本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「世に棲む日日」司馬遼太郎
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全4巻。 幕末の長州藩のお話です。
特に、長州藩を攘夷藩にしてしまった原因である吉田松陰、
そしてその門人で長州で革命を起こしてしまった高杉晋作、
彼らの人生を追いつつ、幕末の一時代を描いています。

すごい勢いでおもしろかった。
なんていうんだろ、たった一人で長州藩の体質を根こそぎ変えてしまった
吉田松陰、すごいねえ。彼の人生は彼が純粋すぎるゆえに
悲惨だったんだけど、そこで自説を喋ったらあかんやろ、ってところで
幕吏に騙されて朗々と自説を披露してしまい、
「これほどのあほうはいない」と著者に言わしめてしまうあたり、
私はなんだか笑ってしまった。
自分の純粋さに殉ずるしかなかった松陰を、著者が愛情こめた目で
温かく見つめていて、おかしみとともにそれが染み入ってきた。

そして高杉晋作の人生も、私はあまりよく知らなかったんだけど、痛快で爽快。
すっかりファンになっちゃいました。坂本竜馬もいいけど晋作もいいねえ。
ものすごい革命児でありながら、放蕩ばかりしていて芸も達者で、
逃げる時にも誰が見ても町人、な格好で逃げて、詩も上手で、
そして27年の人生を駆け抜けて辞世の句を上句だけ作る。
「おもしろき こともなき世を おもしろく」
またそこにも、激烈な人生を送ったはずの悲壮さは描かれてなくて、
時代を駆け抜けた人々を俯瞰して温かく描くその持ち味が、
さすがすばらしいなと思いました。

なんか、人間がいとおしくて好きになります。

あ、でも薩摩人は嫌いやな、と普通に思ってしまった。
この時代の長州人は、松陰に代表されるように、
思想に生きて思想に死ぬようなところがあって、
負けるとわかっていても正義のために戦はするし、
晋作みたいに「長州を灰にしてでも新しい秩序を」なんていう凄まじい
気迫の人を出したりするんだけど、
薩摩はどうも策を弄しすぎてよくないね。いやあ、気に食わん。
と思いながらも、この温かい著者が薩摩人をどう描いているのか、
「翔ぶが如く」も読みたいような気もしました。
読んだらその謀略ぶりも好きになるかもしれんなー。

それにしても、晋作の辞世の句は何度読んでもいいですね。
この本を読んでこれに触れると、なんだか涙腺に響きます。

「おもしろき こともなき世を おもしろく」

私もそんな風に生きていきたいな。
| comments(3) | trackbacks(2) | 00:42 | category: 作家別・さ行(司馬遼太郎) |
コメント
ざれこさん、お久しぶりです。

司馬遼太郎の「世に棲む日日」、僕もむちゃくちゃ好きな作品です! 松陰も晋作も、対照的な人物なんだけどその一途さに憧れますね。

僕の拙い感想をトラックバックさせていただきましたので、よろしかったらご覧下さい。
| tricky-days | 2005/11/04 5:00 PM |

こんばんわ。
長州の人間は純粋すぎると思います。
そのせいですごく損をしてきた・・
でも薩摩は老獪な面もたしかにありますが
なにせ「薩摩隼人」という言葉があるくらいですからファイターの集団です。

翔ぶが如くはすごく面白いですよ。
これ1冊で薩摩が分かります♪

TBありがとうございます。

| | 2007/03/31 12:51 AM |

花さん
確かに、長州は純粋すぎたかもしれませんね。そして薩摩は確かにずるいとこもあるけど、真っ先に世界を相手に戦ったりして、勇ましいとこもありますよね。
飛ぶが如くもいつか読んでみたいと思います。
| ざれこ | 2007/04/06 3:21 PM |

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司馬遼太郎「世に棲む日日」 〜疾走する永遠の青年たち
 特に歴史に詳しくはないのだけれど、歴史小説を読むのは好きだ。  何がいいって、歴史小説に出てくる人たちはみんな頑張っている。歴史に名を残すほどの人たちが頑張っていないわけはないのだが。  それにしても、そういうひたむきな姿を堂々と描写できる小説
| Tricky Days | 2005/11/04 4:55 PM |
「世に棲む日日」司馬遼太郎
わたしが一番面白いと思っている江戸幕府が滅びる寸前のころのお話です。 (この時代を幕末と言います)  幕府を滅ぼす原動力になったのが長州藩、土佐藩、薩摩藩。 土佐といえば坂本竜馬、薩摩といえば西郷隆盛。 では長州藩は? 本作は意外と地味な長州
| 穴のあいた傘 | 2007/03/31 12:52 AM |
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