変えられる、それを実践している。
だからこそカッコいいんだよ。

ラストは佳奈子も少しその境地に近づく。佳奈子のその、新しい出発が
また新たなドラマを生み出すのかと思うと、それもとても楽しみだ。

つうか新作またすぐに書いて欲しいです、金城さん。お願いしますね。
大好きです〜(←なんかうざい?)
| comments(17) | trackbacks(16) | 00:56 | category: 作家別・か行(金城一紀) |
コメント
ざれこさんのレビュー読んでいたら、ざれこさんのメロメロ度があふれ出ていて、なんだか私まで「愛しのゾンビーズ」に又会いたくなってしまいました。
| なな | 2006/01/06 8:29 AM |

こんにちは。TBありがとうございました。
年に一回ぐらいは新作でゾンビーズに逢いたいですよね。
| yana | 2006/01/06 9:46 AM |

ななさん
すいませんお恥ずかしいくらいで。いくつやと思ってるねん私、って感じです。
若いころに読んでたらもっとはまってたことと思います・・

yanaさん
こちらこそTBありがとうございました。
そちらで貴重な情報を得ることができて嬉しかったです。
ゾンビーズ、ほんまに毎年逢いたいです〜早く次回作が出ないですかねえ。
まあ、ゾンビーズじゃない金城さんでもいいんですけども。
| ざれこ | 2006/01/06 11:58 AM |

はじめまして。
ザ・ゾンビーズ好き仲間発見!と思わず書き込んでしまいました。
レヴォリューションNO.3を高校生のとき読んでから、「今までで一番好きな本だ!」と感動したのに昨日までSPEED出てるの知らなくて、今日ようやく読みました。

今回もメンバー以外の視点でしたが、みんなの違った顔が見れたという点ではよかったかな?個人的にはアギーが出張ってくれたので満足です。でももうちょっと南方に活躍して欲しかったかも。
次回作早いといいですねー。
対話篇も読んでみようと思います。
| トニー | 2006/01/06 10:13 PM |

トニーさん
そう、アギー大活躍は嬉しかったです。触れられただけで眩暈するくらいカッコいいみたいですよねー。あー触れられたい(おい)
高校のときに「レボリューション癸魁廚読めたというのがうらやましいです。私も現役の頃に読みたかったなあ。なんか、見方が変わるというか、前向きにやっていけそうですもんね。
「対話篇」も是非。で、未読でしたら「フライ、ダディ、フライ」も忘れずに。ついでに映画も(宣伝部長(自称))
| ざれこ | 2006/01/08 2:32 AM |

映画はまだ見てないんですが,ゾンビーズシリーズはわたしも大好きです!
痛快ですよね。

この作品は,わたしも言いたいこと少しあるんですが。まあみんなにまた会えてよかったなぁと。
……ちょっと映像化を意識したつくりかな?ってのが気になりました。映画化するでしょうか,これも。
普段は原作を気に入った作品,あえて映画見ないんですけれど,ざれこさんの文章読んでなんだか見てみたくなりました!
| mamimix | 2006/01/08 9:50 AM |

mamimixさん
確かに映像化に似合いそうな派手な展開でしたね。2時間くらいでいけそうだし。映画化するなら岡田くん続投で希望。アギーは速水もこみちくんとかどうでしょう。うわ、絶対見るわそれ。
フライ、・・の映画は私も心配しつつ見にいったんですけど、金城さんご本人が脚本だったのが正解だったのか、役者がよかったのか。とにかくOKでしたよ。好きな映画です。
一箇所だけちゃっちいセットがあってあーあって思ったくらいで・・・(笑)
| ざれこ | 2006/01/09 2:43 AM |

愛情が伝わってきますね〜。
私も先日映画を観て、岡田舜臣にメロメロです。(笑)
あんなに素敵だったとわ。
ぜひ岡田舜臣続投で映画化して欲しいですね。
あ、でも今度はテレビドラマになりそうな気も。
(全然根拠ないこと書いてます)
| 四季 | 2006/01/13 6:17 AM |

四季さん
そう、テレビドラマー。是非やってほしいのです。連ドラがいいのです。レボ癸海らずっとやるのです。
岡田くんと南方くんは残留、アギーは速水もこみち(きゃー)、佳奈子は沢尻エリカ、とまで決めてます。誰かやってー
| ざれこ | 2006/01/14 2:04 AM |

まだ読んでないのですが、ゾンビーズめっちゃ好きです!!中でも山下がほんま好きです!!「SPEED」でも活躍してました??
| あゆみ | 2006/04/16 4:13 PM |

あゆみさん
山下、いいですよね。「SPEED」でも史上最弱のヒキは健在です!楽しんで下さいね。
| ざれこ | 2006/04/17 2:18 AM |

金城ファンのぽこです。
じゃん。発表します!アギーのアパートは私の実家裏と判明しました。
……ただ、思い込んでいるだけなんですが。後半で、アギーの家へ行くくだりがあるでしょ。どう考えても私の家周辺。そして、そこは池袋ウエストゲートパークの舞台周辺。ついでにこっそり暴露すると、「G0」で椿役を演じた、柴崎コウさんの育った街。
| ぽこ | 2006/04/28 3:39 PM |

ぽこさん
うわーそれは凄いですね。いいなあこれだから東京はうらやましいのですよ。
もしやロケ中の柴咲さんをみかけたりとかですか?いいなあ(←ミーハー・・)
| ざれこ | 2006/05/01 2:21 AM |

ざれこさん、こんにちは。
新しい自分を見つけ出す佳奈子が印象的で、
ゾンビーズの活躍が楽しい物語でしたね。
映画も見られていて、すごいファンと知って
レビューを興奮して読んじゃいました(笑)。
| 藍色 | 2006/05/23 12:02 PM |

藍色さん
つい気づくのが遅くなってごめんなさい。コメントありがとうございました。
映画もみましたしかなり金城ファンです。続編むちゃくちゃ待ってます。続編じゃなくても何でもいいから書いて欲しいです(笑)
「対話篇」の中の「永遠の円環」を読み直してみたら、彩子さんの別のドラマが読めます。読まれてないなら是非。
| ざれこ | 2006/05/25 11:51 AM |

ざれこさん、新ブログになって最初のコメントとトラックバックありがとう!

ライブドアブログはいちおう復旧したんですけど、もっとブログ管理がやりやすいところに移ろうかなぁ……というわけで急な移転となりました。

さて金城一紀ですが、本の雑誌社の「WEB作家の読書道」に記事が出ていましたので、ご興味があれば検索してみてください。

Googleで「金城一紀」で検索すれば、すぐ出ると思います。
| ぱんどら | 2006/06/03 5:24 PM |

はじめまして♪
ゾンビーズに対する(スンシンに対する?)愛情がいっぱいで思わずTBさせて頂きました。
面白いですよね〜。続編希望です!
そして『SPEED』も映画化してほしいです!
もちろん岡田スンシンで!!!!
ついにビジュアルBOOKまで買ってしまいました・・・。
久しぶりにハマった作品です♪
| tomekiti | 2006/06/29 12:00 AM |

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